一体何を読まされているのだろう… と言うのが読みながら常に付きまとった感想。 まさに全部がグロテスク。 出て来る人達、行動、考え方、起こった出来事…グロテスクな様…
ーらんたんー その灯火を決して消さぬよう絶やさぬよう、その為に必死に生きる。 必死に日本中世界中を駆け回り、その果てには素晴らしき風景がとめどなく拡がって行く。 …
. この心中を、どう表せばこの本の凄さを伝えられるのだろうか。 久々だった角田さんは、やはり私にとっては最高の作家さんだ。 誰も踏み込まないような観点からの問題作…
人の本音を著すのなら、明るい表現より、暗く深淵を這うような表現である方が真実味があるように感じられる。 団地を中心として育まれた仲間内での、それぞれの生き方考え…
時々読むこの書簡体小説は、もう昔の本でしかなかなか見られないのだろうか。 淡々と進む感じと、整頓された文体で読みやすく、とても好きだ。 離婚した元夫婦が昔を振り…
大好きな辻堂さんの大河小説、と言われたらあの名作「十の輪をくぐる」を思い出してしまう。 こちらは親子3世代を綴った、スケール大きいダムに沈む村を巡っての物語。 …
moonmoon
2024年1月21日 09:48
一体何を読まされているのだろう…と言うのが読みながら常に付きまとった感想。まさに全部がグロテスク。出て来る人達、行動、考え方、起こった出来事…グロテスクな様相が、計り知れないほどに溢れかえっている。2段な上に540ページ。1人語りを切々と綴る果てには、何があるのだろう…と最初は我慢の読書だったが、次第に桐野世界に惹き込まれ、囚われの身になったように気分に。グロさや、危ない表現、そ
2024年1月9日 06:30
ーらんたんーその灯火を決して消さぬよう絶やさぬよう、その為に必死に生きる。必死に日本中世界中を駆け回り、その果てには素晴らしき風景がとめどなく拡がって行く。未来の為に。構想5年。果てしなく続く関連資料からもうかがえる、柚木さんが懇親込めた女性大河小説。アッコちゃんシリーズや、女子間の微妙な感情を面白可笑しく描くいつもの柚木さんではない。重く苦しく、ぎっしりと詰まった文字の中には、明
2023年12月30日 19:56
.この心中を、どう表せばこの本の凄さを伝えられるのだろうか。久々だった角田さんは、やはり私にとっては最高の作家さんだ。誰も踏み込まないような観点からの問題作品だった。考えたい事柄が詰まりすぎてる。戦争、パラリンピック、偽善と善悪、コロナ…中でも自分の存在価値。たぶん誰もが思うであろう、行動を起こして失敗のリスクをためらう気持ち。そこを踏み越えることへの価値。自分はどちら側に立
2023年12月14日 18:41
人の本音を著すのなら、明るい表現より、暗く深淵を這うような表現である方が真実味があるように感じられる。団地を中心として育まれた仲間内での、それぞれの生き方考え方を、5編連作で綴る。表面的には分からない人間の本心を、鋭く描く美澄さん。もう容赦なくギリギリまで危ない暗さで走る文体に、美澄さんらしさをくらくらとするほど感じられた。鋭く光る心の声があまりにも切なくて何度も心が引っ張られた。
2023年12月13日 15:25
時々読むこの書簡体小説は、もう昔の本でしかなかなか見られないのだろうか。淡々と進む感じと、整頓された文体で読みやすく、とても好きだ。離婚した元夫婦が昔を振り返りながら、その時その時の真実であったり、心の模様や、相手に対する気持ちなどを著したり、また未来へと続く発展的な方向性も見られて、清々しい作品だった。悲惨な事件や、浮気、殺人など結構な過激さが綴られながらも、手紙という形式であるがゆ
2023年12月12日 09:45
大好きな辻堂さんの大河小説、と言われたらあの名作「十の輪をくぐる」を思い出してしまう。こちらは親子3世代を綴った、スケール大きいダムに沈む村を巡っての物語。世代ごとに章が別れるが、端的過ぎて最初は掴めない感じでもどかしいのだが、この順番でいかないと最後の種明かしみたいなものが生きてこない。さずが、とても考えられた構成。しかし最後の章が中心となるのでボリュームが多く、仕方ないことだが全