「封印」 第二十七章 無実 (終章)
クーデターが終わった。新政権が樹立され、公安は一度解体された。クーデター側についたアンサング達はすぐに再採用され、首相側に送られたイウェンは逃亡するしかなかった。首相の後を継いだのはダムナグ社前副社長だった。ヴァサルの息子。
「あのバカ息子、また殺したみたいですよ」
アンサングは長官の部屋に入った。長官はアンサングと同じ新聞を読んでいた。一面は、クーデーターから逃亡中の、イウェン。最背面に、釈放される、ダムナグ二世と、護衛のオブスター。ひき逃げで家族死亡。責任能力無しとし