なま

なにそれは、という話になったのは、おふたりから静岡のお土産をもらった翌日にわたしも静岡に行く予定があったことだった。

朝起きて、準備をして、日焼け止めを塗ると顔がべたべたになるのでこの間買ったフェイスパウダーを塗ってから気づく、ラメみたいなのが入っている。まえに使っていたものと容器の見た目が違うなとは思ってはいたがキラキラおじさんが爆誕した。

すごくいや、とおもったが、そんなにいやだろうか。してないよりしていたほうが景気がよいではないか。

今朝も、夢をあまりみない生涯のなかでも最も恐ろしい夢に魘されて起きたが、目的地に近づくに連れて晴れていく空、このメンバーで行きたいこと、やりたいことがたくさんあって時間が足りないとまでいう人々の笑顔をみていたら、悪夢はすっかり現実に上書きされた。とるにたらない。

わたしたちの旅程は非常にタイトだった。ただ肉を焼いた玉を食べることだけが目的だった。肉を焼いた玉は三時間待たないと食べることができなかった。

やっとたどり着いた肉の玉は噂のとおり美味だった。玉を切ってみると内側は全くのなまで、まるでなまものを食しているかのような濃い肉の味があった。

この土地に暮らすツラちゃんを訪ねてきたとき、さわやかとおいしい海鮮のお店とどちらがいいかといわれたのは、こういうわけだったのかと知った。やっとわかった、さわやかは生肉。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻