マガジン

  • 日替わり

    日記。

  • 自己愛

    まとめ。

  • 定食

    創作物。

  • 断片2014-2016

    むかし書いたものの端々。

最近の記事

  • 固定された記事

καταστροφη

水や炎がのぼるところまでのぼったあとはあふれたりもえつきたりすることと似た静けさ、このまま最後まで貫きとおそう。ひともじぶんも傷つけていないのだったらなにをしたっていい。ひともじぶんも傷つきやすい手段しか残されていない不自由な現在が気持ち悪い。でもそのままでわたしは充分に生きていこうと決意した。同時にいま死にかたが決定した。 わたしが説きたい言葉をすべて裏返しにしてべつの道徳を汚い字で書きくだされた、同じ手が神の御手として始終このからだを愛撫しつづけた、汚れた器を清浄にした

    • たばこ

      売れなくて賞味期限のきれた在庫を整理した。送り返すためにダンボールにつめた。 そのなかに一箱だけ、キャメルシガーのメンソールがあった。一箱だけどうしても売れなかったのだけれど、シガーには賞味期限が設定されていないのでそれを理由に返品することもできない。一箱だけのために売り場をつくるのも面倒なので、じぶんで買った。 家に帰って吸ってみると、去年の夏、はじめて吸ったたばこと同じ味がした。一度に一年の煙が肺まで遡ってきた。たばこを教えてくれた友達と同じ場所にあけた穴をメンソール

      • 成功させましょう、乾杯。 皆かわいらしかったのでこの人たちが成功しますようにと願いながら飲酒した。 6年一緒に仕事をしていて一度もマスクを外した顔をみたことのない先輩の顔を今日こそ見られるかとおもったが、ストローを家から持参していて、マスクの下から差しこむようにして飲み、食べ物もフライドポテト等マスクの下の隙間から差しこめる大きさのもののみを選別して喫して居、何なのだこの人はとおもった。 会場全体が酒気を帯び自他の境界が曖昧になってきたころその隅のほうで先輩と私は電子的な

        • なま

          なにそれは、という話になったのは、おふたりから静岡のお土産をもらった翌日にわたしも静岡に行く予定があったことだった。 朝起きて、準備をして、日焼け止めを塗ると顔がべたべたになるのでこの間買ったフェイスパウダーを塗ってから気づく、ラメみたいなのが入っている。まえに使っていたものと容器の見た目が違うなとは思ってはいたがキラキラおじさんが爆誕した。 すごくいや、とおもったが、そんなにいやだろうか。してないよりしていたほうが景気がよいではないか。 今朝も、夢をあまりみない生涯の

        • 固定された記事

        καταστροφη

        マガジン

        • 日替わり
          306本
        • 自己愛
          76本
        • 定食
          5本
        • 断片2014-2016
          7本

        記事

          まるい音

          音楽の練習をした。 歌を歌う人がよく笑っていてよかった。 ちかごろ元気のなさそうな姿をみることが多かったので安心した。あと、めったに見ない夢のなかでこの人がふいに死んだのがとてもつらかったので、やはり夢というのは現実を裏返しにした報せだと思うことにする。 曲を作る人は前日仕事で西の方に行ったかえりでお疲れのようで二度寝をしたと言っていた。歌を歌う人も西の方からその朝帰ってきたばかりで眠そうだった。 ふたりからお土産をいただいた。どちらも中身を柔らかい皮でつつんだようなま

          まるい音

          白い酒

          川沿いに建つマンションに吹き抜けの階段がある。その4階の踊り場に、子供を抱いて雨を見せている父親がいた。今さっきやんだ雨、遠くまで続く雲、ゆっくり閉塞していく町並みを見せているのだと思った。高いところから落ちたら死ぬ。でもお父さんがいるから大丈夫。 通り過ぎたあとで、あの父親が見せていたのは、同じ高さを走るこの電車だったと気づいた。私が乗っているこの電車を指差していたのだと気づいた。 いまはもう友人とも知り合いともいえない人のところにも子どもができた。彼らがラインの部屋で

          白い酒

          ラブラブアベック通過問題 

          トロッコ問題という思考実験をご存知でしょうか。ご存知だと思いますので至極てきとうに説明いたしますと、絶対に犠牲が出る場合に自分のせいでひとり犠牲になるのとそのまま見過ごして大勢犠牲になるの、どっちがいいかな? みたいな最低な問題です。どっちもいやにきまってる。高校の倫理の授業って不安になるような問題ばかりやらされた。善とはなにか? 自分とはなにか? みたいな。そのときは平気でしたけど今だったら不登校になってるかも。逆に繊細になってるかも。 これから書くことはそれとは全く関係

          ラブラブアベック通過問題 

          やさしいかたち

          ぼくってなにも好きじゃない。 文化的じゃない。力比べに負けたから手慰みに紙と文字をてもとにそろえたというだけで、本当はなにも知らないし創りだせない。 ぜんぶ気に入らない。余裕のある人も、可哀想な人も、ぜんぶ気に入らない。怒っているわけじゃない、なにが不満というわけでもない、ただいつもなんとなく気に入らなくてふきげんでありそういう状態はよくない。 ほんとうは少しいたずらがしたいだけなのに。 読んでくれてありがとう。 みて、やさしいかたち。

          やさしいかたち

          だからできなかったことをできるようにならなくちゃいけない、ゆるさなくちゃいけない、生きなくちゃいけない、都合よく考えなくちゃいけない、謝らなくちゃいけない

          だからできなかったことをできるようにならなくちゃいけない、ゆるさなくちゃいけない、生きなくちゃいけない、都合よく考えなくちゃいけない、謝らなくちゃいけない

          届け言葉

          正直にいうといま目の前にいる人に届く言葉は言葉じゃないとさえ思うときがある。これはよくないとおもう。たぶんたまたま私の周りには音楽や絵や表情や仕草で、言葉よりもっと伝えられる人が多いので、そう思ってしまう。じぶんの手柄のようにしてしまう。 もう届かない人に届いたときはじめて言葉にしかできないことができたと思えるとおもう。もうなに言ってるんだろう、はやく風呂に入れ……。 怖いこと、あらゆる暗い孤独に弦をひきつづけている、めちゃくちゃに撃ちつづけているこのなかの一条だけが光と

          届け言葉

          いま

          ここには爆弾も落ちないし まじめにさえしていれば きっと飢えることもない。 ニュースを造る人、記事を書く人は 怖いニュースが大好き。 みんな怖いニュースを知りたがっているの? だれがそんなに? なにもみたくない。 そういう人じゃないひとたちへ、 造っているのではない人たちへ、 創っている人たちへ、 友人の個展のお報せを打つ。 人間を人間たらしめるものを 善く共有したい。 あの人にも送った。 一緒に行きましょう、ではなく、 予定が空いていたら行ってください。 あなたが、行

          てりやき

          ランダウリフシッツくんの本名は山田(仮名)という。 ランダウリフシッツくんの家と私の家とは敷地の角が接していた。入り口が反対を向いているので会いに行くにはぐるっと回らなければいけなかったが、それでも徒歩30秒で会える距離にいた。 ランダウリフシッツくんとは小一の入学式で会った。 ランダウリフシッツくんの若くて美しいお母さんと私の母とはそのさらに20年ほどまえから面識があった。それも彼と私が懇意になった理由のひとつである。 ランダウリフシッツくんとは小学生のころよく冒険を

          てりやき

          ちぎれたもの

          ブレーキを握ったら右手になにか違和感があった。え?とおもって怖くて手を離した。足をついて停止。 え?とおもってもう一度握った、妙な手応えがある、このかんじはなにかに似ている。え?とおもった。また握ると、似た感覚を想起した、ニッパを握ったときだ。え?と思ってゆっくり握りしめるとぷつんといって、ブレーキレバーとブレーキとを繋ぐワイヤーが切れた。いい天気だった。 夜になって自転車を家まで連れて帰ると急に悲しくなり48時間寝た。 おさななじみのランダウリフシッツくんから連絡 「

          ちぎれたもの

          バスキン

          知人がサーティワンアイスクリームのことを「バスキン」と呼んでいて……………………………………正直に言うとすこし怒っている。はんぶん冗談だが許さない。 サーティワンアイスクリームのことをバスキンロビンスと呼ぶ人自体に怒っているわけではないし、呼び方なんて人それぞれでいいよね、♡、そういう人というのは海外にバックボーンがあったりしますから、バスキンロビンスのほうが馴染みがあるのでしょう、馴染みのあるほうで呼んだらいいのです。たしかにサーティワンって変な話ではある。 その知人は

          バスキン

          いいことがあるよ!

          たべっ子どうぶつTimeというものに気づいた。 たべっ子どうぶつのパッケージに描かれているキャラたちが登場するパズルゲーム。 ここ数年たべっ子どうぶつのグッズ、イベント展開をよく見かけるようになり注目はしていたが、このアプリに関してはすこし、おや、とおもうところが散見される。 しかしコンテンツというものは大きくなればなるほど無邪気に楽しむだけでは済まなくなってくるのが常。私も子どもではないから、ただたべっ子どうぶつのかわいさのみに精神を集中させることで、このアプリの表現し

          いいことがあるよ!

          コーヒー

          朝ごはんなにたべましたかと保育士に聞かれて「コーヒーだけのんだ」と答えたら連絡帳に「朝ごはん食べさせてあげてください」と書かれちゃったよ、と母に言われた。わがやでは小さな頃からコーヒーをのまされた。兄弟全員が、です。 そうして育ったわけだが、最近もしかしてコーヒーが溶媒となって摂取されるカフェインという物質が私の体にあまり合っていないのではないかと思うようになった。 そう意識するようになったのは数年前のこと。 ソウルメイトことツラちゃんが電話で教えてくれた。 「私はカフェ

          コーヒー