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【読まれる文章とは?】自分が「書きたいこと」と、まわりが「読みたいこと」の重なりを見つける

こちらの本を読了。

プロのライターもですが、プロでなくても、ブログやSNS活用して、これから発信を強化していこうという意欲のある人たち向けにピッタリの本です。

個人的には、タイトルが一番好きです笑。これ以上のターゲッティングはない素晴らしいタイトルだと感じました。書くのは嫌いではないけれど、書いてもあまり読まれない、広く伝えるノウハウや考え方が知りたい方には強くおすすめします。

主軸は、編集者竹村俊助さんによる「書くこと」論ですが、ここでは、本づくり書籍企画書を作る視点で、「これこれ!」となったところを取り上げてみますね。

"自分が「書きたい」ことと、まわりが「読みたい」ことはズレている"。

書籍企画書を作る段階で、「これは商業出版が狙えるか」というのは、出版業界の末席にいる私にも、うっすらとわかることがあります。

その手がかりの一つが、企画の「客観性」です。

本を書きたい当人が、「これどうしても本にしたいんですっ!!!」ってなっている時って、読者が不在になっていることが多いです。

書きたいことは、わかっている。

でも、

読者が読みたいものは、わかってない。

それがシンプルに小見出しにある通り、竹村さんがおっしゃる

自分が「書きたい」ことと、まわりが「読みたい」ことはズレている

ということだと思います。(こういう説明の一つ一つがわかりやすくて、とても勉強になります)

竹村さんは、この本の中で

・自分が書きたいことが、まわりが読みたいこととイコールとは限らない
・この二つの円が重なった部分を書く

と述べています。

これは、書籍企画書に取り組む時にも、とっても大事なこと。

書いて終わり、ではなく、書いて届ける。広げる。仲間を増やす。

そのプロセスにおいては、制作側のみならず、読者も仲間です。本を中心に、みんながチームとなって伝えたいことを伝える役割をになってくれるわけですから。

そのような場において、「読まれる」はやっぱり、切り捨ててはいけない、優先して考えるべき要素です。そこを不問にしておくのは不誠実であるとも思うし、もったいないとも思うのです。

とはいえ、自分が書きたいことが、読者の「読みたい」に応えているかどうかって、なかなか判断が難しいですよね。(だからこそナチュラルに説得する(読者不在の)文章になっていく。。↓)


不特定多数に「読まれる」ってどういうことか

自分が「読まれる」ネタやコンテンツ、テーマを持っているかって、そんな自信ない・・・

という人も多いでしょう。私も常にそんな感じです笑。

この本の中でヒントになるのは、「自分が読みたいことを書く」と述べられているところでしょう。でもここで勘違いしてはいけないのは、「自分が書きたいことを書く」ではないということです。

「自分が読みたいこと」とは何か。それはつまり、「なぜそれをわざわざ本で伝えようと思ったのか?」という問いに対する答えでもあると思います。

たくさんの人に、このノウハウを知ってほしい!
もっと簡単に人生を楽しむ方法があるよ!

たいていの人は、人を幸せにしたいと思って本を書くのだと思います。

でも、読者が本当にそうした情報を求めているかどうかは、調べてみないとわかりません。調べると言ってもアンケート取ったり大袈裟なことしなくても大丈夫。

半径三メートルの日常は、世界。そこにいる人の悩みや、課題や、気持ちは、たいてい、あらゆる世界で起こっていることです。まずは自分の引っ掛かりから日常を探っていけばいい。

一方で商業出版とは、一般社会という大海原で本をリリースしようとすることです。であれば、「自分の書きたいこと」は、フラッと立ち寄ったお客さんを立ち止まらせる力を持っている必要があります。

その、フラッと立ち寄ったお客さんの「悩み」や「気になること」、「知りたいこと」、、それらは、今の自分が書きたいと思っているテーマと、本当に重なるのか???

ここを少し掘り下げて、幽体離脱して、見てみる必要がありそうだということですね。

自分が講演会をするとしたら?を考えてみる

さて、その「自分の書きたいこと」「まわりの読みたいこと」の重なる部分を探るために、竹村さんが紹介してくださっているこんな質問があります。これがすばらしく有効と感じたので、こちらでシェアさせてください。

竹村さんは、ときに経営者さんにこんな質問をするそうです。

「あなたが講演会をするとしたら、どういうテーマで話すと人が集まりそうですか?」

なんだそんなことか、と思うなかれ。

この質問のミソは、「人が集まる」と問うている点です。「講演会をするとしたらどういうテーマですか」ではないということなんです。「講演会をするとしたらどういうテーマですか」は、シンプルに「あなたは何を書きたいんですか」を聞いているに過ぎません。

これは、自分の「強み」というものを客観的に知る、見る、とてもいい質問だなと感じました。

私なら、そうだなあ。

☑︎人の心を動かす文章術
☑︎書いて自分をブランディングする方法
☑︎子どもの生きる力を育む言葉
☑︎作文力が子どもの感性を伸ばす
☑︎強いチームを育てる言葉

私がこれらのテーマを本当に話せるかどうかはちょと置いておいて・・・、

「自分の得意分野」 × 「聴衆(一般社会)が求めているテーマ」

を組み合わせて、この辺りならなんとか、みたいな思考で演題を絞り出すことができました。

自分の強みって、ご存知の通り、自分ではようわかりません。
一方で、ちょっと視点をずらしてみれば、こんな簡単なことがネタになるの?みたいなことが眠っているとも限らない。

よくわからないときは、信頼のおける(ここ大事)友人や家族、恩師や同僚に、この質問を投げかけて聞いてみるのも良いですよね。

そんなのムリムリ・・・というテーマもあるかもしれませんが、これならできそう、という意外な発見もあるかもしれません。


本を書くのは、伝えるため。できるだけ多くの人に、自分の経験や知識を分かち合い、活用してもらうため。

「書けない・・・(ネタがない)」ってなっているとき、あるいはその逆の「書きたい!」ってなり過ぎているときほど、自分に執着し過ぎているってことが起こっています。私の場合は、ほぼそうです。

そういう時は、先ほどの講演会テーマと照らし合わせて、自分から自分を引き剥がしてみる。どうも、自分がいなくなったところにこそ、ネタがピカピカと光って転がっているようです。



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