カフカの日記を読む日記 6(2024年6月28日から7月5日)
2024/06/28
そもそも、列車が通過するたびに見物人たちが立ちすくむとはどういった状況なのだろう。見物人たちは何を見にきているのか。列車か、それともちがう何かか。
2024/06/29
列車だとして、どうして見にきたそれを前にして立ちすくむのだろうか。
列車なるものがあるらしいとどこかで聞いたが、じっさいにそれを見たことはなく、いざ目の当たりにして、「はっや!」と感じて立ちすくむ。そういうことなのだろうか。
2024/07/01
それとも、見物人たちは列車ではない何かに対して立ちすくんでいるのだろうか。もしそうだとしたら、それはなんだろう。
列車に知り合いが乗っていたのかもしれない。しかも、見物人たちは立ちすくんでいるから、列車には見物人たちに恐怖を抱かせる人物が乗っていた可能性が高い。
2024/07/02
見物人たちに恐怖を抱かせる人物。たとえば、見物人たちの上司だろうか。同僚みなの恐怖の対象であるクソ上司。その可能性はおおいにあるだろう。となると、見物人たちの関係は同じ会社の同僚ということになる。
業務の合間に同僚たちは、それとなく誘い合わせて列車を見にきたのだ。
2024/07/03から07/05
同僚たちの性別は何でもいいが、ここはカフカの性別に照らして、男同士ということにしておこう。
A「あのさー、ちょっといい?」
B「おー、なになに?」
A「今日って空いてたりする?」
B「仕事終わりってこと?」
A「そう、仕事終わり」
B「え?それってもしかして、空いてるって言ったら誘われるやつ?」
A「いーや?」
B「ぜったい誘われるやつやん!」
A「そうだよ!誘おうと思ってたよ!」
B「あぶねー、空いてるって言うこところだった」
A「なんだよ、そんなにおれと遊びたくないのかよ」
B「ごめんごめん。空いてるよ」
A「空いてるなら最初からそう言えよ」
B「だからごめんって。で、ちなみに何する感じ?」
A「列車でも見に行こうかなって」
B「おー、やるやん」
こうして列車を見に行ったはいいものの、列車には上司が乗っており、それが通過するたび同僚AとBは立ちすくんでしまうのである。
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