no1048

趣味は映画鑑賞・音楽鑑賞など色々ありますが、 一番の趣味は読書です。

no1048

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マガジン

  • 『毎週ショートショートnote』投稿作品

    たらはかに(田原にか)さんの『毎週ショートショートnote』 https://note.com/tarahakani/n/n1ac47fd88166 に投稿した作品です。

  • 思ったことなぞ、書いてみようか

    エッセーなんてもんじゃなく、日記というわけでもなく ただ思ったことを残しておく場です。

  • noteの投稿企画に参加してみた

    noteの投稿企画に参加してみました。

  • まだあった 昔、書いた落書き

    昔、書いたものがもうちょっとあったので、『昔、書いた落書き』第2弾。 (『サヨナラ』が最後の作品です。)

  • 昔、書いた落書き

    2019年11月まで、mixi、Yahoo!ブログ、Bloggerなどに載せていた 小説や詩のようなもの掘り起こして載せています。 (『ガムテープ女』が最後の作品です。)

最近の記事

『ときめきビザ』(毎週ショートショートnote)

「これを持っていればまた逢えるから」 そういって彼女は僕に一枚の紙をくれた。 「絶対に失くさないで」 そう言われたのに僕は、、、。 またあの日の夢だ。 あれから何年も経つというのに。 夢の中の彼女の顔はおぼろげで 夕日が彼女のシルエットを浮かび上がらせていた。 「これを持っていればまた逢えるから」 その仕草に僕の胸はときめいた。 「絶対に失くさないで」 踏切のカンカンカンという音と 近づいてくる電車の音。 彼女がくるりと背を向けて駆け出す。 電車の急ブレーキの音が聞こえて

    • 『モンブラン失言』(毎週ショートショートnote)

      「このモンブラン、栗が入ってないけど」 まただ、、、。 モンブランは栗のことだと思っている人の多いこと。 「お客様、モンブランは『白い山』という意味で 栗のことではございません」 すると男性はメニューを開いて もうひとつのモンブランの写真を指さした。 「じゃあ、こっちのはどうなんだよ」 それは昔ながらの『栗のモンブラン』で、 鮮やかな黄色をしていた。 「あんたさっきモンブランは栗のことじゃなく 白だって言ったよな?だったらこれも モンブランって言わないじゃないか?」 「

      • 『ひと夏の人間離れ②』(毎週ショートショートnote)

        「あの人速いね。人間離れしてるね」 「あの人すごい力持ち。人間離れしてる」 娘が最近やたらと『人間離れ』という言葉を使いたがる。 どうやら先日まで行われていたオリンピックで知ったようだが たまにヒヤヒヤさせられることもある。 「あの人の顔、人間離れしてるね」 「ねえ見てすっごく太ってる。人間離れしてるよ」 しかし先日の『人間離れ』には笑ってしまった。 私はキッチンで夕食の支度、 娘はリビングでテレビを見ていた。 「ねぇママ来て。この人たちすごいよ。人間離れしてるよ」 火を使

        • 『ひと夏の人間離れ』(毎週ショートショートnote)

          今年の夏は、深い森の中に忘れ去られたように ポツンと佇むこの一軒家で誰とも会わずに たった一人で過ごそうと決めていたんだ。 大量の食糧と僅かばかりの酒。それと大好きな作家の本。 携帯電話は置いてきた。 もとよりここは電波が届かない。 世間の喧騒から逃れ、ひと夏の人間離れってやつさ。 大きなプロジェクトを終え、 金と時間を持て余していたところだった。 「夏の間、祖父の別荘を使わないか?」 古い友人からの誘いは、まさに渡りに船。 他にも何か言っていたけど耳に入ってこなかったね。

        『ときめきビザ』(毎週ショートショートnote)

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        • 『毎週ショートショートnote』投稿作品
          152本
        • 思ったことなぞ、書いてみようか
          7本
        • noteの投稿企画に参加してみた
          3本
        • まだあった 昔、書いた落書き
          58本
        • 昔、書いた落書き
          45本
        • 『セヴン・アイズ』(全5話)
          5本

        記事

          『バールのようなチワワ』(毎週ショートショートnote)

          新聞に犬を抱いたおばあさんの写真が載っていた。 見覚えがあるなと思っていると それってこの近くでしょ?と母が言った。 母が言うには、おばあさんは独り暮らしで 部屋で倒れて動けなくなった状態で発見され、 そのまま気づかれなければ死に至っていた可能性もあったらしい。 「その犬がね、吠えて近所の人に知らせたのよ」 「でもこれ、チワワでしょ?」 「家の外まで出て吠えてたんだって」 「ドアが開いてたってこと?」 「それがね、ドアは壊されてたらしいのよ」 「え?強盗?」 「警察も最初は

          『バールのようなチワワ』(毎週ショートショートnote)

          『鋭利なチクワ』(毎週ショートショートnote)

          目の前に差し出されたソレを、 すんでのところではたき落とした俺は そっと床から拾い上げた。 「ごめん。俺、先端恐怖症なんだ」 俺は指で摘まみあげたおでんのチクワを その斜めに切られた断面を見ないようにして皿の上に置いた。 まだほんのりと湯気を立てているチクワが 俺には鋭利に尖らせた竹ヤリのように見えていた。 「ごめんなさい。ちっとも知らなくて」 「言ってなかった俺が悪い。せっかく作ってくれたのにごめん」 「他は大丈夫なの?これとかどう?」 彼女は竹串に刺さった牛スジを手に取

          『鋭利なチクワ』(毎週ショートショートnote)

          『非情怪談』(毎週ショートショートnote)

          これは僕がまだ若い頃の話なんですが 飾り気のない殺風景なビルで働いてて 今じゃ当たり前なんでしょうけど 当時では珍しくビル内でタバコが吸えないんですよ。 仕方なく1階の喫煙所まで降りていくんですが 最初のうちは従っていましたけど段々面倒になってね。 で、ある時いいこと思いついちゃったんですよ。 フロア奥にある非常口。 ドアを開けると非常階段になっていて 小さな踊り場があるんですが、 いい感じに風が流れてて気持ちいいんですよね。 で、足元を見るとコーヒーの缶が置いてある。 の

          『非情怪談』(毎週ショートショートnote)

          『海のピ』(毎週ショートショートnote)

          もう逃げるのに疲れちゃった。 そう言ってアイツは夜の海に飛び込んだ。 何も考えず飛び込んださ、俺も。 いくら夏だっつっても水はまだ冷たくてさ。 沈んでくアイツの手をつかんで 上も下も分からない海の中では動かない方がいいって 昔じいちゃんに聞かされてたからしばらくじっとしてた。 そしたら体が浮かんでく感覚があって そっちに向かって水を蹴って気づいたら水面に顔を出してた。 陸に引き揚げてすぐに火を熾して服を乾かした。 俺、アイツに何も言えなくて。アイツも何も言わなくて。 で、

          『海のピ』(毎週ショートショートnote)

          『彦星誘拐』(毎週ショートショートnote)

          織姫は考えていた。 「彦星に会えるのは年に1回。 かれこれ2,600年以上こうしてるけど 毎日会えたとして365日で割るとたった7年ちょっと。 いくらお父様のいいつけでも、これはないんじゃない?」 そこで織姫はある計画を立てた。 (よし、彦星を誘拐してしまおう) 牛飼いである彦星のこと。 牛がいなくなればきっと探しに出るはず。 そこを一気に、、、。 織姫は手助けしてくれる友人に声を掛けることにした。 二人の関係を知る友人は二つ返事で快諾してくれた。 しかし、彦星も同じタイミ

          『彦星誘拐』(毎週ショートショートnote)

          『天ぷら不眠』(毎週ショートショートnote)

          母が枕を買い替えた。 「寝心地はどう?」 「それがねぇ、前のよりも調子が悪くて 買ってから一睡もできていないのよ」 「でもそれってNASAが考案したって、アレだろ?」 「触り心地も油っぽくてベトベトしてて気持ち悪いし ちょっと来て見てくれない?」 「油っぽくてベトベト?」 悪徳業者に騙されたのではないか? 私は実物を見てみることにした。 枕に手をあて、ぐっと押しつけてみる。 すると、溢れんばかりの油が浮き出てきた。 「うわ!なんだよこれ。 これじゃ安眠どころか不眠になって当

          『天ぷら不眠』(毎週ショートショートnote)

          『復習Tシャツ』(毎週ショートショートnote)

          「国語、算数、社会科に理科。こんなに毎日覚えきれないよ。 何か道具、出してよ」 「ふ~く~しゅ~T~シャ~ツ~」 「復習Tシャツ?」 「これを着て授業を受けると内容を覚えるんだ」 「アンキパンみたいなもの?」 「あっちはたくさん覚えるにはたくさん食べなきゃなんなかっただろ?  こっちは着るだけだから楽だよ」 「教科書に書いてあることだけじゃなくて 先生が言ったことまで覚えてるってこと?」 「そう、今言ったこと、教科書に載ってないけどテストに出るぞ っていう時もちゃんと覚えてく

          『復習Tシャツ』(毎週ショートショートnote)

          『てるてる坊主のラブレター』(毎週ショートショートnote)

          雨が続いている。 「てるてる坊主、増えてない?」 前回2つだった私の部屋のてるてる坊主は 今は7つになっている。 「それは今日の分でその隣が昨日の分」 「3つ目から、文字が書いてあるみたいだけど?」 彼がてるてる坊主に顔を近づけるのを 私は直視できないでいる。 「これって、、、ラブレター?」 今日のてるてる坊主の前まできた時に 彼がこっちを見ずに言った。 耳の辺りが熱い。彼もそうだろうか? 「その日の気持ちを書いているの」 想いが日に日に強くなっているのに気付いただろうか?

          『てるてる坊主のラブレター』(毎週ショートショートnote)

          『祈願上手』(毎週ショートショートnote)

          この神社は願い事を叶えてくれると評判で、 それを聞いた友人に(半ば強引に)誘われて わざわざ休みを返上して来てみたはいいが いざ願い事という時になって そういえば上手な祈願の仕方というのが必要らしい と言い出した。 「祈願に上手もへったくれもないだろう。 とりあえず何でもいいから願い事すればいいんじゃねえの?」 「でも、絶対に叶えて欲しい事なんだよ」 「どっかに書いてないのかよ」 俺たちは2手に分かれて境内をうろうろと探し回った。 その時、少女たちの会話が聞こえてきた。

          『祈願上手』(毎週ショートショートnote)

          『文学トリマー』(毎週ショートショートnote)

          玄関に辿り着くとカバンから鍵を取り出す。 その音を聞きつけて飼い犬が鳴きだした。 以前、扉を開けた瞬間に飛びつかれて尻もちをついた経験から 部屋のドアを閉めているため、くぐもって聞こえる。 いつものことだが、今夜は何か様子が違う。 鍵を開けて廊下を進むと、その違和感が何かが分かった。 それは飼い主である私を呼んで鳴いている声ではなく、 私の名を呼んでいる声だったのだ・・・。 「っと。 よし、これで今週も毎週書くという課題はクリアね。 あとは文字数の方だけど、やば、600字を

          『文学トリマー』(毎週ショートショートnote)

          『記憶冷凍』(毎週ショートショートnote)

          「記憶冷凍?!」 おもわず声が大きくなってしまった。 辺りを見回すと 私以上に恥ずかしそうにしている妻の顔が見えた。 「何それ、知ってる?」 声を潜めて聞いてみると 妻が「知らないの?すごいって評判よ」と言った。 すると妻の隣にいた娘が 「テレビでやってるよねぇ~」と妻に笑いかけた。 最後のところは妻の声も重なっている。 2人から「ねぇ~」と言われても 普段からテレビを見ない私には 何のことやらさっぱりであったが、 実際は妻も娘もすごいってことは知っているが 何がすごいかま

          『記憶冷凍』(毎週ショートショートnote)

          『放課後ランプ』(毎週ショートショートnote)

          「お父さんは僕の小学校の卒業生なんでしょ?」 「うん、そうだよ」 「学校の七不思議ってあった?」 「そうだなぁ『放課後ランプ』の話は?」 「知らない、どんな話?」 「放課後、日が暮れて誰もいない校舎でね、、、」 その子は忘れ物をして学校に取りに行ったんだって。 先生に見つからないようにそっと校舎に入ろうとしたんだけど 鍵がかかってて、次に空いてる窓がないか外から校舎を見たら 理科室のあたりでゆらゆらと火が動いてるのが見えたんだって。 そこで先生を呼んで理科室の前まで行ってみ

          『放課後ランプ』(毎週ショートショートnote)