tonkotutarou

在野の厭世家。写真を撮ったり、文章を書いている。

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マガジン

  • 文体模写エッセイ(仮題)

    「はいはい、こいつはあの作家の、あのエッセイ集が好きなのね」と一発で分かるエッセイ。文体に合わせて内容をひねりだしている。毒にも薬にもならない、独特さもなければくすりとも笑えないかもしれない話たちです。

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ねるねるねるねをクラシルみたいに作りたい

クラシルというレシピサイトに、自宅の食卓を支配されている。 とにかく解説動画のテンポがよく、分かりやすい。 分かりやすいだけでなく、あのミニマルな動画だと、 普通の家庭料理でもなぜかおしゃれに見えてくるのだ。 じゃあ、ねるねるねるねをクラシルっぽく作ったらどうなるだろう? やっぱりスタイリッシュな料理に見えるのだろうか? どんな動画になったか?というわけで、こちらが事前に用意した出来上がりの動画です。 すごい!ねるねるねるねの作り方がたった30秒で分かる! 俯瞰のアン

    • 近況。日記が書けない、祖父の一周忌、生活、鯨漁船とペンギン。

      祖父の死から1年が経ち、久しぶりにnoteを更新したい気持ちになった。 別に喪に服していたわけではないのだが、この1年、「他人に読まれる可能性」のある言葉が、どうしても出てこなかった。 その他人には内なる読者である自分自身も含まれていたのだと思う。 彼は勤勉な(あるいは自身の役割に酔いしれた)試験官のように、僕の頭の中をぐるぐると歩き回り、僕が何かを書き留めようと鉛筆を走らせる音がすると、背後から音もなくやってくる。 音は立てなくても、彼が近づいてくることは僕にはちゃんと分

      • ドトールとサンマルクを区別して生きてますか? / 日記

        あまり大きな声で言う話ではないが、コーヒーチェーンのドトールとサンマルクの違いが分からないまま利用している。 大きな声を出せばたちまちに誰かに睨まれてしまう社会なのだから、小さな声で語られる日常的な勘違いのことくらい笑って済ませてくれればいいのだが、人によっては 「ええ、全然違うでしょう」 と呆れたように応える人もいる。 いや、嘘。 誰かにわざわざ「ドトールとサンマルクの違いが分からないんですよね」なんて言わないから、この会話は完全に僕の空想である(やれやれ、大きな声で言うど

        • 夏嫌い、近況/日記

          なぜ日記というものは途切れるのか。そして、なぜ途切れた後に書かれた日記は自己言及的になるのか。いま、自己言及を変換しようとして「事故減仇敵」と変換してしまった。そうはならんやろ。 日記を書けなかったのは何も忙しかったわけではなく、夏が暑かったからである。 あるロックスターは「シャワーのお湯が熱かったから」とライブ会場から帰ってしまったことがあるそうだが、その破天荒さに比べれば「夏が暑かったから何もやる気が出ない」という言い訳は大変理路整然としている。 知的で論理的でアイロニ

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        • 文体模写エッセイ(仮題)
          5本

        記事

          【感想】写真集『いくつかある光の』 木原千裕 

          写真家の木村千裕さんが、友人でも恋人でも無い「他者」を撮った写真集、『いくつか ある光の』を読んだ。 写真展に訪れていた被写体と知り合い、彼女が暮らす東北の街に4度訪問し、撮ったのだという。まったくの他人でもないが、友人でもない、名称を持たない関係性・間柄を、そのままに撮影する試みだそうだ。 いちど開くと最後まで読み進めてしまう、そういう力のある写真集だった。 知らない町に向かうときに、乗り物の胃袋の中で感じる自分自身の異物感であったり、肌を撫でる風の冷たさであったり。 そ

          【感想】写真集『いくつかある光の』 木原千裕 

          文鳥にタイピングを妨害していただくために書いた日記

          少し前から、トイレットペーパーを「3倍長持ちタイプ」なるものに替えたのだが、実際に3倍長持ちしているので日々関心している。 以前ならばトイレに積んでいるペーパーが減っていくのを目にしながら 「あと2つか、そろそろ買わなきゃな。ヨドバシで買うか、でもヨドバシで買うとデカい段ボールに入れてくるんだよな・・・」 などとグズグズしているうちに使い切ってしまい、大慌てでドラッグストアに駆け込む日々を送っていた。 僕はだいたいの日用品において買い置きができず、ささやかな「大慌て」が日々の

          文鳥にタイピングを妨害していただくために書いた日記

          noteフォロー200人ありがとうございます~🙏🙏🙏🙏🙏

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          「インターネット芸人」と思い込んで生きる / 日記

          アベノマスクでかいわれ大根を育ててから早2年。 最近、くだらないネタをやる遊びをやっていなかったので、そろそろ久しぶりにやってみようと思ってあれこれと準備をしている。 使っていなかったソフトウェアの使い方を復習したり、知らなかったことを改めてググったり・・・ アベノマスクのときもそうだったが、アイデアがくだらなければくだらないほど、それなりに真剣に取り組む姿勢を示さなければならない。 面白さとは落差である。この手の落差は、ボケとツッコミ、いじりいじられに代表されるように、し

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          ツバメの巣を見守る不審者、文鳥の不安 / 日記

          近所のマンションの駐車場に、ツバメの巣が2世帯ほどあり、ここ3年ほど見守っている。 見守ると言っても、通りすがりに歩道からチラっと眺めているだけだから、実際のところは「僕が君を守るよ」とのたまうJ-POPの歌詞のように何もしていない。 だいいち、他所のマンションの敷地内だから、(不法侵入こそしないものの)あまりぼうっと見つめていたら不審者になってしまう。ツバメは違法建築をしたところで鳥獣保護法で守られているくせに、人間はぼうっと生きているだけでは不審者扱いだ。卵生と胎生で、生

          ツバメの巣を見守る不審者、文鳥の不安 / 日記

          床屋談義、もとい美容室の愚痴 / 日記

          親譲りの癖毛で、子どもの頃から損ばかりしている。 小学生に居る時分はバリカンで刈り上げてもらっていたからよかったが、今では切れども切れども一週間もすれば気が滅入ってしまう。 己の髪の伸びるのが早く、量が多く、へそ曲がりな生え方をしていることを悟ったのは、たしか高校生に上がった頃合いだろうか。 「周りの人間のキューティクル輝く真っ直ぐで麗かな頭髪と比べると、自身のそれはあまりにもたくましく力強いのではないか。どうやら、自身の髪の毛は他人のそれとちがって、ずいぶん厄介な性質のも

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          床屋談義、もとい美容室の愚痴 / 日記

          乳首を光らせて夜道を歩くな /日記

          タイトルを「5月のある晴れた夜道で、100%パーセント乳首が光っている人とすれ違うことについて」にしようと迷ったが、さすがにアホらしいのでやめた。 大したことではない。要するに、ウォーキング用ライトを首にかけている人とすれ違って、ギョッとしただけである。 この日記のサムネイル画像にしているようなタイプのやつね。 もうさ、見たらわかるじゃん。 この二つのLEDの位置、直立二足歩行の哺乳類の乳首の位置じゃん。「さすがに乳首を光らせるのは違うかなー」って思っちゃう位置じゃん。こ

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          奈良に行ったり、宇宙に行く /日記

          1年ぶりに奈良の若草山に行った。 ここのところはすっかり足が遠のいていたものの、晴れた日の夕焼けを眺めているとつい若草山の山頂の夕日を思い出してしまう。 久しぶりに行って元気になりたいところだったが、この日は夕方からあいにくの曇りであった。上手くいかないから人生はたのしい。 しかし、この日の僕は大変賢かったので、大和西大寺にて温泉宿を取っていた。 温泉!和室!ワビサビ。もっとも、素泊まりであるが。溜め込んでいた楽天ポイントが火を噴いた。 GW突入の前日を狙ったのが功を奏し

          奈良に行ったり、宇宙に行く /日記

          半年経たずにスマホを買い替える。新しさへの無関心について /日記

          スマホを買い替えた。昨年末、コスパがいいと思って買ったスマホが、全く使い物にならなかったのだ。 バックグラウンドのアプリを気まぐれにタスクキルするし、カメラの起動には時間がかかる。僕が唯一プレイしていたスマホゲーのFGOは、遅延が酷くて全くプレイできない。bluetoothイヤホンをつなげば接続速度を優先してモノラルに切り替わる。最近は2日に1回は再起動をするハメになっていた。 なんなんだ!僕は普通にTwitterができればいいだけなのに! 打ち込んでる途中のツイートをバック

          半年経たずにスマホを買い替える。新しさへの無関心について /日記

          書くことが無いときに書くことが無いと語ること / 日記

          今年の頭に、なにか続けようと思って書き始めた日記は、文体と無難な話題縛りをつけてしまったせいで頓挫した。 あれこれと考えるのは楽しいものの、いざ筆をとってみるとあれも違うなんか違うとなってしまう。 夏休みの宿題に向き合っているときに面白い遊びのアイデアを思いつくのと同様に、縛りを設けた日記と向き合っていると、全く違うことを書きたくなってくる。 しかし、まずは数学ドリルの答えを書き写す作業を進めねばならない。 ああ、嫌だ面倒だと思っているうちに、ポッと出のアイデアは通り過ぎてい

          書くことが無いときに書くことが無いと語ること / 日記

          実写のリアルさと苦手意識

          海産物から和式便所まで、僕には様々な苦手なものがあるのだけど、その中のひとつに実写映画(というか邦画)がある。 本邦の実写作品には、安易に漫画を原作にするだとか、特定の芸能事務所からキャスティングされがちだとか、様々な問題がしばしば議論されているみたいだ。 でも、僕の苦手意識は、そういった日本の映画製作事情とはあまり関係なく、僕自身の鑑賞経験の乏しさから生じた苦手意識である。 実写映画を見ていると、「どこまでが作り込みで、どこまでが無視するべきものなのか」が分からなくなって

          実写のリアルさと苦手意識

          ちゃんと料理をする

          もともと料理は好きなほうだったのだけど、去年はずいぶん熱心と料理をした。 ここでいう料理とは、 「鰹節と昆布で簡単に出汁をとり、油揚げと長ネギの味噌汁を作った。出汁をとっている間に、冷蔵庫に残っていたいんげん豆を電子レンジで温めて、胡麻和えにした。さっきスーパーで買ってきた鮭の切り身を、きのことにんにく、オリーブオイルとともにホイル焼きにした……」みたいな、あり合わせを使って上手にやりくりする料理ではなく、レシピとにらめっこしつつ買い物や調理をする料理のことです。 鮭でムニエ

          ちゃんと料理をする