カフカの日記を読む日記 2(2024年5月31日から6月7日まで)

2024/05/31

 しかしいきなり困った。一人称が難しい。カフカの日記に合わせるなら「ぼく」がいいような気がするけれど、いざ使ってみると「ぼくぅ?ぷぷー」という感覚がつきまとってくる。どうしたものか。


2024/06/01

 ひとまず一人称は「おれ」でいこうと思う。しかし、実を言えば一人称「おれ」に対しても、「おれぇ?ぷぷー」という違和感がある。どうしたものか。どうしようもない。よほど気になるようだったら、状況に応じて一人称を変えていけばいいだろう。いい考えだ。


2024/06/02

 一人称を統一しなかったという理由で警察に捕まることなんてないし、その統一が法律で定められているわけでもないのだから、気分に合わせて一人称を変えても誰にも怒られないはずだ。いや、怒られるだろうか。不安になってきた。怒られたくない。

2024/06/03

 しかしどうだろう。考えようによっては怒られるのもありなのではないか。それをきっかけにして、一人称を統一することができるかもしれないからだ。でもやっぱり怒られたくない。とくにこだわりはないので、どの一人称がいいかやさしく教えてほしい。


2024/06/06

 というわけで、一人称に「おれ」を選んだことに思想的な理由はない。男らしさモリモリでいきたいなら「おれ」っしょ!マチズモ〜!といったような。強いて理由を挙げるとすれば、もっとも馴染みがある、という程度のものだ。おれは「おれ」に馴染んでいる。


2024/06/07

 もちろん馴染んでいるからといって無頓着に使っていいわけではない。そういう透明なものにこそ注意を払う必要がある。すでに誰かがそんなようなことを言っていた気がする。誰だろう。まあこれくらいのことはみんな考えているだろうし、誰が言っててもいいか。

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