no1048

趣味は映画鑑賞・音楽鑑賞など色々ありますが、 一番の趣味は読書です。

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マガジン

  • 『毎週ショートショートnote』投稿作品

    たらはかに(田原にか)さんの『毎週ショートショートnote』 https://note.com/tarahakani/n/n1ac47fd88166 に投稿した作品です。

  • 思ったことなぞ、書いてみようか

    エッセーなんてもんじゃなく、日記というわけでもなく ただ思ったことを残しておく場です。

  • noteの投稿企画に参加してみた

    noteの投稿企画に参加してみました。

  • まだあった 昔、書いた落書き

    昔、書いたものがもうちょっとあったので、『昔、書いた落書き』第2弾。 (『サヨナラ』が最後の作品です。)

  • 昔、書いた落書き

    2019年11月まで、mixi、Yahoo!ブログ、Bloggerなどに載せていた 小説や詩のようなもの掘り起こして載せています。 (『ガムテープ女』が最後の作品です。)

最近の記事

『海のピ』(毎週ショートショートnote)

もう逃げるのに疲れちゃった。 そう言ってアイツは夜の海に飛び込んだ。 何も考えず飛び込んださ、俺も。 いくら夏だっつっても水はまだ冷たくてさ。 沈んでくアイツの手をつかんで 上も下も分からない海の中では動かない方がいいって 昔じいちゃんに聞かされてたからしばらくじっとしてた。 そしたら体が浮かんでく感覚があって そっちに向かって水を蹴って気づいたら水面に顔を出してた。 陸に引き揚げてすぐに火を熾して服を乾かした。 俺、アイツに何も言えなくて。アイツも何も言わなくて。 で、

    • 『彦星誘拐』(毎週ショートショートnote)

      織姫は考えていた。 「彦星に会えるのは年に1回。 かれこれ2,600年以上こうしてるけど 毎日会えたとして365日で割るとたった7年ちょっと。 いくらお父様のいいつけでも、これはないんじゃない?」 そこで織姫はある計画を立てた。 (よし、彦星を誘拐してしまおう) 牛飼いである彦星のこと。 牛がいなくなればきっと探しに出るはず。 そこを一気に、、、。 織姫は手助けしてくれる友人に声を掛けることにした。 二人の関係を知る友人は二つ返事で快諾してくれた。 しかし、彦星も同じタイミ

      • 『天ぷら不眠』(毎週ショートショートnote)

        母が枕を買い替えた。 「寝心地はどう?」 「それがねぇ、前のよりも調子が悪くて 買ってから一睡もできていないのよ」 「でもそれってNASAが考案したって、アレだろ?」 「触り心地も油っぽくてベトベトしてて気持ち悪いし ちょっと来て見てくれない?」 「油っぽくてベトベト?」 悪徳業者に騙されたのではないか? 私は実物を見てみることにした。 枕に手をあて、ぐっと押しつけてみる。 すると、溢れんばかりの油が浮き出てきた。 「うわ!なんだよこれ。 これじゃ安眠どころか不眠になって当

        • 『復習Tシャツ』(毎週ショートショートnote)

          「国語、算数、社会科に理科。こんなに毎日覚えきれないよ。 何か道具、出してよ」 「ふ~く~しゅ~T~シャ~ツ~」 「復習Tシャツ?」 「これを着て授業を受けると内容を覚えるんだ」 「アンキパンみたいなもの?」 「あっちはたくさん覚えるにはたくさん食べなきゃなんなかっただろ?  こっちは着るだけだから楽だよ」 「教科書に書いてあることだけじゃなくて 先生が言ったことまで覚えてるってこと?」 「そう、今言ったこと、教科書に載ってないけどテストに出るぞ っていう時もちゃんと覚えてく

        『海のピ』(毎週ショートショートnote)

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        • 『毎週ショートショートnote』投稿作品
          145本
        • 思ったことなぞ、書いてみようか
          7本
        • noteの投稿企画に参加してみた
          3本
        • まだあった 昔、書いた落書き
          58本
        • 昔、書いた落書き
          45本
        • 『セヴン・アイズ』(全5話)
          5本

        記事

          『てるてる坊主のラブレター』(毎週ショートショートnote)

          雨が続いている。 「てるてる坊主、増えてない?」 前回2つだった私の部屋のてるてる坊主は 今は7つになっている。 「それは今日の分でその隣が昨日の分」 「3つ目から、文字が書いてあるみたいだけど?」 彼がてるてる坊主に顔を近づけるのを 私は直視できないでいる。 「これって、、、ラブレター?」 今日のてるてる坊主の前まできた時に 彼がこっちを見ずに言った。 耳の辺りが熱い。彼もそうだろうか? 「その日の気持ちを書いているの」 想いが日に日に強くなっているのに気付いただろうか?

          『てるてる坊主のラブレター』(毎週ショートショートnote)

          『祈願上手』(毎週ショートショートnote)

          この神社は願い事を叶えてくれると評判で、 それを聞いた友人に(半ば強引に)誘われて わざわざ休みを返上して来てみたはいいが いざ願い事という時になって そういえば上手な祈願の仕方というのが必要らしい と言い出した。 「祈願に上手もへったくれもないだろう。 とりあえず何でもいいから願い事すればいいんじゃねえの?」 「でも、絶対に叶えて欲しい事なんだよ」 「どっかに書いてないのかよ」 俺たちは2手に分かれて境内をうろうろと探し回った。 その時、少女たちの会話が聞こえてきた。

          『祈願上手』(毎週ショートショートnote)

          『文学トリマー』(毎週ショートショートnote)

          玄関に辿り着くとカバンから鍵を取り出す。 その音を聞きつけて飼い犬が鳴きだした。 以前、扉を開けた瞬間に飛びつかれて尻もちをついた経験から 部屋のドアを閉めているため、くぐもって聞こえる。 いつものことだが、今夜は何か様子が違う。 鍵を開けて廊下を進むと、その違和感が何かが分かった。 それは飼い主である私を呼んで鳴いている声ではなく、 私の名を呼んでいる声だったのだ・・・。 「っと。 よし、これで今週も毎週書くという課題はクリアね。 あとは文字数の方だけど、やば、600字を

          『文学トリマー』(毎週ショートショートnote)

          『記憶冷凍』(毎週ショートショートnote)

          「記憶冷凍?!」 おもわず声が大きくなってしまった。 辺りを見回すと 私以上に恥ずかしそうにしている妻の顔が見えた。 「何それ、知ってる?」 声を潜めて聞いてみると 妻が「知らないの?すごいって評判よ」と言った。 すると妻の隣にいた娘が 「テレビでやってるよねぇ~」と妻に笑いかけた。 最後のところは妻の声も重なっている。 2人から「ねぇ~」と言われても 普段からテレビを見ない私には 何のことやらさっぱりであったが、 実際は妻も娘もすごいってことは知っているが 何がすごいかま

          『記憶冷凍』(毎週ショートショートnote)

          『放課後ランプ』(毎週ショートショートnote)

          「お父さんは僕の小学校の卒業生なんでしょ?」 「うん、そうだよ」 「学校の七不思議ってあった?」 「そうだなぁ『放課後ランプ』の話は?」 「知らない、どんな話?」 「放課後、日が暮れて誰もいない校舎でね、、、」 その子は忘れ物をして学校に取りに行ったんだって。 先生に見つからないようにそっと校舎に入ろうとしたんだけど 鍵がかかってて、次に空いてる窓がないか外から校舎を見たら 理科室のあたりでゆらゆらと火が動いてるのが見えたんだって。 そこで先生を呼んで理科室の前まで行ってみ

          『放課後ランプ』(毎週ショートショートnote)

          『春ギター』(毎週ショートショートnote)

          今年は桜の咲き方がおかしいと テレビや新聞のニュースが連日伝えている。 何か悪いことの前兆だってネットのニュースが賑わっている。 しかし、その理由を俺は知っている。 それは春を告げる俺のギターが盗まれたことにある。 冬ギターの冷たい弦が緩み、やがて融けだす頃、 俺は新しい春ギターを手にする。 まずはスローなバラードから、やがて軽やかなメロディーへと。 若者たちがステップを踏んで踊りだす頃には 春ギターは役目を終えて風となり空へ舞い上がる。 俺の春ギターを誰かが弾いている。

          『春ギター』(毎週ショートショートnote)

          『オバケレインコート』(毎週ショートショートnote)

          オバケレインコートか、久しぶりに聞いたよ。 小学生の頃に住んでた町の商店街にあるレイングッズの店。 中を覗くと壁一面に色とりどりの傘が並び ショーウィンドーには母子のマネキンが お揃いの雨ガッパを着ていたっけ。 夜になると下りてくるシャッター一面に 大きなレインコートの絵が描かれてて 親父が言うにはそれを見た誰かが言い出したのがきっかけで オバケレインコートって呼ぶようになったらしけど 俺たちの頃にはペンキが剥げてボロボロになった絵を見て オバケレインコートって呼んでたよ。

          『オバケレインコート』(毎週ショートショートnote)

          『錦鯉釣る雲』(毎週ショートショートnote)

          「珍しいね、錦鯉が釣りたいなんて。じゃあこっちの雲に乗って」 案内された雲は他のものよりもやや小ぶりで 私たちが乗り込むとすぐに他の雲とは違う方向に動き出した。 雲が風に乗ると船頭は、長い竿を器用に操っていた手を止めて 腰に下げた煙草入れから煙管を取り出し、 私たちに断ることなく火をつけてぷかりと煙を吐き出した。 「お客さん方、錦鯉を釣りたいんだってね」 「私たち夫婦が以前住んでいた家では 庭に掘った池で錦鯉を飼い可愛がっておりました。 それが突然こちらに来ることになってし

          『錦鯉釣る雲』(毎週ショートショートnote)

          『桜回線』(毎週ショートショートnote)

          「このメール誰からだろ?なんだか春の香りがする」 「今週のお題、桜回線だって」 「桜回線?追加お題はある?」 「えっとね、魅力的な台詞ではじまるお話、だってさ」 「難しいなぁ」 「でも、キミの物語って台詞から始まるの、けっこう多いじゃん」 「魅力的っていうのが難しいのよ」 「そこはほら、いい感じの言葉を適当に見繕ってだね」 「適当に、って簡単に言うけどね」 「いつものように、全部会話で済ませちゃったら?」 「あれって実は、物語が全然思い浮かばない時の苦肉の策なのよね」 「じ

          『桜回線』(毎週ショートショートnote)

          『三日月ファストパス』(毎週ショートショートnote)

          「ファストパス取れたよ」 帰宅途中のバスに揺られていると妹からLINEがきた。 今日のイベントには、私たちの推しメンが出演するため 帰りが早い妹に頼んだのだ。 「で、どっち?」 「もちろん三日月!」 イベントは2部構成となっていて、先に若手メンバー、 次にメインメンバーが出演することになっている。 グループ名にMOONが入っていることから 1部を三日月、2部を満月と呼んでいた。 私たちの推しメンは若手の〇〇くん。 感謝を伝えるスタンプを送ったその時、 バスが大きく揺れて急

          『三日月ファストパス』(毎週ショートショートnote)

          『お返し断捨離』(毎週ショートショートnote)

          「アナタ、先日のお返しって言う人が来てるんだけど」 「お返し?」 日曜の午後。 会社の同僚、いや同僚だった青木君がウチを訪ねてきた。 「これ、どうぞ」 そういって駅前の洋菓子店の包みを手渡す彼の顔は なんだか晴々としていたが どこか危うげでもあった。 「今日は、先日のお返しに参りました」 そう言うが早いか、ずかずかと上がり込んだ。 「おい、いったい何なんだ」 彼の様子がおかしい。 何かを見定めるようにきょろきょろと部屋を見回している。 私はお茶の用意をしている妻を奥の部屋に

          『お返し断捨離』(毎週ショートショートnote)

          『突然の猫ミーム』(毎週ショートショートnote)

          それは突然始まった。 202X年2月22日、この日を境にテレビ、ネット配信などの すべての映像が猫ミームとなった。 朝、テレビをつけるとお気に入りの女子アナのかわりに 猫が映っていた。 猫は「ニャウニャウニャウ!」と元気よく あいさつをかわしたかと思うと ぴょんぴょんと跳ねながら踊りだした。 バックには音楽が流れている。 ♪ハッピーハッピーハッピー すると、隣からふてぶてしい表情の太った猫が現れ 何と言っているのかは分からないが 踊っている猫を叱った。 踊っていた猫は急にお

          『突然の猫ミーム』(毎週ショートショートnote)