匂坂俊夫(経営アップデート/代表)

1971年8月18日 熊本生まれ。高崎経済大学 経済学部卒。中小企業診断士・事業構想士…

匂坂俊夫(経営アップデート/代表)

1971年8月18日 熊本生まれ。高崎経済大学 経済学部卒。中小企業診断士・事業構想士として、事業再生・ベンチャー企業の経営支援を中心に活動しています。本年3月、事業構想大学院大学を修了し、社会課題に向き合う事業の経営支援充実に向けて活動しています。

最近の記事

ソーシャルビジネス経営支援_人手不足対策編

一昔前はあまり考えられなかったが「人手不足倒産」という言葉をよく聞くようになった。民間信用調査機関の帝国データバンクによると、2023年上半期は110件発生しており、過去最多ペースとなっている。つい先日、いつも妻と二人で食事をする近くのビアホールに出かけたところ、明らかにお客様へのサービスの質が低下しているのが分かった。オーダーしたメニューがなかなか出てこないのだ。店内のスタッフの動きを見ていると、お客様のオーダーに明らかに追いついていない。 ホールの中を見渡すと、人手不足

    • ソーシャルビジネスの経営支援_「バックアップの大切さ」編

      社会課題を事業としている経営者の方と話をしている中で、どうしてもリソースの限界ということが話題になることが多いです。「人、モノ、金、情報」において、社内で偏りがあることがあります。例えば、人財であれば、若手の期待する社員に、過度の負荷がかかっているにも関わらず、適切な対処が出来ていなかったり、在庫であれば、仕入先の8割を1社だけに依存していたりする、と言ったことです。あるいは、資金であれば、メインの取引銀行と長い付き合いがあり、ずっと1行のみと取引している等々。事業の様々な場

      • ソーシャルビジネス経営支援_ひとり営業編

        設立まもないベンチャー企業の支援をしていると、必ずぶつかる問題として、会社設立半年後ぐらいに、製品開発やサイト開発など事業のコアの部分に力を注ぎ、営業する時間がない、という問題が出てきます。原因は、企業によって少しずつ違ってくるのですが「ひとりだけでは人的リソースに限界がある」ということが、ほぼ共通してあります。例えば、10,000千円の自己資本があったとしても、現時点で社員やアルバイトの方を採用することができる、という人は少ないのが現状ではないでしょうか。 でも、事業の認

        • ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_言いにくいことをAIに伝えてもらう編

          ソーシャルビジネスに限らずですが、部下や上司に対して、心の中で思っていることをそのまま伝えてしまうと、人間関係が壊れてしまいますよね。わたしも職業柄、耳の痛い話を伝えなければならない場面があるので、言われた側は心の中でぐさっときたり、文句があるだろうな、と考えることもしばしばです。伝えなければいけないけど、伝え方で人間関係がおかしくなる。これは、事業を行う上で、結構問題なのですが、原因はどこにあるのでしょうか? ひとつには、人間は元々「言われる内容」よりも「誰に言われている

        ソーシャルビジネス経営支援_人手不足対策編

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_自治体と連携編

          ベンチャー企業で資金調達に悩んでいる事業者は多いと思います。2年前に、わたしがベンチャー支援を行っている支援機関で、ベンチャーの経営者に事業上の悩みを伺ったところ、1位が販路開拓、2位が資金調達、3位が人的リソースの不足でした。 資金調達に悩んでいる企業が多いのはよく聞く話ですが、特に、ソーシャルビジネスとなると、さらに状況が厳しくなる場合があります。一つには、ターゲットとする事業者や消費者が、料金を支払うだけの資金的余力がないために、収益面だけで見ると、コストが上回り、事

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_自治体と連携編

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_新幹線型組織編

          ステージの異なる経営者と話をする機会があるのですが、事業を成功させて社会へ大きく貢献する企業に共通して言えることとして『同じ志や想いを持った仲間と事業を立ち上げているか』という点があると思います。当たり前と言えばそうなのですが、同じ想いを持った仲間がいて、自発的に全車輪が回転する新幹線のような組織は、社長の指示がなくともある程度正しい判断のもと動けるため、それゆえに、企業としての動きも早くなります。そして、お互いがシャフトでつながっていて、シャフトを通じて、情報という知(血)

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_新幹線型組織編

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_「もったいない」編

          「もったいない」 この言葉は、日本だけでなく、今や世界にも通用する言葉になった。 先日、実家のある熊本に帰省した時、久しぶりに近くを走っている熊本電気鉄道(通称:熊電)の車両が止まっていたので、懐かしく眺めていたら、どこかで見たことのある車両だと気づき、近くに寄ってみた。すると、以前、銀座線で走っていた車両だったのだ。熊電も懐かしかったが、銀座線の車両も懐かしく、まさか実家の近くでお目にかかれるなんて思っていなかったので、何とも嬉しい気持ちになった。 なぜ、嬉しかったのかと

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_「もったいない」編

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_「三方良し」編

          「三方良し」 この言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。近江商人の経営哲学のひとつで「商売において、売り手と買い手が満足するのは当然のことで、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方です。「新しく事業を始めたい」という方のお話を伺っていると、データがあるわけではないですが、肌感覚では約半数の起業者の方は、何かしら「社会課題」に対して事業で解決していこうという考えを持たれているように思います。社会課題も時代を反映して様々で、児童虐待、災害の激甚化、LGB

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_「三方良し」編

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_頭の中を見える化する編

          今回から少しタイトルを短くしてみました。 事業運営で大切なことの一つに「自分自身の事業を見える化する」ということがあります。見える化する、言い換えると「頭の中にある情報を整理する」ということです。でも、整理するといっても、なかなか難しいものです。なぜ、難しいのでしょうか? わたしがよく起業相談として受けるのは、事業を見える化するといっても「何から手を付ければよいか分からない」という話をよく聞きます。話をすると「あれをやりたい、これをやりたい、ここが得意、あれが苦手・・・」

          ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_頭の中を見える化する編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_社内コミュニケーション編

          一部の企業を除いて、最近「社内で意見をぶつけあう」ことが減ってきているかもしれません。何が原因なのでしょうか?「社内で嫌われたくない」「長く付き合わなければならないので、穏便に過ごしたい」「何か言うと〇〇ハラスメントと言われてしまう」と否定的なことばかりが聞こえてきそうです。 でも、社会課題を解決するのに、社内で意見をぶつけることができない企業が、多くの課題を抱える、あるいは、反対するステークホルダーが多々いる中で、どうやって課題解決できるのか?と考えてしまいます。 だか

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_社内コミュニケーション編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_コストをかけない広報PR編

          「PRって結構、費用がかかるんだよな。。。」と思っている経営者の方も多いのではないかと思います。ソーシャルビジネスにおいても、利益を生み出すためには、自社の事業や製品・サービスの認知を広めていかなければなりません。しかし、認知をゼロから広めることは、口で言うほどたやすいことではないことも確かです。公的支援機関などが実施するSNSセミナーなどには、いまでも多くの方が参加されます。それだけ、認知を広めるということは、エネルギーを要することなのです。 最近は、SNS以外にも、クラ

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_コストをかけない広報PR編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_スモールから始めるブランディング編

          ソーシャルビジネスをスモールから始められる経営者の方も多いと思います。でも、社会課題に向き合う事業を行う上で「ブランディングって何?」という声も聞きます。 そもそも、ブランディングって、具体的にどういうことを言うのでしょうか?言葉の意味を具体的に答えられる人は、意外と少ないのではないかと思います。わたしも以前は「ブランディングだからブランド=ロゴ」という認識が強かったですし、同じように考える人も多いのではないかと思います。もちろん、ロゴもブランディングと密接に関係しているこ

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_スモールから始めるブランディング編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_値付け編

          「値付けをいくらにするか」迷うことってないですか? 事業を行う上で「値付けをいくらにするか悩ましい」と思う人は結構多いのではないか、と思います。私も、よく悩みます。生業である経営コンサルタント業は、特に値付けのところがアバウトになっており「なぜ、この価格なの?」と根拠が見えない、分かりにくい業界の一つです。そこで本日は、自戒も込めて、値付けについて書いてみたいと思います。 値付けの際にまず考えるのは、次の3つになります。 コスト 競合価格 値ごろ感 1.のコストで

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_値付け編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_収支計画編

          収支計画をどうやって考えていくか、迷ったことはありませんか?収支計画ってどうやって立てればよいのか、私も今の仕事をする前は、ほとんど分かっていませんでした。「どこから取り掛かればよいのか、分かりづらい」と考えていました。 なぜ、収支計画って分かりづらいのか? 1つは、考えなければならないことが多いことが理由にあると思います。変数が多すぎるのです。これから伸びる市場なのか?競合が出てきたらどうなるのか?提供している製品やサービスの価値は、困っている人のニーズに合うのか?どの

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_収支計画編

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた(2023年4月)

          ソーシャルビジネスの現状 中小企業の経営者と日々話をする中で「社会的に意義のある事業をやりたい」と考える方が増えていることを肌で感じます。一方、事業で社会貢献したいと思っても、収益が伴わず、事業として行き詰ってしまうケースが多いのも現状です。 社会的課題に向き合うソーシャルビジネスに対する公的・民間の経営支援が不足しているという状況もあります。 事業として成立しにくい原因 なぜ「ソーシャルビジネス」が成立しにくいのでしょうか? 様々な原因が考えられますが、社会的に意義の

          ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた(2023年4月)