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幇助(ほうじょ)の罪-20221220.ドイツ-

10代のあの日々の秘書
今以て
晒され罰せらる「幇助(ほうじょ)罪」

 2022年12月20日、ドイツでナチスの犯罪訴追の裁判が行われた。
 被告は現在97歳の女性。
 第二次世界大戦当時、十代後半で強制収容所の速記係兼秘書として、殺害された人の氏名をタイプしたことが、1万人以上の人の殺人に関わったとして「殺人幇助(ほうじょ)の罪」に問われ、執行猶予付き2年の有罪判決を受けた。
 なぜ今なのか。
 ドイツでは数年前に法制が修正され、ようやく今、組織的大量殺人における小さな歯車的な人物の罪も問えるようになり、ドイツの司法が数十年にわたり、加害者・幇助者・彼らを助けた人物の罪をなおざりにしてきたことを明らかにするため、また手助けした人物は誰もが大量殺人の責任を問われると示すため。

 裁判では、収容所で父を亡くした生存者が証言し、被告は遺憾の意を示した。

20221221.NHK「キャッチ!世界のトップニュース」:要約

終戦後、被告は沈黙を守って生きてきたのだろうか。
あるいは、強制収容所での在り様を告発していたのだろうか。
社会的には、どこまでを罪とし
無罪になる可能性があったのだろうか

何が罪で
何が理由で…

加害者はもとより、幇助者たちは
尊厳を損なう行為と知っているから
傷ついた人を傷つけたと知っているから
沈黙と告発と言い訳を
選択肢にし得たのだろう

あの日 20160118.
何もかもが損なわれると知っていたから
どんな声も届かないと、環境を盾にし
どんな声もあげなかった責任を放棄し
何が残酷かわかって
そして   2022.冬
巧みに覚悟めいた文字を並べた言葉の向こうに
同情を期待することを
選択肢にし得たのだろう
何かを優しさと捉えた事を
免罪符にして生き延びて
免罪符をして生き延びる

あの日
あの場に立たされた人は
誰が誰を赦そうと
誰にも赦しを求めない
何もかもを引き受けて
覚悟の向こうに選択肢を葬って
どんな道を撰ぼうと
どうしていくのか知っている

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