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ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_頭の中を見える化する編

今回から少しタイトルを短くしてみました。

事業運営で大切なことの一つに「自分自身の事業を見える化する」ということがあります。見える化する、言い換えると「頭の中にある情報を整理する」ということです。でも、整理するといっても、なかなか難しいものです。なぜ、難しいのでしょうか?


わたしがよく起業相談として受けるのは、事業を見える化するといっても「何から手を付ければよいか分からない」という話をよく聞きます。話をすると「あれをやりたい、これをやりたい、ここが得意、あれが苦手・・・」など、様々な話が断片的に出てきます。相談を受けるわたしも、断片的な内容で話をしても、適切な方向性を示すことは難しくなるため、まずは考えていることの整理整頓から始めることにしています。話を聴くだけでは、少しの満足はあるかもしれませんが、往々にして、どのような結論になったのか、次は何をやればいいのか「わからない?」ということになって、相談だけで終わってしまうからです。


そこで、何か箱のようなものを用意して、その中に自分が普段考えていることを整理していくと、段々と自分が考えている事業の全体像がおぼろげながら見えてきます。よく「フレームワーク」と言ったりしますが、代表的なものに、3C分析というのがあります。ご存じの方も多いと思いますが、事業を考える数あるフレームワークの中でも、基本のフレームワークになります。3C、つまり「Customer=顧客,Company=自社,Competitor=競合」というものです。顧客の困りごとってどんなことなのか、あるいは、どのようなニーズがあるのか?自社(自分)の強みって何?逆に、自社(自分)の弱みってどこ?気になる競合の強みって何?逆に弱みは?など。これだけ整理するだけでも、自分が考えている事業が、今、どの立ち位置にいるのか、あるいは、どの立ち位置で事業を行うのが良いのか、仮説を立てるときにとても役に立ちます。

頭の中にある考えを言葉にして整理ができたら、事業の存在意義、何のために働くのか、自身の事業について、顧客にどのように思われたいのか、などを考えていきます。逆のパターンもあるかもしれません。存在意義が先に来ても良いです。

存在意義や、何のために働いているのか、考え方がしっかりしてくると、事業でつらいときに直面しても、何とか踏ん張ってみようという意志が生まれます。そして、何とかしなければならない、という知恵が生まれます。

顧客にどう思われたいか。この点がはっきりしてくると、営業や広報㏚で伝える価値が明確となるので、その価値がターゲットの困りごとを解決することができるなら「刺さる」確率が増えてきます。


本気で世の中を変えたい、社会に貢献したい、そして、貢献するために、利益を生んでいくためには、考えていることを箱に入れて、整理してみることからスタートすることをお奨めします。

経営アップデート 代表 匂坂俊夫(中小企業診断士/事業構想士)


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