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ママだって、大声で歌いたい。

「ミュージカルはね、感情が高まって高まって高まって、もう体におさまりきらないくらいになったときに歌い出すの。」


こんなようなことを、誰かから教えてもらったのか、もしくは何かの本で読んだのか、どうしても思い出すことができないけれど、私がミュージカルを本当に好きになったのは、きっとこの感覚を知ってからだ。

それまでは、ミュージカルってどうして急に歌い出すんだろうって子供ながらに疑問を感じていたから。


私は4歳から高校受験のときまでクラシックバレエを習っていた。その教室で仲が良かった友達が劇団四季が大好きで、その影響を受けて私も劇団四季が大好きになった。その子がまさかの劇団四季に本当に入ってしまったときは驚いたけれど。


1つのミュージカルにハマると、ひたすらビデオをみたり、ビデオがなければひたすらCDを聞いたりしていたので、歌の歌詞をほとんど丸暗記しているミュージカルが何個もあった。そのくらいハマっていた時期があったのに、息子が生まれてからの3年間くらいは必死すぎて「自分はミュージカルが好き」ということさえ忘れかけていた。


ある日曜日、久しぶりに1人でお風呂の湯船に入っていたとき、急に思い出した。

お風呂は「私の舞台」だったなって。


息子が生まれる前は、お風呂に入ると自然に歌いはじめていた。

私は別に歌が上手ではないけれど、お風呂は声が響くので、いつもよりちょっとだけ上手に聞こえるのだ。自分的に。

たくさんのミュージカルを知っている私は、今の自分の感情にぴったりな歌を引き出してきて、その歌を大声で歌う。

すると、自分の感情が不思議と消化される。

感じていた感情が、声になって、
外へ外へス〜っと消えていく。


「こんなに思いっきり大きな声を出したのはいつぶりだろう」

久しぶりにお風呂で大声で歌ったとき、そう思った。本当に気持ちよかった。


いつも私の半径1メートル以内にいた息子にそんな大きな声で話しかける必要はなかったし、息子が寝ているときは起きないように起きないようにヒソヒソ声で話していたから、その声のボリュームになんだか慣れてしまっていたのだ。

幼い子供と過ごす数年間って、すごく大きな声を出すシチュエーションがあまりない。お母さんと赤ちゃんは限りなく溶け合っていて、その声のボリュームに比例して、お母さんはあまり自分のことを強調しなくなるような気もする。

子供と溶け合うその期間は、心地良いけれど

お母さんだって
自分の感じていることを表現したくなる時がある。

そんなとき、

自分の今の感情や状況にぴったりな曲を大声で歌ってみると、すごくスッキリする。



私がここ半年くらい、毎日のように歌っているのは、ミュージカル「オズ」の「HOME」という曲。

この曲に出会ったのは、You Tubeを何気なく見ていていたときだった。


宮本亜門さんのミュージカルのオーディションの動画なんだけれど、AKBから梅田さん、山本さん、増田さんの3人が最終審査に残って、その審査で歌われている曲が「HOME」。

同じ曲を歌っているのに、一人一人全然ちがう。私は増田さんが歌っている姿と声に涙が止まらなくなった。(5分30秒〜増田さんが歌っています)




そして、この「HOME」の歌詞。



*HOME*

こんなにも幸せに
私 満たされて

あの家や
仲間たちの
愛に包まれて

風が吹き 草木は踊り
恵みの雨 苦しみを流す
すべてが輝いて

私は信じる
この目で見て感じたことだけ

また歩くのよ
前を見つめ
自分の為に進むの

この出会い、この旅
それはファンタジー

でも教えてくれた
愛する事

この世界には溢れていた

あなたにも私にも愛が

***

私が「手」を通して伝えたい「愛」のことが
ギュッとつまったような歌詞だ。


いろんなことのある日常生活の中で
気持ちがグラグラしてしまっているとき

この歌をお風呂で大声で歌う。

すると
「自分が大切にしていること」に
グッと戻れる。

中心に戻れる。


というわけで私は
この歌を勝手に自分のテーマソングにして
ドロシーになりきって毎日歌っています。





お風呂はもちろん

ごはんを作りながら
洗濯をしながら
掃除をしながらだって

歌える。


ちなみに、家事がしんどくて仕方がない日は、アニーの「ハードノックライフ」がおすすめ。そのあと「トゥモロー」を歌って、気持ちをハッピーエンドにもっていくのが良し。(笑)



ママだって、大声で歌おう!


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もよ
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