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ソーシャルビジネス経営支援_ひとり営業編

設立まもないベンチャー企業の支援をしていると、必ずぶつかる問題として、会社設立半年後ぐらいに、製品開発やサイト開発など事業のコアの部分に力を注ぎ、営業する時間がない、という問題が出てきます。原因は、企業によって少しずつ違ってくるのですが「ひとりだけでは人的リソースに限界がある」ということが、ほぼ共通してあります。例えば、10,000千円の自己資本があったとしても、現時点で社員やアルバイトの方を採用することができる、という人は少ないのが現状ではないでしょうか。

でも、事業の認知を広め、知ってもらうには「やっぱり会って説明しないと細部が伝わらない」という声も多く聞かれます。特に、マスクも解除された今だからこそ、特にそのように感じるのかもしれません。ということは「たとえひとりでも、人と会って、直接話をして、事業を知ってもらう」ことが課題となります。


では、どうやってそんなマジックみたいなことを実現するのでしょうか?最近わたしが話をしているのは、事業のターゲットがたくさん集まる場所をまず考えてもらうようにしています。すぐ頭に浮かぶのは展示会かもしれません。であれば、3日間開催されるケースが多いと思いますが、例えば、水曜日から金曜日まで、徹底的にターゲットのブースも回ります。そして、ひたすら名刺による挨拶から始めて、世間話、そして、本題へと話を展開していきます。この活動は、相当疲れると思いますが、靴底が減るぐらいにやってみます。


最初から成約を期待する必要はありません。というか、ほとんどが無理です。日本の展示会では、ブースで成約が決まるというのは、食品業界などでは別ですが、ほとんどの業界ではないと思われるからです。よって、名刺を交換して事業を知る最初のきっかけにする、というぐらいの気持ちで臨んだ方が、あまりぎらぎらした営業を行うよりも良いのではないかと思います。リソースがないけれども、3日間だけは営業に集中してみるのです。

事業の内容に新規性や特殊性、つまりオリジナリティに自信がある方は、大手企業などが主催するセミナーで講演することができれば、単発でも高単価の報酬をいただくことができたりします。

ただし、ターゲットが集まるからと言って、コミュニティサイトなどで営業活動を行うとマナー違反となることがほとんどだと思いますので、よく雰囲気や場所を見極めて、営業活動をやってみるのも良いと思います。


今日、書かせていただいたやり方は、本筋の営業手法ではないと思っています。しかし、時間や人的リソースが限られてしまう事業者が多いのも事実ですので、提案の一つとして書いてみました。

成功する経営者を見ていると、営業活動しながら、製品やサービスに対するご意見を、経営者自らターゲット顧客層から聴いています。この謙虚な姿勢こそが、その後の事業を発展させるかどうかの岐路になるように思えます。

経営アップデート 代表 匂坂俊夫(中小企業診断士/事業構想士) 


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