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とらのあな通販 MAツール導入プロジェクトを担当者として振り返る【前編】

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こんにちは。とらのあな通販のマーケティングを担当している長(ちょう)です。今回は久しぶりにWebマーケの主戦場に近いテーマとして、とらのあな通販のMAツール導入プロジェクトについて紹介します。まずは前編として、MAツール導入のきっかけや準備期間を振り返ってお話します。

虎の穴ラボのメンバーが実際にどのような仕事をしているのか、少しでも知っていただければ嬉しいです!


MAツール導入のきっかけ

とらのあな通販は同人誌を中心にコミックやラノベ、フィギュアなど幅広い商品を取り扱う、いわゆるオタク向けECサイトです。1996年から継続する比較的歴史の長いECサイトです。

そんなとらのあな通販に、昨年(2022年)MAツールを導入しました。

MAとは
マーケティング・オートメーションの略称です。メールを中心としたユーザーとのコミュニケーション施策の一部を自動化することで、マーケティング業務の効率化を行う取り組みを指します。MA(マーケティング・オートメーション)ツールとは文字通りそれを実行するための専用のツールです。対象ユーザーや様々なトリガー条件を設定し、ユーザーに対して最適なメールの配信や、画面表示の出し分けが可能です。

一斉配信からの脱却

昨年までのとらのあな通販のメールマーケティングでは、販促や広告が目的のメールの受信を許諾していただいたユーザーを対象に、一斉配信でのメールマガジンが中心となっていました(もちろん注文完了メールなどの重要なメールは受信許諾に関係なく配信しています)。

そんな中、オンラインでの消費が人々の生活に浸透した今では、このまま一斉配信を続けるのではなく、少しでも一人ひとりのユーザーに合ったコミュニケーションに取り組む必要があると考えたのが最初のきっかけです。

人力による限界

ただいきなりMAツールを導入しようとなったわけではなく、最初は実験的に小規模な施策を試しました。

● カートの中に在庫の少ない商品を入れている人へのお知らせメール
● 期限が近いクーポンが残っている人へのリマインドメール

など、一般的なECサイトでもよく実施されるメール施策を何度か手動で行いました。

①対象ユーザーを抽出するためのSQLを書いて実行→②配信対象のユーザーに絞るために抽出されたデータの整形→③一斉配信を行うツールに流し込むために整形→④配信するHTMLメールの作成→④配信対象者のアップロード→⑤配信予約を設定 という一連の作業をすべて手動で行います。1回実施するだけでかなりの手間がかかってしまいます。

一方これらのメールの反響は予想以上に良く、一斉配信のメールに比べて開封率やCTRなど、メールマーケティングを評価するすべての数値において良い結果が出ていました。

しかしこういったメールは毎日該当ユーザーが異なるため、本来は毎日適切な対象ユーザーに配信されるのが理想的です。手動で毎日行うことは時間的に困難でした。

そこで、これまでよりも効果の期待できるメール施策を人的工数をかけずに最大限実施するための手段として、ツール導入が検討にあがりました。

ツール選定で意識したポイント

次にツール選定のフェーズです。

選定の6つの軸

ツールを選ぶ時のポイントには次の6つを軸にしました。①と②は必須で、そのうえで③から⑥を比較しつつ判断しました。

① やりたいことは実現できるか(必須)
② 配信しすぎないようにコントロールが可能か(必須)
③ プランや料金体系

④ サポートの充実度
⑤ 将来的な拡張性
⑥ 分析機能の有無と充実度

導入が終わった今でこそ言えますが、①が最重要です。MAツール導入後によくある「気付けば誰も使っていない」「上手く使いこなせない」問題はここにあると私は考えています。ツール選定前にどんな施策をやりたいのかを先に定義しておいたのは本当に良かったです。というより、本来ツール導入とはそうあるべきなので、当然といえば当然かもしれません。

②は会社や事業にもよると思いますが、とらのあな通販のユーザーはリピーターの方が多いことをふまえて必須の検討軸にしました。同じメールが何日も連続して届いたり、1日に複数のメールが何通も届いたりといったことがないように1人のユーザーへの配信量をコントロールできる必要性があったからです。

また、やりたい施策の整理と一緒に個々の施策によって得られる効果も試算しておくことで、ツールベンダーとの商談や社内の手続きもスムーズに進みました。実行した結果が実際にほぼ想定通りの数字になる施策もあり、それはそれで驚いています。

MAツールを使って実現したい施策を事前整理した内容の一部
事前に推定した各施策の効果予測の一部

4~5つの候補となるツールの中から最終的にはCustomer Rings(株式会社プラスアルファ・コンサルティング)に決定し、現在も継続利用しています。

導入準備

さて次に導入準備フェーズです。ここは何をする期間かというと、簡単に言えば「ECサイトにあるどのデータをMAツールに連携するべきか」を決めるための期間です。私は「データ連携のための要件定義」と呼んでいます。

ECサイトには顧客のメールアドレスや性別などの「顧客に関する情報」、注文日時や注文商品などの「注文に関する情報」、商品名や価格などの「商品に関する情報」をはじめ、他にも様々な情報をデータベースとして持っています。

それらをまず網羅的に把握して、MAツールで実現したい施策を行うためにどの情報を連携する必要があるかを、社内のエンジニアだけでなくツールベンダーのエンジニアの方も一緒に検討しました。

細かいことが多く内部情報も含まれるため書けることがあまりないのですが、実はこのフェーズに最も時間と神経を使いました。というのも、ここで正しくデータ連携の仕組みを定義しないと、実際に施策が稼働した後に想定外の不具合が発生したり、考えていた条件を組み立てることができなくなる恐れがあるからです。そうなるともう一度このフェーズをやり直さなければなりません。

実際ここの議論は白熱し、かなり難航することもありました。実際の開発作業はここでは発生しませんが、データベースに関する部分なのでエンジニアの時間をそれなりに借りることにもなります。振り返ると、MTG日程が合わなかったり、一度FIXした内容を何度か修正する必要が出てきたりと、個人的に反省点が沢山あります。

最終的に何とか着地できましたが、柔軟に動けるエンジニアチームが社内にいたことによる恩恵がとても大きかったと感じています。社内に専属のエンジニアチームがいることは虎の穴ラボのメリットのひとつですね。

余談ですが、このデータ連携の要件定義をする時だけは、ノートPCのシングル画面だけで仕事するのは絶対にやめたほうがいいです(笑)。少なくとも2画面以上で仕事をすることを推奨します!理由はどうか察してください。

MAツールに連携する情報の定義の一部
(シートの情報量が多いので1画面だと非効率です)

さいごに(Webマーケター/Webディレクターの方へ)

以上がとらのあな通販へのMAツールの検討段階から導入準備までのお話でした。時期としては2022年4月から9月の約半年くらいです。

10月からは実際にMAツールを活用したメール施策をスタートさせ、いまも稼働しています。そのあたりの話は振り返りの後半として、別の記事で紹介したいと思います。

一人一人が責任を持ってプロジェクトを推進できる体制

このように虎の穴ラボのWebマーケター・Webディレクターは、プロジェクトごとに担当者がいて各々が責任を持って推進していく体制です。

言ってみるならばそのプロジェクトはその担当者の作品(仕事)になるため、作品をいかに仕上げるかというクリエイターマインドに近い心理を体験できますし、何より成長の多い環境だと感じています。

ここまで読んでくださった方、少しでも虎の穴ラボに興味を持っていただけたら嬉しいです。ぜひ私たちと一緒に仕事をしましょう!まずはメンバーと少し話してみたいという場合はカジュアル面談にお越しください。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

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