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ソーシャルビジネスの経営支援で出来ることを考えてみた_値付け編

「値付けをいくらにするか」迷うことってないですか?

事業を行う上で「値付けをいくらにするか悩ましい」と思う人は結構多いのではないか、と思います。私も、よく悩みます。生業である経営コンサルタント業は、特に値付けのところがアバウトになっており「なぜ、この価格なの?」と根拠が見えない、分かりにくい業界の一つです。そこで本日は、自戒も込めて、値付けについて書いてみたいと思います。

値付けの際にまず考えるのは、次の3つになります。

  1. コスト

  2. 競合価格

  3. 値ごろ感


1.のコストですが、売値と原価には、次の計算式の関係があります。「売値×原価率=原価」です。よって売値は「売値=原価÷原価率」で求められます。原価、つまり、仕入値がいくらかは、決算書や仕入れ台帳などを見て確認することができます。原価率の数値は、いろんなところから情報を得ることはできますが、私が参考の一つとして活用しているのは「日本政策金融公庫 小企業の経営指標」です。これらの数値を使って、売価を出していきます。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/shihyou_kekka_m_index.html

2.競合価格ですが、これは事業によって調べ方が異なります。小売業であれば、競合の店舗やECサイトを見て価格を直接調べることができますが、BtoB商材の場合、いくらで流通しているか調べるのは、内容によってはややハードルが上がります。ネット検索で競合他社や業界のサイトを調べることで、価格が分かる場合もあるでしょうし、競合他社に問い合わせることで、価格情報を入手する場合もあります。ただし、相手に自社の存在を知られる可能性があるため、注意は必要です。あるいは、各業界の協会などに連絡を入れて確認するケースもあります。

3.値ごろ感ですが、私がよく話をするのは、正直に厳しい意見を言ってくれる人を探して「この製品やサービスなら、いくらだったら利用する?」とリサーチしてみることです。ターゲットに近しい人を友人・知人から探して聞いてみる、あるいは、家族に聞いてみたりします。例えば、自分が独立して何か事業を始める場合、妻も生活がかかっているため、真剣に考えて厳しい意見を言ってくれたりしますので、参考になる場合も多いです。


この3つを加味してまずは売価を導き出していくのですが、もう1つ大事な要素があります。それが「ブランド」です。ブランドと言うと、ロゴマークなどを思う浮かべる方も多いと思いますが、ここで書いているブランドは、ロゴも1つの要素ですが「〇△と言えば、〇〇会社の△△だよね!」という消費者や取引先が抱くイメージになります。それは、事業によって、

・QOLを上げる製品を作るノウハウと信念がある
・人間として丁寧に相対してくれるホスピタリティが素晴らしい
・AIを使って複雑な判断業務の負荷を大幅に軽減してくれる

など様々です。

多くのソーシャルビジネスにとって、このブランドを高めることで、顧客も見積額が高くても、その価格に納得し、契約をしてくれる可能性が高まります。そうすることで、事業の粗利率を高めることができます。

次回は、ソーシャルビジネスにおけるブランディングについて書いてみたいと思います。

経営アップデート 代表/中小企業診断士 匂坂俊夫

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