【投機の流儀 セレクション】個人投資家群に変化の兆し?
シタタカな個人投資家は下がれば買う、上がれば売るという逆張り投資が得意であったが、この投資家に変化が生じつつあるという見方がある。「中長期目標の個人投資家が新型コロナ禍で増加し、株主還元や成長性を見極めながら個別株にも資金を投ずるようになっている」、要するに下がれば買い上がれば売るというやや短期的な売買を得意とする個人投資家たちの動向に変化があり、中長期目標で株主還元や成長株を買うように変化してきたというのだ。その元手は今まで絶好調だった米国株の利益で得た資金ではないかという。これが本当であれば、そしてこれが勢いを増せば、相場全体を下支えし、大きな見方をすれば東京市場に海外投資家を引き寄せるきっかけになる。逆張り投資は下降時の下値支持線となるが、上がってくれば上値抵抗線となる。ところが、その個人投資家が投資方法を変えてくれば、投資方法を成長株や株主優待株に向けたとすれば、上昇時にも押し上げ役となり得るから海外投資家を引き寄せるきっかけとなる。「個人投資家は従来の逆張りから変化の可能性がある」と指摘している(ゴールドマンサックス証券・日本株ストラテジストの言。日経新聞12月9日証券欄記事)。
個人投資家の買い越しは安い時に起こる。高くなれば売る。個人投資家はシタタカでバブル崩壊の1990年にはTOPIXで40%安の時に買いが増えた。また、リーマンショックでTOPIX42%安の時に買いが増えた。また、東日本大震災の2011年に19%の時に買いが増えた。この時大幅買い越しとなっている。そして上がってくれば個人投資家は一番シタタカである。誰にも相談せず自分の意思一つで資金を動かせるからだ。これが長期投資で成長株や株主優待株や利回り株に目を付けて長期投資に転ずる方向があるとすれば、外人投資家を呼び込む大きなきっかけにもなる。
【お知らせと御礼】
配信者の(株)まぐまぐ(昨年9月に上場)から「山崎先生のメルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』が「まぐまぐ大賞2021」資産運用(株式)部門で第1位となりました。」という知らせが先週ありました。アンケートで決めるのだそうです。皆様のお蔭様でした。御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)週初の動き、多少の弱含みから始まろう
(2)先週16日(木)のFOMCの想定内の金融引き締めへの転換点、これを見据えて市場の姿が変わった
(3)FRB、日銀、ECB全部が引き締め方向へ舵を切った
(4)当面の市況、11月末と似ている点と相違点
(5)キャピタル証券・債券アドバイザーの見解
(6)株式市場と距離が遠いか岸田首相
(7)「相場は回復 大型株が主導」
(8)日本株の出遅れに対しNY株は週間で1年ぶりの上昇幅
(9)「IPO投資、常識を疑う 揺らぐ初値高騰、じっくり構える新戦略」
第2部 中長期の見方
(1)日経平均の89年年末大納会の高値が史上最高値で3万8,915円。その時の円ドル為替と今の為替相場との比率で換算すればその市場最高値は現在の為替相場で言うと日経平均は3万600円に相当する≒今年2月高値、9月高値
(2)岸田首相の政策がイマイチ明確さを欠く――「政策を売り歩く商売人学者」と筆者が揶揄してきた竹中平蔵氏と岸田政権
(3)米インフレ、FRB困惑
(4)大規模財政出動に株式市場は踊らず
(5)個人投資家群に変化の兆し?
(6)中国恒大集団、一部にデフォルト
(7)銘柄選びの際のご用心
(8)やってはならないことをやってしまう「失敗の本質」
(9)新自由主義と新資本主義との違い
(10)トルコ・リラ建て証券保有の読者諸賢に明るい話
第3部 読者との交信蘭
O様との交信(郵船、川崎船の高値掴みの読者との再信)、
【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi
【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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