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浜辺でいろいろと拾った。

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ノートで拾ったお気に入りを置いておきます。
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2020年4月の記事一覧

どないもならへん

どないもならへん

天気予報では今日の降水確率は50%だといっていたのにすっかり忘れて家を出た。エイジと待ち合わせている鶴橋駅のセブンイレブンで黒い折畳み傘を税込1,100円で買った。「PayPayで」ミカはスマホを店員に向けてから「やっぱし現金で」と言い直した。財布に2枚あった一万円札のうち1枚を出す。

「ただいま五千円札を切らしておりまして」 返ってきたのは千円札が8枚と五百円玉1枚、百円玉4枚。ミカの小さな三

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光の粒

光の粒

1
私は昔小さな羽虫で
あなたのベッドの裏についてた
のたうちまわるあなたのため
そっそそっそとへばりついてた
不機嫌なあなたの指で
潰されてしまったけれど

2
私は昔生意気なチャトラ猫で
あなたの眠れない夜によく
あなたの唇がそれ以上湿らないよう
窓の下でごろごろみゃんと鳴いてた
朝に怯えるあなたにはただ
ぎろりと睨まれてしまったけれど

3
私は昔おんぼろつり橋の欄干で
あなたがふら

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withnewsに拙作が掲載されました。

「#2020年代の未来予想図」withnews賞受賞作品が、withnewsに掲載されました。

原文よりラストが少し改訂されています。また編集部により、関連キーワードや写真を追加していただきました。編集の仕事のプロフェッショナルさを感じます。

読んでいただけたら、大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。

医療の現場から

頭がおかしくなりそうなのでしたためておく。
私は医療職に従事している人間である。看護師だ。
専門職ではあるものの、この歴史に刻まれるであろう混乱の中で私の有する専門性や経験値など紙切れ以下の価値もない。現状、私は「たまたま医療職に従事している一般人」であり、これは専門性を有する人間からの警告などではなく、ただならぬ混乱に巻き込まれた一般人の雄叫びである。
そのように受け止めてほしい。

私が勤めて

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