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「小1の壁」のおかげで始まった、ママの小さなチャレンジ。

4月から息子は小学校1年生。

「小1の壁」という言葉があるけれど。

息子が、家から自転車で30分の距離にあるオルタナティブスクールに通うことになったことで、わが家にもいくつかの「壁」が立ちはだかる。

まずは、「学童がない」ということ。

小学校は3時までで、放課後は4時まで。
4時には学校を出ないといけない。

そして、「送迎が必要になる」ということ。

その小学校の近くに引っ越ししようかとも考えてみた。今住んでいる分譲マンションの査定をして、引っ越し先のお家を探してみたりもしたけれど、猫2匹を飼ってもいいマンションかつ予算内のマンションは、なかなか見つからなかった。

バス通学も考えてみたけれど、バスを降りてから徒歩15分という場所にある上に、その道がちょっぴりわかりにくい。また、みんなバラバラの場所から通学しているので、おそらく最初から最後まで一人ぼっちでその道を帰らないといけないことを考慮すると、せめて小学校1年生のうちは送迎してあげたいなと思った。

つまり、3時頃には仕事をきりあげて迎えにいかないといけない。現在は4時半まで仕事をしているので、勤務時間を縮めてもらえないか交渉してみるしかない。

普段はそれでどうにかなるにしても、
夏休みや冬休み、春休みはどうしようか。

長期休みだけ、近所の小学校の学童に通うこともできるらしいけれど、「君だれ?」状態になるだろう。もし私だったら、せっかくの長期休みにそんなところに行かされるのはつらすぎる。

民間の学童のようなところに預けるのもアリかもしれないけれど、お金的にキツイ。オルタナティブスクールに通うというだけで、私立並みの学費がかかっているので、わが家の家計的にこれ以上お金をかけられない。


どうしようか・・・

仕事をやめるしかない?

でも学費もかかるし、
私の稼ぎがなくなるとギリギリ生活・・・


自分のペースで、
家で働けたらいいのになぁ。

考えるたびに、そこにたどり着く。


お家サロン、やりたいなぁ。

考えるたびに、「お家サロン」というワードがポンッと頭に浮かぶ。

お家サロンなら、子供の休みや成長に合わせて、自分で時間を調整しながら仕事ができる。長期休みのときには「午前中だけ営業して、午後は息子と過ごす」みたいなことだってできる。

「お家サロンをやりたい」という気持ちは、今回のことがきっかけに生まれた気持ちではない。息子が生まれてから、何度も湧いてきたことのある気持ちだ。

でも、私の住むマンションは分譲マンション。「分譲マンション 開業」などとGoogleで調べると、基本的に分譲マンションは居住目的以外での使用は禁止されていることがほとんどだと書いてあった。なので、うちのマンションもそうなんだと勝手に思いこんでいた。

それならどこか場所を借りて、いつか自分でお店をやりたいなという想いは、ずっと胸に秘めていたのだけれど。



2022年の年末、大掃除をしていると、ふとマンションの「管理規約」の冊子が目に入った。

その管理規約の冊子をなにげなくペラペラとめくっていると、なんだか妙に文字が濃ゆく見える部分があったので、読んでみる。

「住居の専有部分において、ピアノ・エレクトーン教室など長時間音を発生し、また学習塾など多数の子供が出入りするなど、居住環境を損う活動は行ってはならない。」

by マンションの管理規約

そんな風に書かれていた。

あれ?お家サロンなら、音は発生しないし、1日多くても3人くらいまでしか出入りしないだろうし、大丈夫なのでは・・・


胸が、踊りはじめる。

いてもたってもいられなくなって、
管理人室にむかった。

「あの・・・このマンションって、お店を開いたりとかは可能なんでしょうか?業種は整体で、出入りは1日最大3人くらいまでだと思うんですけど・・・」

「1日数人程度なら大丈夫ですよー!なんか料理教室を開いている人もいたなぁ。」

管理人さんはニコニコと、あっけらかんと、そう答えてくれた。



お家サロン、やってもいいんだ・・・

お家サロン、やっていいんだ・・・

お家サロン、やってもいいんだ!!!

管理人室から家に戻る道中、
スキップしてしまいそうになった。


お家サロンなら、ほとんどリスクなしに始められる。まずは小さくはじめてみよう。


「小1の壁」の突破口が、
見つかったような気がした。

というより、「小1の壁」がなければ
「お家サロンを今すぐはじめる」という選択をきっとしなかった。

お家サロンをやってもいいことが判明したとしても、完璧主義な所のある私は「あと○年経験をつんで、あとコレとコレを学んで・・・」みたいな計画をしていたように思う。


私なんて、まだまだだ。
私なんて、まだまだ経験が足りない。
もっともっとがんばらないと。
こんな未熟な自分のまま、
お店なんて開けない。
きっとだれもお店に来てくれない。

そうやって謙虚なフリをして
失敗して傷つくのを恐れる私。

今までたくさん勉強してきた。
たくさん経験してきた。
私よりも技術のある人はたくさんいるけれど
今の私にだってできることはたくさんある。
走りながら成長していけばいい。
失敗しながら、育てていけばいい。
やりたいことがあるのなら、
できることからコツコツやっていこうよ。

そうやって、自分を応援する私。


前者の私が勝ってしまうことも多いけれど、今回は「小1の壁」が私の背中を押してくれた。

とはいっても、いきなりお家サロン一本でやっていくのもなかなかチャレンジャーだと思うので、今勤めているリラクゼーションサロンとまずは半々くらいでやっていくことにした。

4時半までの勤務を、3時までの勤務に短縮することで、「時給制」から「完全歩合制」の契約になってしまう。でもその分、シフトは自由。お客さんが来なければ、自分の判断で帰ってもいいとのこと。

勤務先でも、お家サロンでも、
収入はすべて自分次第。

「時給」に慣れている私にとって、それははじめてのチャレンジだ。もちろん不安もあるけれど、しばらくはその感じでやってみようと思う。




「母ちゃんさ、お家でお店はじめようと思うねんけど。」

「お家で!?そうなの?!じゃあ、ぼくも手伝う!お店に来た人の子供と、一緒にあそんどいてあげる。そしたらお母さんがゆっくりできるでしょ?」

息子にお家サロンのことを伝えると、そんな提案をしてくれた。子供が「子供」と言っているのを聞いて、心の中でクスッと笑う。「家で一緒に遊べる兄弟がほしい」と言う息子にとっては、案外楽しい「お手伝い」になるかもしれないなと思った。

というわけで、息子と父ちゃんにお家サロンをやりたいということを伝えて、そして部屋を私に1つください!と頼むと、こころよくokしてくれた。



「母ちゃん、お店の名前は?」

息子にそう聞かれたときに、
体がギュッと緊張するのがわかった。

ポノミーっていうお店。どうかなぁ?変?」

もしも将来お店を開くとしたら・・・と半年前くらいにお店の名前を決めていた。でも口に出すのは案外はじめてで、「ポノミー」という響きが、まだなんだかよそよそしい。


「めっちゃいいねぇ!ポノミー、早く始めようよ。今から始める?」

息子のその言い方が、「今からテレビ見てもいい?」くらいの軽い感じだったので、なんだかそのくらい気楽に始めてみたらいいのかもしれないなぁなんて思えてきて、私の心を軽くしてくれる。



そんなある日、マンションの下でお掃除のおばちゃんと立ち話をしていると、息子がいきなり割り込んできた。

「母ちゃんがさ、お家でお店開くねんでー!母ちゃん、お店の名前はなんだっけ?」

胸がドキーっとする。息子と父ちゃん以外に、お家サロンのことはまだ言っていないのに。「家族以外のだれかに言ってしまったら、もう後戻りができないじゃないか!」と思っている自分に気づく。

「ポ・・・ポ・・・あ!思い出した!ポノミーだ!お店の名前はね、ポノミー。」

6歳、容赦なし。私の心臓がバクバクしていることなんて気づきもせずに、大きな透き通った声で、ハッキリクッキリそう言った。

「そうなの?ポノミーっていうの?お家でお店できるなんていいですねぇ。なんのお店やりはるの?」

そこからお店についての話になって、ちょっぴりドキドキしながらもいろいろ話してみた。

「オープンしたら教えてね。行かせてもらおうかなぁ。」

最後には、ニコニコしながらそう言ってくれた。



お家サロンを開く。

そう決めたはずなのに、
ずっとやりたかったことなのに、
ワクワクしているはずなのに、

まだ心のどこかで「後戻りできる」と思っていたことに気づいた。

家族以外の人に「お家サロンを開く」ということを伝えることで、急激に現実味が湧いてくる。「私はお家サロンを開くんだ」と、妙にどっしりと腹がすわったような気がした。



チャレンジすることは怖くって
先延ばしにしたくてたまらなくて
今チャレンジすることになったことを
息子のせいにしたくなる。

そして

「お店を開きたい」という自分の想いに
今すぐチャレンジしようと思えたのは

息子のおかげ。


チャレンジは、怖い。
チャレンジは、ワクワクする。

息子のせいで。
息子のおかげで。

両極端な気持ちたちを
ギュッと抱きしめながら
今年の春は、小さなチャレンジをする。


そして、この場所でこの文章を書くことで
さらにグッと覚悟を決める。

ドキドキワクワクな、春が来る。

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