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ソーシャルビジネスの経営支援で考えてみた_自治体と連携編

ベンチャー企業で資金調達に悩んでいる事業者は多いと思います。2年前に、わたしがベンチャー支援を行っている支援機関で、ベンチャーの経営者に事業上の悩みを伺ったところ、1位が販路開拓、2位が資金調達、3位が人的リソースの不足でした。

資金調達に悩んでいる企業が多いのはよく聞く話ですが、特に、ソーシャルビジネスとなると、さらに状況が厳しくなる場合があります。一つには、ターゲットとする事業者や消費者が、料金を支払うだけの資金的余力がないために、収益面だけで見ると、コストが上回り、事業が成り立たなくなる可能性が高いからです。

でも、これだけ社会課題が叫ばれるのは、課題解決を待ち望んでいる方が、ダイレクトのターゲット以外にも多く存在するからだと思います。社会課題を解決してベネフィットを受ける方が多数いるということもあります。それでは、どのような方々がベネフィットを受けるでしょうか?

個人的に思うのは、例えば、自治体などではないでしょうか。

これまでは、書き方は良くないかもしれませんが、自治体がやれないことを事業者にやってもらうことも多かったと聞いています。であれば、1つのターゲット候補としては、自治体が挙げってもおかしくないと思います。

自治体は、市民に対して多くのサービスを提供しています。街灯、図書館、市営バスなど、枚挙にいとまがありません。しかし、そのサービスに、人手不足やDX化の遅れ、また、今後は税収の増加が見込まれず予算が削減されかねないなど、多くの課題を抱えているため、十分にサービスが行えない、あるいはサービスが行き届かないケースが増えています。そこで、最近は、自治体も民間と協力しながら、行政サービスを行うケースも増えてきました。

自治体の場合、施策に関連した補助金や助成金を自治体単位でも出すことがあります。広報プロモーションが十分でないために、知らない人も多くいますが、これからの社会は、民間企業も待っているだけではなく、もっと自治体に積極的な提案を持ち掛け、ボトムアップ型の提案を行っていくことも必要ではないか、と思います。

抽象的な話になってしまいましたが、自治体へのアプローチをもっと積極的に考えてみる。また、情報のアンテナを補助金や助成金だけでなく、もっと広げて見ることが必要になってくるでしょうし、行動や新たな仕組みづくりが、お互い必要になってくるように思います。

経営アップデート 代表 匂坂俊夫(中小企業診断士/事業構想士) 

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