gm

バーテンダー兼、料理人兼、絵描き兼、ポテサラマシーン。あとハンサム。

gm

バーテンダー兼、料理人兼、絵描き兼、ポテサラマシーン。あとハンサム。

マガジン

  • 酒場

    酒場や酒にまつわる物語

最近の記事

  • 固定された記事

運動会の朝に

「見えますか?」 先生は言葉を選んでいる。 外来ではざっくばらんに地元の方言で話す顔馴染みの先生が、多分すごく選んだ言葉で話してくれている。 わたしの目は見ずに。 「たくさんあります。この点に見える場所、…全て腫瘍です…。」 確か3年前。 健康診断で内臓の数値がひっかかった夫は、その後めちゃくちゃ嫌がりながら行った精密検査で「胆石」と言われたはずだ。 症状も特になく、いつも通りふつーの毎日を送っていた。 今朝がた、背中に激痛が走るまでは。 「詳しい検査をしてみ

    • たっちゃん

      ゴリゴリゴリと、手動の鉛筆削りを回す音は、あれから40年近く経っても、ふとした時に、思い出すように痛い。 たっちゃんは、給食の時間に急に立ち上がり僕の真後ろに置いてあった手動の鉛筆削りに、半分くらいに減った鉛筆を突っ込んで回し出した。 ゴリゴリゴリ。ゴリゴリシャリ、シャリシャリシャリ。 給食は配り終わってるから、あとは係が「それでは、いたーだきます」と言うのを待つだけの、小学校の一日で最高にワクワクする数分間。 たっちゃんは、係の号令に間に合わせるように、手動の鉛筆削

      • この母にして。

        8月中に書く、初めてのエッセイと言うか何と言うか、何と言うかです。 予告です。 予告しないと、多分書かないまま流されるのが僕なので。 映画の予告編とでも思ってください。 書くよ。書きますよ。書きたいから。 うっすらと期待しといてください。 僕の文章力をさっ引いてもなかなか面白い母です。 では、その時に。

        • エール

          「何にも特別な日じゃなかとやけん。いつもどーり、いつもどーりたい。」 と、母ちゃんは朝から何度も言って、多分オレより緊張している。 ご飯と味噌汁と卵焼きに、納豆とウインナーとサラダ。 サラダ。 今だかつて朝御飯で見たことの無い、彩りも鮮やかなレタスとキュウリと真っ赤なトマトのサラダ。 意気込みが感じられる。 高校受験日の朝は、母ちゃんが言うのとは正反対の完全な「特別な日」として始まった。 サラダのせいで。 駅へ向かう田んぼ道には、何をしてるか分からない農家のお

        • 固定された記事

        運動会の朝に

        マガジン

        • 酒場
          3本

        記事

          再生

          八代よかとこ物産館CM

          過去に作ったCMです

          八代よかとこ物産館CM

          再生

          https://gmpop.jimdofree.com/

          https://gmpop.jimdofree.com/

          花と花

          花と花

          +2

          花と花

          花と花

          八代の花

          八代の花

          向日葵が散って花火がくる。お城の街。

          向日葵が散って花火がくる。お城の街。

          残りの30分

          頭が真っ白になる。 ってこんな感じなんだな。 と、僕は頭で考えているから厳密には「真っ白」ではない。 「真っ白じゃないじゃん」とも考えているから、さらに「真っ白」からは遠ざかる。 なんて言ってる場合ではない。 一浪の末、二回目のセンター試験。 国語の試験の制限時間は80分で、机に置いた腕時計が無情にも知らせる残り時間は40分。 40分しかない、と言う考えはこの際捨てよう。 よくこの段階で気付いたと、自分を誉めよう。 偉いぞ、オレ。 そうそう、自分を誉めると言え

          残りの30分

          アヤとミツルと、僕の夜。 #真夜中インター

          「自己愛がプンプン匂う。キライです。君の小説。」 やっぱり平日の12時過ぎに掲示板に書き込みがある。 アヤだ。 「それそれ。オレも思った。マジで。」 数分遅れでミツルの書き込みも届く。 ほとんど毎晩続くこの儀式に、僕は溜め息で返事をして、ベッド脇に丸めた体をさらに縮める。 見ている先にあるのは、まだガラケーなどと言う不名誉なカテゴリーに投げ込まれる前の携帯電話で、安っぽい緑色に光る画面には文字ばかりが並んでいる。 25年前。 肩書きだけは大学生だった僕は、毎日

          アヤとミツルと、僕の夜。 #真夜中インター

          #もの書き100問100答 #真夜中インター

          #もの書き100問100答 需要があるかはわかりませんが、やってみました100問  では、スタート! 1.どんな作品を書いている? だいたい小説。いや、ほぼ小説。 2.どんな作品を書くのが一番好き? 酒場のお話。 3.ペンネームの由来は? 職場での役職がgm(ゼネラルマネージャー)だったから。 4.いつから創作を始めた? 書き始めたのは中学生くらいかな。 5.創作を始めたきっかけは? さて、なんだったろう。ラジオにシナリオを投稿したのがきっかけだったよ

          #もの書き100問100答 #真夜中インター

          遠吠えワンルーム           #真夜中インター

          大学に行かない大学生時代に真夜中から朝方まで、 焼酎を途中からストレートで飲みながら書いていた小説は一回のネット投稿が250文字しかできなかった。 授業では使った覚えのないレポート用紙に書きなぐった酒場の物語は、1ページを3~4回に分けて投稿しなければならず、下書きからしたら2日がかり。 ただ、時間だけは無限にあったので、僕は宛先の書かれていない手紙を出すように毎晩ボールペンを握り、その後で緑色に光る携帯の画面を睨んでいた。 i-mode。 ネットに繋がった携帯電話は

          遠吠えワンルーム           #真夜中インター

          #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表2)

          ※最初に気弱な断りを入れますが、保存してるのを順不同で上げますが万が一抜けてる作品がありましたら「私の無いんだけど!」をやんわりとお伝えいただければ幸いです。 塗り絵にお名前(アカウント名)は入ってますが、今回は単純にイラストの感想だけ書いてみたいと思います。 今回一番ドギモ抜かれた作品。良い意味で反則(笑) 夏野菜塗り絵だっつってんのに、野菜に一切色を付けないマイウェイっぷりにさすがの一言です。 この方はプロなので僕がいろいろ言うのはおこがましいんですが、いっつも見て

          #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表2)

          #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表1)

          6月の梅雨ど真ん中だと言うのに、熊本は晴天酷暑が続いています。 僕がボーっとしてる間に 秋の背中が見えそうです。 こんにちは「八代よかとこ物産館」gmです。 さて、何だかんだで2か月を要しました「夏野菜塗り絵コンテスト」 先日めでたく応募締め切りを迎え(まあ例によって延長はしましたが) 物産館、正面入り口横にあるディスプレイに、着々と掲示が進んでおります。 さて今回のコンテスト、お題がはりきってふたつ。 ①麦わら 勢いのままに後の事を考えずに描いてはいけないと、

          #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表1)