晃介

スタントマン、斬られ役、CMナレーション他洋画・アニメの声の吹き替え、Vシネマ・テレビ…

晃介

スタントマン、斬られ役、CMナレーション他洋画・アニメの声の吹き替え、Vシネマ・テレビドラマにちょこちょこ出演、舞台活動などを経て今は介護業界で「ザ・行動援護人」として障がいを持つ人の行動を助ける日々を送っています。富田晃介どうぞよろしく。

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この男…富田晃介

子供の頃からテレビや映画で見ていた「やられ役」ってやつにあこがれて、18の頃、ひょんなことから京都の東映撮影所に潜り込み、数年の間、ヤクザ映画やテレビの時代劇などでスタントマンや殴られ役・殺され役・斬られ役をやっていた。 やがて上京し、今度は演劇活動をしているうちに何故か声の仕事の世界に足を踏み入れる。CMナレーションを中心に、それほど多くはないがアニメや洋画の声の吹き替え、当時多数作られていたVシネマ、テレビドラマなどにもちょこちょこと顔を出している。 アニメではわずか

    • ある朝のショックストーリー『言葉というものはもはや使えないシロモノなのか??』

      ある朝のショックストーリー『言葉というものはもはや使えないシロモノなのか??』 先日、思いもよらぬショックなことがあった。仕事に向かうためにいつものバス停でいつものバスを待っていた時のことだ。 2~3分遅れてやって来たバスはけっこう混んでいた。 ギュウギュウ詰めでこれ以上乗せるのは無理…という場合、たとえ停留所でお客が待っていても運転手の判断でスルーされてしまうことはままある。オレもそれで乗車出来なかったことが過去2回ほどあった。 それもショックな話ではあったが、今回

      • ポエティックストーリー『コーヒーを飲むなら』

          《コーヒーを飲むなら》 大好きなコーヒーを飲むなら、 のどかで優しい空気の中で…。 やわらかい木漏れ陽が降り注ぐ、 昼下がりのカフェ。 テーブルは丸い方がいい。 腕時計もケータイも、 ポケットにしまっておこう。 最初は熱かった一杯のコーヒーが、 少しずつ減り、ゆっくりと冷めてゆく。 ここでは、それが時計代わり。 新聞を読むか、文庫本を読むか…。 背もたれに体を預け、足など組んで、 ちょっとカッコウをつけるのもいい。 誰かの視線を感じたら、 勇気を出して微笑み返

        • ショートストーリー『すべての痛みが消える時』

              《すべての痛みが消える時》 さァ、明日も素晴らしい日になるゾ…と男はほぼいつもの時間に眠りについた。そして、どれくらいの時間が経った頃だろうか、 「ぅおおおおーーーーー!!」 突然の足の痛みで男は叫びながら目を覚ました。 こむら返りだ。すぐにわかった。右足のふくらはぎで激痛が爆発している。そう、爆発なのだ。今までだって寝ている時にそのように足がつり、痛い思いをした経験はある。それだってものすごく痛かった。しかし何とか足の親指を引っぱって痛みを止めることが出来て

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          モーニングストーリー『今日の朝』

           モーニングストーリー『今日の朝』 最近付け替えたばかりの カーテンを開けた。 窓も開けた。 曇りだけれど、 やけに爽やかな朝だ。 何となく、今日は素晴らしい 日になると感じた。 不思議な感覚の中で目が覚めた。 多分夢を見ていたのだ。 まだその夢の続きを見たいと 抵抗するが、 夢の記憶は次第に消え失せてゆき、 脈絡のない断片だけが脳裏に残る。 それでもそれを頼りに 何とかさっきの夢の世界に 戻りたいと願う。 しかしやっぱり夢のかけらたちは どんどん小さくなってゆく。 S

          モーニングストーリー『今日の朝』

          ポエティックストーリー『ノーメイクハートを抱きしめて』

           ノーメイクハートを抱きしめて 顔を見たとたん、 まるで映画のワンシーンのように、 ボクの胸に飛び込んで泣き出したキミ。 その髪の甘い香りに ボクの心はとろけそう。 不思議だねこんな時、 行き交う人の目、気にならないね。 思わずキミを涙ごと、 ギュッと抱きしめてしまったよ。 ノーメイクなんだね、キミのハートは。 ピュアなハートで攻められたら、 ボクなんかイチコロさ。 さァ、泣きくたびれて涙が涸れたら、 今度はキミの微笑みに触らせて。  恋は季節の風の如く 気がつけ

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          ショートストーリー『深夜の不定期便〜Love Again〜』

          これはケータイがまだなかった頃のお話。 今ではまず有り得ない話…かな。 《深夜の不定期便~ Love Again ~》 2年つき合っていた彼女と別れて、 もうすぐ1年になる。 その彼女からの電話 “深夜の不定期便” は、 半年ほど前から始まった。 別れた彼女からの電話 “深夜の不定期便” … 最初は、1本の「間違い電話」だった。 ☎ベル3回 「はい、もしもし…」 「………」 「…もしもし?」 「…も、…もしもし…」 「はい」 「…あ、あれ?」 「え?」 「………」

          ショートストーリー『深夜の不定期便〜Love Again〜』

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…3

             《愛と公平の京旅行》…3 ⑩*東映太秦映画村 助監督「はァーい、本番!      皆さんしばらくの間お静かに     お願いしまーす!」 監督 「ヨォイ!…スタァートッ!」 カチンコの音が響き、ある屋敷の塀沿いの 道を美しい娘が駆けて来る。どうやら数人 のヤクザ風の男たちに追われている様子。 とそこへ、一人の若侍が通りかかる。 娘  「あっ、お侍様、お助けください」 ヤクザ「て、てめエ!     じゃまだてしやがるとタダじゃ     おかねエぞ!」 侍  「ほう

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…3

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…2

             《愛と公平の京旅行》…2 ⑤*哲学の道 愛 「な~んかここロマンチックぅ。    …哲学の道? 京都っていいとこ     いっぱいあんのねー」 公平「ああ、ここは女の人が一人物思いに    耽って歩いてる…なんてのが絵に    なる場所だね」 愛 「………」 公平「…? どしたの? 急に黙っちゃって」 愛 「ふふ、あたし…絵になる?」 公平「…うん、どっちかっつーと…漫画」 愛 「んもォ! どーせあたしはギャグ    キャラですよーだ! プリプリ!」 公平「(笑)ご

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…2

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…1

          いつもより長めのストーリーになったので、 今回は全3回に分けて公開しますね。    《愛と公平の京旅行》…1 ①*嵐山・渡月橋 公平「上流がね、川下りで有名な保津川。    で、この橋の辺りが大堰川。    その下流からは桂川っていうふうに、    名前が変わるんだよ、この川」 愛 「ウソッ、ホントに?!」 公平「そ。あとねー、恋人同士が京都旅行をして    この渡月橋を渡ると、そのカップルは必ず    別れるっていうウワサがあるんだ」 愛 「へえ、そうなんだ。へーえ…

          京都ストーリー『愛と公平の京旅行』…1

          カフェストーリー『光の中の君』

             《光の中の君》 いつものコーヒーショップ。 表の歩道には、 眩し過ぎるほどの夏の陽射しが降り注ぎ…。 君は、 そのほとんど真っ白に近い光の中で、 ガラス越しにこちらを覗き込んでいる。 こんなに近くにいるのに、 なかなか見つけられないようだ。 眉を八の字にして、 ベソをかいたような顔。 そこのドアから入ってくれば、 すぐに笑顔になれるのに。 でも、 そんな君がとても可愛い。 もう少しこうして見ているのもいいな。 あ、 ようやく気づいたのか、 君の瞳が輝いた

          カフェストーリー『光の中の君』

          コーヒーストーリー『いつもの人』

            《いつもの人・その1》 うん、やっぱりね…、 コーヒーショップには、 女の子がいる方がいい。 その方が、 コーヒーもグッとおいしくなる。 別にナンパしようとか そういうんじゃないんだ。 いるだけでいい。そこにね。 ボクがいつも行く店にも、 カワイイ子がいる。 小学校の時の初恋の人に、 ちょっと雰囲気が似ていて、 清潔感のあるいいコなんだ。 しょっちゅう行ってれば 当たり前かも知れないけれど、 「コーヒー」って注文すると、 いつの頃からか、 ちゃんといつものや

          コーヒーストーリー『いつもの人』

          思い出ストーリー『真田広之という男』

              《真田広之という男》 あれはオレが京都から上京して間もない頃だから、1980年頃のことだったろうか…。日付までは覚えていない。ある日の午後。東京・山手線新大久保駅ホームでのことだ。 オレはたしか外回り電車のドア脇に立っていた。そして客の乗降が終わり発車のベルが鳴りだしたその時だった。 突然ホームのほうから「あっ、富田さん!!」という声が聞こえて来た。フッとそちらを見て「おーっ、ヒロくん!!」とオレも思わず声を発していた。しかしすぐにドアが閉まり無情にも電車はホー

          思い出ストーリー『真田広之という男』

          ショートストーリー『時間(とき)の流れに身をゆだね…』

            《 時間(とき)の流れに身をゆだね… 》 カフェ、 コーヒーショップ、 喫茶店にティールーム…。 呼び方はいろいろ。 お気に入りの店で、 私はいつもコーヒーを飲む。 私にとってそこは、 ただお茶を飲むだけの場所ではない。 そこは、“時間(とき)を過ごす”場所。 静かに…。にぎやかに…。 これもいろいろ。 どんな雰囲気であれ、 そこが“自然”であればいい。 その店独特の空気が、 何者にも邪魔されず、 何事にも惑わされず、 時間(とき)がゆっくりと流れる。 その

          ショートストーリー『時間(とき)の流れに身をゆだね…』

          ショートストーリー『海辺のコーヒーショップから』

            《海辺のコーヒーショップから》 もしもし… ハイビスカスの花が、 第一号が咲いたから、電話してみたんだ。 キミにもらったハイビスカスだから。 …何かきっかけがないとサ、 電話出来なくて…。 ねえ、 最近、月がまん丸いの、知ってる? きれいだったよ夕べ、とっても。 ベランダから部屋に光が射し込むんだ。 月の優しい光に包まれて眠るのは、 とても気持ちがいいんだよ。 ボクのケンタッキーカーネルはどう? 持ち直しそうかい? 今、キミの町に来てるんだよ。 何となく…

          ショートストーリー『海辺のコーヒーショップから』

          ショートストーリー『男と女 〜ある午後の物語〜』

            《男と女 〜ある午後の物語〜》 客もまばらな昼下がりのカフェ… ボクはいつものように ノースモーキングテーブルで、 原稿用紙に向かっている。 しかし、手にしたペンは一向に進まず、 体はお昼前に起きたけど、 思考機能の方はまだ眠っているようだ。 (ああ、締め切りが近いというのに…) アイデアのかわりに出て来るのは、 煮ても焼いても食えないタメ息ばかり。 コーヒーの表面からまっすぐに立ち上る湯気に、 そのタメ息がぶつかり、湯気の流れが乱れた。 その時、 テーブ

          ショートストーリー『男と女 〜ある午後の物語〜』