野良猫と私
私は人間
目の前の野良猫に餌を与えている
可愛そうに
お腹を空かせて鳴いていた
人間に生まれた私
そして
野良猫に生まれたお前
お気に入りの服を着て
ご飯をお腹一杯食べて
好きな音楽を聴いて
何不自由無く暮らしている私と
お腹を空かせ
道ばたで鳴いているお前
時には心無い人間に石を投げられ
冬の冷たい雨に震え
短い生涯を終えるお前
朝早くから夜遅くまで働き
下げたくもない頭を下げ
生きるために命を削る私
誰からも束縛されず
自分の意思で行動し
自由に野原を駆け回るお前
野良猫が
私が与えた餌を食べながら私を見た
人間って
可愛そうに
そう言っているように思えた
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