知和知和(ちわともかず)

何者にもなれなかった33歳の備忘録。 https://twitter.com/tomokazuchiwa

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ダンガン文庫2025年コンテスト【アングラ】【ザ・インパクト】に挑戦! 過去の落選作を再構築していきます!

こんにちは。知和知和(ちわともかず)です。 久しぶりの記事更新になります。 プライベートでの環境の変化があり、更新が止まっていました。 申し訳ありません。 身体は元気です。 心はぼちぼちです。(精神障害2級並感) さて、今回の本題です。 https://lp.bookbase.jp/contest このコンテストに応募する作品の執筆を開始します!! 投稿予定の作品はすでにプロットが完成しており、なんなら15万字の原稿もすでに出来上がっている小説です。 !!? 「すで

    • 【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】の再構築について その二

       前回は、ライトノベル賞への応募で得られた評価をご紹介したが、今回はそれらをもとに本格的に改編案について考えていこうと思う。少し説教臭いことも言うかもだけど、聞き流してね♪  物語の構成や設定に触れる部分もあり、具体的に記述する場面もあるため、事前に【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】の第21話までを読了であることを前提に書いていく。(まあ、読んでなくても知らなくてもわかる程度には頑張って書いていくけど……)  当時、私はゲシュペンストを書くにあたってプロットを作った。

      • 【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】の再構築について その一

         およそ一か月半をかけて、第一巻に相当する『亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-』を公開してきました。  pixivとnoteの両方で更新を進めてきましたが、自分の想定よりも多くの人に読んでいただけたようで、大変うれしく思います。一方で、作品の作り込みが甘い部分や物語のカタルシスの不十分さを私自身も感じており、その点ではもっと作品をよくできる可能性があるのに、と感じています。  今後、こちらのnoteでは再構築したプロットなどを公開していきます。(詳しくはこちら)  まず

        • 【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第21話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第20話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  東雲の視界が明滅する。 〝貫かれたか?〟  ――否、違う。眼に血液が飛び散ったのだ。視界が明滅するのはそのせいだ。  では、それは誰の血か。己の血か。それともミクリヤの血か。ヤヨイの血か……。  それはどれでもなかった。東雲の視界を遮って散らす紅蓮の血花は、ニーナの血だった。  背後に迫る悪しき影を最初に捉えたのは、ニーナの瞳だった。

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        ダンガン文庫2025年コンテスト【アングラ】【ザ・インパクト】に挑戦! 過去の落選作を再構築していきます!

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第20話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第19話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  死神――。それは、お伽噺や神話伝承にて語られる人知の先にある超常の存在。人の容を装った者もあれば、獣の容を晒した者もある。時代と土地によっては、それは鬼や竜神、妖狐、鵺、果ては悪魔や吸血鬼とも呼び習わされた過去を持つ怪物たちである。  神話伝承によっては人に仇なす者もあれば、人に益をもたらす者もあったとされるが、その正体は第二屍念が大量の命を犠

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第20話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第19話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第18話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  太陽も南中を過ぎ、西陽の紅へとその色を変じ始めたときだった。  東雲がジェイムズに地下室へと呼ばれた。 「今晩、仕掛けることで決定した。君らが先鋒だ」 「わかった」 「それから共鳴器の彼女についてなんだが……」 「ニーナがどうかしたか?」 「連れて行くかは君の判断に任せたい」 「どういうことだ?」 「昨日からの調査で敵の行動が活性化

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第19話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第18話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第17話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  二人が海浜公園沿いの遊歩道での一戦を終えた翌朝。午前七時――  目を醒ましたニーナが寝所から見たのは異様な光景だった。 「東雲……。何をやってるの?」  東雲は上半身裸で片手逆立ちで腕立て伏せをしていた。勿論、鍛えているのは銀義手ではない右腕のほうである。 「朝のトレーニングだが?」 「そ、そう……」  戸惑うニーナを余所に、窓の外で

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第18話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第17話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第16話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  海岸線に少女を残し、東雲は一人臨海公園の遊歩道を歩いていた。 「ん?」  端末に着信が入った。ジェイムズからの通信だった。 「どうかしたか」 「探索の進捗状況を伺おうと思ってね。敵の尻尾は掴めたかい?」 「いや、日中の間探索に動いたが収穫は皆無だ」 「そうか……。ならば、少し別の場所を当たってほしい」 「別の場所?」 「情報部か

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第17話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第16話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第15話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  ファンシーな小物を取り扱う雑貨店、革物専門に扱う鞄店、愛らしさを前面に押し出した衣服を販売する服飾店、店舗入口に警備員の立つ高級ブランドショップ、シルバーアクセサリーを陳列した装飾店、古めかしさの中にも上品さを漂わすアンティークショップ、パラソルを並べた休憩スペースに併設された甘い香りを漂わすオープンカフェ。  それらすべての店を、少女は玉手箱

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第16話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第15話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第14話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  どんな世界にも暗部が存在する。  亡霊討伐組織――ユグドラシルもそんな世界の裏側にある組織のひとつである。  第二次世界大戦末期から終戦直後にかけて、世界中で優秀な科学者が敗戦国から勝戦国に招聘された。それはひとえに戦時下において高度に発展した技術の喪失を阻止することが目的であり、次なる大戦を見据えての動きだった。ロケット開発で有名なヴェルナ

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第15話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第14話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第13話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  桐森巴衛は、自身には異界と交信ができる力があると信じていた。  幼き頃、昏い物陰や靄のかかった宙空に浮かぶ人ならざる者たちを認識し、幾度となくそれらとの念話を試みてきた。両親は彼のそんな行動を奇怪に思い、心療内科への受診を何度も行った。が、その結果は心因性のストレス障害と診断されるだけに留まった。  偏狂的な性格こそ備えた彼であったが、それ

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第14話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第13話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第12話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  夢とも現とも判断のつかぬ微睡みの中で、東雲は明確に痛覚を認識した。  左の眼窩。その奥でちりりと焼け焦げるような痛みが走り抜ける。 〝来たか……〟  痛みはゆっくりと白むように視覚を広げ、見覚えのない世界を映し出す。  ――未来視の魔眼。その模造品。  彼の左眼に埋められ片眼鏡は近い未来を見通す能力を秘めている。これは彼の師から受け継が

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第13話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第12話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第11話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  血の海。  そこに散らばるのは鈍く光る黒い臓器と節くれ立った白くて長い臓器……。  肉……、手、足……それからまた血……血……。  惨殺された家族の死体。 「みんな……死んだの……?」  異臭を放つ泥濘む血の海と化したテント内で、少女は家族一人一人の頭蓋を探し始めた。 「お父さん……お母さん。サーミ……ライリ……アフタル……」  見つか

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第12話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第11話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第10話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  時刻は夕暮れを越えた一九時。  カフェ&バー、トラオムラントの一階のカウンター席で東雲は紫煙を燻らせていた。 「まだ動かないほうがいいんだけどねえ」  カウンター越しにジェイムズが心配そうな視線を向ける。 「目が醒めたということは身体が機能を取り戻したということだ」 「考え方が野性的やしないかい?」 「僕は腹が減った。何か飯をもらえる

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第11話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第10話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第9話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  蒼く燃え散った亡霊の残骸が残る会議室で、ミクリヤはその正体について語る。 「一九世紀半ばから二〇世紀初頭にかけて人類は急速な技術革新期を迎えました。その中にはトーマス・エジソンの蓄音機や白熱電球の開発、アルベルト・アインシュタインによる相対性理論の発表、キュリー夫妻による放射性元素の研究、グレゴール・ヨハン・メンデルの遺伝に関する研究。数えきれ

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第10話

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第9話

          ※本作の概要については、こちら をご覧ください。 第8話は、こちら へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  人口九十万人を越える都市――風座見市。その風座見市西部に位置する栄都。  風座見市を南東から北の海へ抜ける鴉野川以西はかつては漁業中心の田舎町でしかなかった。しかし、高度経済成長期に港湾施設としての機能を見出されてからは港湾運輸業と工業地帯郡の開発によって、開拓と埋立が急速に進み、今や一地方に収まらぬ港湾都市へと変貌を遂げた。また、六年前に近県で発

          【亡霊殲滅伝奇譚 -ゲシュペンスト-】 第9話