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沖縄観光産業の発展に立ちはだかる壁とは。

基幹産業である観光業は沖縄すべての産業につながっている。

私の住んでいる石垣島はもちろん、沖縄県全体は国内、そして海外からの観光によって大きく支えられています。このことは、コロナ禍となって如実になり、嫌でも実感することになりました。

1次産業ですら、観光客がいないのと、飲食店の休業で大変なダメージを負いました。緊急事態宣言中は、石垣島でも豊作なのに行き場のないパイナップルが投げ売りされていたり、養殖の車えびなどがいつもより大幅に安価で売られたりしました。
国内は当然、国外からの観光客にも1日でも早く戻ってきて欲しい。これは、沖縄県民の多くの切望だと思います。
そしてコロナ前よりも更なる観光需要の成長を願っています。

観光業の発展がイコール沖縄の発展につながるからです。

観光の質の改善が叫ばれ始めてから久しいが・・・

もちろんただ数が増えればいいものではありません。昔から沖縄観光の課題として挙げられていたものがあります。それは・・・

  • 観光客1人あたりの消費額が低い

  • 3泊以上する観光客がいない

この課題は、我が石垣島でも同じ課題を抱えています。
※ただ石垣島(八重山)の平均泊数は2.9程度で、もう一歩なんですが・・・

2025年に開業予定の沖縄本島の北部(今帰仁村と名護市あたり)にオープン予定のテーマパークには、有名マーケター森岡さん率いる株式会社刀が参画してくれている楽しみなニュースもあるのですが、現時点ではまだまだこの課題は解決できていません。

沖縄県は観光業のポテンシャルが高い

最近は森岡さんや堀江さんといった有名な実力者が沖縄観光について言及してくれる機会も増えていて、嬉しい限りです。

私も6年前に、石垣島に移住してきました。私は沖縄県でも特に石垣島含めて八重山諸島は大きな可能性を秘めいていると考えているからです。
なぜ石垣島なのかはまた別で書くとしますが、沖縄県の観光としてのポテンシャルの高さは沖縄県に遊びにきたことがある方や関わったことがある方なら、結構容易に納得できるはずです。

よくハワイと比べられることも多いですが、私もハワイにも負けない可能性をここ沖縄・石垣島は秘めていると考えています。

ではなぜこのポテンシャルがまだ開花できないのか。

大きなリーダーシップとハード・ソフト両方の未熟さ

よく言われることの一つが、大きなリーダーシップを発揮できる自治体や企業がいないこと。個別でなんとかしなきゃと私みたいに活動している人間もいますが、全体をコントロールできなければ根本的な解決は難しそうだと実感しています。
観光とは、家を出発してから家に帰ってくるまでの全てをどのようにストーリーをプロデュースできるか。これが大切だからです。たとえ単発で良いものがあっても、全体のストーリーを通して感動を与えられなければ、観光としてそれは失敗なのです。

そして、ハード・ソフト両方の未熟さがあります。
上記のストーリーができていないので、それぞれのハード(施設)がバラバラに頑張っている印象です。有名なところでは美ら海水族館や沖縄ワールド。新しめなところでは北谷のアメリカンヴィレッジなど。

ちなみに石垣島にはそいった施設はなく、現在ゴルフ場すらありません。計画はありますが、まだ数年〜10年程はかかるでしょう。
このハードの面で絶対に問題になるのが、環境破壊です。
もちろん沖縄県、石垣島には豊富で美しい自然が大きな財産であることは明白で、これらを観光資源にするべきなので、環境への配慮は当然必要です。

しかし、この豊富で美しい自然を楽しませるソフト面も非常に未熟だと感じています。海はわかりやすいですが、海以外の自然の魅力を十分に楽しめるソフトが少ないと感じています。
例えば、初めて沖縄に来たときに、私は植物の違いに驚きました。種類や大きさもそうですが、南国特有の生命力の強さにです。
おそらくですが、株式会社刀の沖縄北部のテーマパークはこのような点に着目してくれているのではと思っています。

推し進める上で立ちはだかる壁とは

ようやく本題ですが、私の中でも課題は明確なので、推し進めるだけでは?と考えていたのですが、いざ移住してから体験し、実感したことがあります。それは、「反対運動」です。
一番の反対される要因は、環境破壊です。
これは私も、何も考えずに、配慮せずに、ガンガン施設を作ることには大反対です。昔から日本の至る所で「え?何これ?作ってどうするの?」というハコモノはたくさんあるからです。

ただここで言及したいのはそれではありません。
新しいものを作るとき、新しいことを始めると、必ず現状維持理想論者がいて、合理的な環境への配慮がなされているのかどうかではなく、とにかく反対という人々がいるということです。
実際に、私が知る限りでも石垣島などでも4件ほどは、この反対で消滅したリゾートホテル計画や施設計画があります。
もちろん企業側にも問題はあると思いますが、変わることへの反対派がいるのです。

最後に(これは私の偏見かもしれませんが)

この現状維持理想論者は、石垣島や沖縄に住んで、いろんな人と関わって感じることは、「長くいる移住者」であることが非常に多いです。
今回の立ちはだかる壁とは「長くいる移住者」です。

もちろん全員ではないし、たまたま私が関わった人がそうなんかもしれません。
しかし、私が関わる本当の沖縄の人たちは、観光発展(経済発展)を望んでいるし、いろんな新しいものができることには賛成してくれる人が多いです。
何故なら、地元にいろんな雇用が生まれた方が、自分たちも含めて家族や子どもたちも恩恵を受けられるからです。

私も移住してきて6年。
今後、もし新しい人が新しいことを始める時に、「今までのやり方に合わない」「なんか嫌だ」「気に入らない」などではなく、合理的に判断して、なんなら一緒に沖縄観光産業の発展に関わっていけるようにしたい。そう思います。

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