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【読書記録】美術館の楽しみ方・アート思考で自分視点を広げよう!

「13歳からのアート思考」という本を読了しました。以前の読書記録noteにも投稿した原田マハさん著書の「常設展示室」を読んでからすっかり美術にハマってしまい、美術に対する新たな知識を蓄えるために、この一冊を手に取ってみました。

まずは引用を用いて内容を少しだけ紹介します。

「こんな授業が受けたかった! 」
700人超の中高生たちを熱狂させ、
大人たちもいま最優先で受けたい「美術」の授業!!
論理もデータもあてにならない時代…
20世紀アートを代表する6作品で
「アーティストのように考える方法」がわかる! 

いま、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、
「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。

本書は、中高生向けの「美術」の授業をベースに、
- 「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
- 「自分なりの答え」を生み出し、
- それによって「新たな問い」を生み出す
という、いわゆる「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説した一冊。

「自分だけの視点」で物事を見て、
「自分なりの答え」をつくりだす考え方を身につけよう!

ひとことで作品を説明すると、美術作品を見る時に自分のものさしで作品を見ることが重要なこと。そして、その技術は美術鑑賞だけでなく普段の生活で自分なりの考え方を持つことにも繋がるといった内容になってます。

みなさんは、美術館に行くことはありますか。私が直近で訪れた美術館や展覧会は、ニュージーランドにあるオークランド美術館とバンクシーの展覧会です。そのほかにも地元の小さな美術館にもよく行ったりします。

しかし、今までは美術館に行くことで満足していたところがありました。絵の楽しみ方は分からないけど、休日に美術館に来て過ごす自分の姿をインスタのストーリーに上げて満足して帰る。美術館に行く本来の目的を完全に失った若者の代表とも言えそうですよね…。

私の館内での過ごし方といえば、絵を覗き込みながらじっくり鑑賞している人を横目に順路を素早く歩き、気づいたらゴールなんてことがほとんど。

そんな美術館の楽しみ方が分からなかった私でしたが、この本から絵を鑑賞するコツを学び、世界的に有名な絵画作品が長い間称賛を受けてきた理由が少しずつ分かってきたような気がします。

ここからは、本書で書かれている絵画を味わう方法を少しだけ紹介します。

✔️アウトプット鑑賞法

とにかく作品の特徴を掴むためにじっくりと鑑賞することが第一段階です。美術館に訪れると大抵の場合、解説文に目が行きがちです。そのため、鑑賞後に作品の色合いやタッチなどについて質問されても答えられない人が多いようです。まずは些細なことでも良いので、色やイメージ、レイアウトなどを観察してみましょう。

✔️自分視点での物語展開

作品には物語があります。その答えは作者しか分かりませんが、自分なりのストーリーを描きながら鑑賞することで、より深く作品を味わえます。以前のnote記事でも書きましたが「絵画と自分を重ね合わせること」がやはり大切なのかもしれません。

これ以降はネタバレになってしまうので、続きは読んでからのお楽しみということで。


さて、私はこの本を読んでアート思考は演劇にも活用できるとも思いました。読み終わってから私が演劇部で演出を担当していた時期に出会いたかったなと思ったほどです(笑)

私の学校の演劇部は、演出が劇の総括をします。ずっと裏で音響や照明機材を動かしていた私が急遽演出になったのは去年の冬頃。部員一人ひとりが理想とする劇の形はまるで異なっていたので、ひとつの方向性を導こうとした時どうしても前に進めないことが多くありました。

当時の私は演劇経験も浅く、自分の演出力に自信がなかったため、周りの意見にぐるぐる惑わされて具体的な指針が出せませんでした。

自分の指導力不足を実感した上にスケジュール管理や人間関係にも疲労困憊。練習時間を上手に生み出すことができず、自分の昼食時間を返上してまで役者の練習を見ることもありました。

こうなってしまった原因は「自分自身が作品と真正面から向き合えなかったから」だと思っています。膨大な業務量に忙殺されそうになっていたことを言い訳に、自分なりの解釈を完成させることができなかった=自分視点での作品解釈不足が1番大きいです。

最終的な判断を下す立場にいるのに、自分の思い描く劇の全体像がぼんやりとしすぎて、余計に目指すべき場所がわからなくなっていました。

芸術に携わる者として、自分視点の考えを持つことはとても大切だと思います。スポーツ以上に十人十色の価値観や考え方があり、その上に成り立っているものが芸術だと思います。

この本のメインポイントである「自分だけの答えを出す」ということは、絵画の鑑賞だけでなく、他の場面でも必要になってきます。演劇などの他の芸術活動以外にも、日常生活に生きてくることがあるはずです。

YouTubeで中田さんが本書の解説動画を出しているので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

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