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「山ぎは少し明かりて」 辻堂ゆめ 3世代に渡るダムを巡った大河小説


大好きな辻堂さんの大河小説、と言われたらあの名作「十の輪をくぐる」を思い出してしまう。

こちらは親子3世代を綴った、スケール大きいダムに沈む村を巡っての物語。

世代ごとに章が別れるが、端的過ぎて最初は掴めない感じでもどかしいのだが、この順番でいかないと最後の種明かしみたいなものが生きてこない。
さずが、とても考えられた構成。

しかし最後の章が中心となるのでボリュームが多く、仕方ないことだが全体を見通すと、ちょっとバランス的に均等さにかけるところがスキッとしない感が残る。

ラストのラストに意外な真実。
これがわかると最初から読み返したくなる。
辻堂さんには、最後にええっと思わされることが多いのでこれがとても楽しみだ。

タイトルが少し浮き気味。
祖母の好きな歌と、山に囲まれる村を表しているのだが、読み通してみて、あまり効いてこない感が否めない。

しかし大切な思い出にあふれた村に対するふるさと愛が、心にしみじみと染み渡る。
村がなくなる、ダムに沈むことに悶え苦しむ姿が痛々しいし、見事な筆力だった。

☘️辻堂さんはずっと追っている作家さんのひとりです。
絶妙なバランスの心情表現がお見事な作家さんだと思います。
そして社会派現代小説家さんですね。

「十の輪をくぐる」
「トリカゴ」
「いなくなった私へ」
がオススメです✨
ぜひ読んでみてください。

💪筋トレ健康メモ💪
(毎日筋トレ読書家です)
朝頭痛に悩まれてる方、寝る前にスプーン1杯のはちみつを食べて寝ると、睡眠中の低血糖を防ぎ、歯の食いしばりがなくなるので朝頭痛が和らぎます。


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