『非情怪談』(毎週ショートショートnote)
これは僕がまだ若い頃の話なんですが
飾り気のない殺風景なビルで働いてて
今じゃ当たり前なんでしょうけど
当時では珍しくビル内でタバコが吸えないんですよ。
仕方なく1階の喫煙所まで降りていくんですが
最初のうちは従っていましたけど段々面倒になってね。
で、ある時いいこと思いついちゃったんですよ。
フロア奥にある非常口。
ドアを開けると非常階段になっていて
小さな踊り場があるんですが、
いい感じに風が流れてて気持ちいいんですよね。
で、足元を見るとコーヒーの缶が置いてある。
のぞいてみると水が入ってて吸い殻が数本。
なんだ、考えることはみんな同じかってね。
でもある日、いつものように外に出ようと
ドアに手を掛けたら鍵がかかっていて開かないんですよ。
おかしいなって思っていたら先輩がやってきて
開けてくれたんですが
その先輩、先週ここから飛び降りて、、、。
慌ててその場から立ち去ったんですけど
今でも覚えてるんですよね。
その先輩の「チッ」って舌打ちの音。
(410文字)
<あとがき>
2週間もお休みしてました。
私の部屋、エアコンがなくて冷風機でなんとか凌いでいるのですが
暑くて何も浮かばなくて、、、。
今回も「非常階段」そのままでひねりもなく、申し訳ない。
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