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ガブリエル・夏

38
15歳娘の同級生と45歳主婦の夏休みの思い出の話。
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記事一覧

ガブリエル・夏 38  「ホケンジョ」

2本のスキーで、もう1人の2本のスキーを挟んで、縦にドッキングして滑ってみた。お父さんが、…

TomAmFr
1年前

ガブリエル・夏 37  「ハムスター」

「どうする、どうする、どうする、どうする?」 リフト降り場はあと5メートル先で、レイとま…

TomAmFr
2年前

ガブリエル・夏 36 「ポケット」

ガガガジャン。12/18を過ぎた。 「さっきぼくがあんまり喋らなかった時、まみもちゃんちょっ…

TomAmFr
2年前

ガブリエル・夏 35 「うみも」

山の上の方にあった大きな岩が、土砂崩れか、巨人に蹴られたか何かして、坂を転げ落ちていくう…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 34 「モミの木の林」

2人は、さっきと同じリフトに乗っている。レイの右脚はまみもの左脚の上だ。席が自由の教室で…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 33 「フォン・デル・パピールとプレッツェル」

4本のスキー板のついた脚をバラバラに、元あったように2本ずつの組に戻した。その辺の雪で、…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 32 「4本脚」

ガタン。またポールのところを通り越して、2人の乗ってるリフトが少し揺れた。ポールについてた表示は4/18。長いリフトなんだな。 まみものバッグから、ハリボのカモの一団が取り出され、十数羽がまみもの手のひらに残り、残りのものはバッグに戻された。外した手袋が落ちないようにしつつ、カモの入った手で一方を押さえながらファスナーを閉めるのは難しく、手のひらの角度が変わった時に、数羽のカモが落下していった。「ああ〜。ごめん〜。」 落ちていくカモたちは、大丈夫〜とも、なんで落とすのよ〜と

ガブリエル・夏 31 「笑わない」

「ガブリエルくん、これはいいホリデーになりそうですね。」 「うん。」 「山田くんと雪ちゃん…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 30 「山田くん」

ショルツ似の運転手が、まみもの質問に、親切に英語を絞り出しながら答えている。 「3時、4時…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 29 「空中人クラブ」

「山だねえ。」 「山だねー。」 レイとまみもは、あっちの窓、こっちの窓から外を見ている。…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 28 「魂ナビゲーター」

2人の魂ナビゲーターに従うと、移動中のヤギの団体に囲まれてメーと言われたり、ニョキっと伸…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 27 「ブタウサギ」

「美味しい〜〜。」 もう他に誰もいなくなった駅のホームで、レイが、鼻と鼻の下をよく動かし…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 26 「到着」

窓の外で、続いていく山と、麓の方にたまに出てくる人々の暮らしを眺めていると、興奮してるけ…

TomAmFr
2年前
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ガブリエル・夏 25 「呼び出し音」

風とともに入ってきた、夢か幻か現実か、もうよくわからないトレインに乗り込む。 メーテルが通路を歩いてくるかもしれないし、ジョヴァンニとカムパネルラが座っているかもしれない。メーテルは歩いて来ない。車掌の顔は、光る目だけでなく、肌があって、普通の人と同じパーツが付いている。ジョヴァンニはひょっとしたらいるかもしれないけど、びちょぬれのカムパネルラらしき男の子はいない。 ハンバーガーを食べ終わったレイが、手を拭き、携帯を見る。何か新しいのが届いてるようで、ちょっと読んでから、ポ