gunparademarchist

2014年4月19日、利用開始。36歳(※当時)、男性、独身です。

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2014年4月19日、利用開始。36歳(※当時)、男性、独身です。

最近の記事

『新版◎小説道場、第4巻(中島梓/光風社出版)』、再読了。

 やおい小説の大家、というか、始祖の一人が、”近頃の明るくらぶらぶなやおい”を認められない老大家に堕ちる、シリーズ最終巻。  ・・・・・・というわけで、全般的に、感情的な文章になりますので、注意。 https://amzn.to/4bTiR7G  まず、”若い女性”が嘗められる時代があったこと、だからこそ、ヤオイの語源(と言われる)、ヤマなし、オチなし、イミなしが、存在した、という歴史までは、悲惨なれども意味と役割に縛られ、自分では合理的だと思い込んだ男性思考へのアナーキ

    • 『A WORLD OF THIEVES (James Carlos Blake /Perennial )』、音読了。

      https://amzn.to/3Yi6HCx  邦題は、『無頼の掟(加賀山卓朗[訳]/文春文庫)』。  ジェイムズ・カルロス・ブレイクの描く、犯罪活劇。  あらすじ:  舞台は、禁酒法時代の、アメリカ南部。 強盗として生きる、叔父二人に憧れ、少年ソニーは、やがて、彼らと三人での盗賊団となっていく。  しかし、拘置所で、誤って警官を殺してしまったソニーは、脱獄後も、その父親、ジョン・ボーンズに追われることになるのでした。  読まれる前に、お伝えしておきたいことは、以下の

      • 『ひとりだから楽しい仕事 日本と韓国、ふたつの言語を生きる翻訳家の生活(クォン・ナミ/藤田麗子=訳/平凡社)』、読了。

         ”30年間に、300冊以上の本を翻訳”、という経歴が、まず。素晴らしい、韓国を代表する、日本文学の翻訳家のエッセイ。 https://amzn.to/3zVLTGw 日本(の翻訳家たち)と似ているところ: >インターネットがなかった時代は、一日の仕事量が本当に多かった。200字詰め原稿用紙で600枚程度の本なら、半月あれば訳せた。一カ月に原稿用紙1000枚分ぐらいを訳してやっと世間一般の月給ぐらいになるので、長年ずっと目標は100枚だった。  翻訳だけで、食べて行くの

        • 『Stealing SHADOWS (Kay Hooper /BANTAM BOOKS )』、音読了。

           アメリカの、ベストセラー作家、ケイ・フーパーの、 Bishop/Special Crimes Unit シリーズの中の、 シャドウ・ファイル トリロジーの、第一作。 (※邦題は、『シャドウ・ファイル/覗く』、ハヤカワ文庫、です)  長々と説明しましたが、要するに、サスペンス小説です。  邦訳の版元の早川書房さんが、絶版の本はHPに掲載しないので、俺が英文から読み取ったあらすじだと、このようなお話でした↓  殺人者の心を覗くことのできる超能力者、キャシー。LAで警察の捜査に

        『新版◎小説道場、第4巻(中島梓/光風社出版)』、再読了。

          『テスカトリポカ(佐藤究/角川文庫)』、読了。

           >選考委員・宮部みゆき氏「直木賞の長い歴史の中に 燦然と輝く黒い太陽」 https://amzn.to/3xEmPmM  第165回、直木賞受賞作を、文庫で、再読。解説や、あとがきなどの、追加はありませんでした。  それでも、傑作であることに、変わりはありません。  あらすじ:メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人(ナルコ)のバルミロ・カサソラは、潜入先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。  川崎で生まれ育った少年・土方(ひじかた)コシモは、バルミロに見いだ

          『テスカトリポカ(佐藤究/角川文庫)』、読了。

          『いもうと物語(氷室冴子/新潮文庫)』、読了。

           昭和40年代の北海道。鉱山の時代が終わらんとし、東京”とかいうところ”ではオリンピックがやっているせいで、うちに3つしかないTVのチャンネルが全部同じ内容になったり、”とうきび”の畑に入って怒られたり、家には初めて石油ストーブがやってきたりする。そんな日常を過ごす、小学校四年生のチヅルは、歌子お姉ちゃんを持つ、わが家の”いもうと”だった。 https://amzn.to/3RJms17  汽車と電車が両方あって、ローンじゃなく”月賦”と呼び、母親が仕事に出ると珍しがられ

          『いもうと物語(氷室冴子/新潮文庫)』、読了。

          『野球が好きすぎて(東川篤哉/実業之日本社)』、読了。

           プロ野球をテーマにした、ユーモアミステリ。 元々は、”高校野球”をテーマにした、アンソロジー用の短編から始まった、という、ちょっとズレたところもありました。 (※というわけで、この記事の画像も、あえて、マツダスタジアム・・・・・・、ではなく、由宇駅のそれですw) https://amzn.to/3VUyG9z  >――だけど、新井の背番号って28だったかしら?  謎解き役を、カープファン、語り手を、ヤクルトファン・・・・・・、の刑事を父親に持つだけで、特に野球ファンで

          『野球が好きすぎて(東川篤哉/実業之日本社)』、読了。

          『麻雀漫画50年史(V林田/文学通信)』、読了。

           全500P以上(※索引などを含めず)、2,400円(※税別)の大資料本。 https://amzn.to/45X8ajv  一度、同人誌として販売したものを、大幅な改稿と再編集を加えた一冊。 その甲斐あって、10年の調査期間が、正確さや、追加情報の濃さを増し、 読み応えのある内容になっていました。  この本を読むことで、知れる内容は、主に以下の三つでした。 ・どんな、麻雀漫画が、あった&あるのか ・エロ漫画よりも低い扱いをされることさえあった麻雀漫画が、 なぜ、一時は

          『麻雀漫画50年史(V林田/文学通信)』、読了。

          『家族狩り オリジナル版(天童荒太/新潮社)』、読了。

           (※帯、より)  >血の海に沈む家庭 破滅への電話が鳴り響く  声の主は、一か皆殺しを宣言して受話器を置いた・・・・・・。  あまりにも残虐過ぎる連続殺人、ページを捲るごとに満ちていく狂気。  迷える子どもらに救いの日は訪れるのか? https://amzn.to/4eEPNDR  グローバリズムが、反動としての、自国第一主義を流行らせたように、多様性が口に登るようになると、かえって、個々の家庭の”あるべき姿”は、狭く固く絞られてしまう。  世帯が孤立するからではなく、

          『家族狩り オリジナル版(天童荒太/新潮社)』、読了。

          『三たびの海峡(帚木蓬生/新潮社)』、読了。

           作者が、「日本人として、書いておくべき義務がある」と言い、 『本の雑誌』誌上では、後の馳星周こと、板東齢人が、「すべての日本人に、この小説を読んでもらいたい」と言い切った、一冊。  (※故三國連太郎主演で、実写映画化も、なされました) https://amzn.to/3VVkY6o  かつて、日本に強制連行された、朝鮮人男性、河時根(ハーシグン) 今や企業の会長を務める彼は、四十数年ぶりの渡航を決意する。人生最後の仕事を為すべき時が来たのでした。  先に、小説としての

          『三たびの海峡(帚木蓬生/新潮社)』、読了。

          『建築知識、2024 JULY、NO.836(エクスナレッジ)』、読了。

           特集、『中国の建物と街並み詳説絵巻』。  建築クラスタ向けの雑誌である、ということの意味  特集に惹かれ、初めて購入しましたが、  (建築クラスタの方々は、世界の観方が、 本当に、俺とは違うのだな)、と、実感しました。  広告に、そのことが、良く現れていました。  >空間を広く、心地よく 折り戸とうい新しい選択  >きれいな空気環境づくりをお手伝い  >意匠性の高い住宅用太陽光発電パネル架台  >プレセッターが木造建築の未来を変える  >金属サイディングという選択  

          『建築知識、2024 JULY、NO.836(エクスナレッジ)』、読了。

          『量書狂読(井家上隆幸/三一書房)』、再読了。

           フリー・ライターによる、「こんな本がありますよ」というコラム。 筆者は、「けなすよりもおすすめ第一」とおっしゃっておられますが、実態は作品をネタに、あらゆるものをこき下ろすスタイルでありました。 https://amzn.to/3VMtuUb  (あとがき、より)  >偶然にも92年2月は、左眼を失明して50年めです。何度か手術した末、20歳までに右眼も見えなくなるかもしれないといわれました。戦争中のこと、軍国少年には「死」の宣告と同じで、おまけに国民学校6年間に転向8

          『量書狂読(井家上隆幸/三一書房)』、再読了。

          『800 TWO LAP RUNNERS(川島誠/角川文庫)』、読了。

           中沢と、広瀬。対照的な二人が、走り、恋をする。 その競技は、陸上の800m走。 https://amzn.to/4cj0KJa  全力で走り切れば良い、というほど短くはなく、 ペース配分を考えて脱落せずに乗り切れば良い、というほど長くはない。  一周400mのトラック、二本の直線と二本の半円。  そんな800m走という種目は、性格も家庭環境も、好きになる相手も異なる二人の象徴として、観客が見守る”すり鉢”型の競技場のように、ドラマの舞台となっていました。  >ぼくが、

          『800 TWO LAP RUNNERS(川島誠/角川文庫)』、読了。

          『蟻(アリ)(ベルナール・ウェルベル/小中陽太郎◎森山隆【訳】/角川文庫)』、読了。

           今回、わたくし、破死竜が、読み終えたのは、 フランスの、”アリ小説”です。  世の中には、良いとか悪いとか、面白いとか面白くないとか以前に、 ”絶対、この人じゃなきゃ作れないよ”、という、 個性のメーターが振り切れている作品が存在しますが、 本書もまた、そのような存在でありました。 https://amzn.to/4cjaYsZ  まず、表紙に、無数のアリ。  次に、<主な登場人物>を見ると、半分がアリ。  ページを捲ると、献辞がアリに対して捧げられ。  アリにまつわる

          『蟻(アリ)(ベルナール・ウェルベル/小中陽太郎◎森山隆【訳】/角川文庫)』、読了。

          『時空の支配者(ルーディ・ラッカー/黒丸尚・・・・・・訳/ハヤカワ文庫SF)』、読了。

           こんな本を読みました、破死竜です。  原題は、『The Master of Space and Time 』 つまり、邦題は、ほぼ直訳ってことになりますな。  あらすじ:  時空支配装置を発明した悪友ハリイと共に、”ぼく”こと、フレッチ(フレッチャー)が起こす、大騒ぎ。  わかりやすい例:第四章のサブタイトルは、『ゴジラ対蛙男』、です。 https://amzn.to/3yZSHCN  どんな雰囲気の作品なの?:  物語の主人公(たち)ってのは、普通、何事かに無知

          『時空の支配者(ルーディ・ラッカー/黒丸尚・・・・・・訳/ハヤカワ文庫SF)』、読了。

          ただひたすら臭かった、とある乗客の話

           バスか、電車か。  とにかく、他の乗客も居合わせる乗り物だったと思ってください。乗り込んだ途端、平日の夜にも関わらず、ある席の周りに空間があることに気が付きました。  そのことをなんとなく妙に感じながら、座席の横に立ち――自分は、原則、席に座らない人です――カバンからスマホを取り出し、反対の手で吊り輪を掴んだそのとき、強烈な臭いを感じました。  ”匂い”は、漂ってくるものですが、”臭い”とは、それとは違い、放たれてくるものなのだと、初めて知りました。  鼻炎持ちで、またそ

          ただひたすら臭かった、とある乗客の話