『セブン・アイズ』第1話
地下のスタジオから地上に這い出ると
空は季節っぱずれに晴れ、
まるで春のような陽気だった。
ジュンローは目の前に停めてあった
オープンカーの後部シートに
むき出しのまま手にしていたギターを
乱暴に置くと、ポケットから
鍵の束を取り出した。
「あれ?ジュンロー、車替えた?」
ドラムのミツオがジュンローに声をかける。
「いや、これ俺んじゃねぇよ」
そういうとジュンローは慣れた手つきで
鍵の束の中から小さな折りたたみナイフを
取り出した。
「おいおい、またかよ」
ミツオが呆れたよ