ガブリエル・夏 7 「ぺってん」
「あっちじゃないかな。」
レイは、頭の上にあげた右手で左の方を指差して、まみもには全然聞こえそうにない小さな声でつぶやいた。まみもは、まだ熱と汗を吹き出して、ズーヒーいっている。うなずいて、レイの右手の指している方向へ向いてから動くのをやめた。
レイは、特に日本から来たばかりの駐在員の子供などから、変わってるとか、常識がないとか言われる。言われないにしても、そういう顔で見られる。そこに込められる親しみと蔑みの割合は、その子供と、大抵はその子供の親が何を見て生きているかに