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歌詞と物語を書いています。 どうぞよろしくお願いします。

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    なんとなくそれって?って感じるものをつれづれに

最近の記事

天国へようこそ

執事「おめでとうございます。あなたお亡くなりになりました」 男「死んだのにおめでとうはないだろう」 執事「でもあなた天国への切符を手にしたんですよ」 男「でも俺は殺されたんだぜ。仕返ししないと死んでも死にきれないよ」 執事「仕返しは天国でなさればいい」 男「でもあいつは生きてるし死んでも天国へは来れないだろう」 執事「あの男も今死にました。それに彼も天国への切符を手にしています」 男「何で人殺しが天国へ行けるんだよ」 執事「それは私の口からはとても・・・」

    • 思い出特急

      本日は現実発、楽園行き 思い出特急にご乗車頂き 誠にありがとうございます この列車は フタサンマルマル時に 現実駅を出発し 翌マルロクマルマル時に 楽園駅に到着予定です 途中、現実駅より順に 夏休み アサガオ 麦わら帽子 虫取り 絵日記 夕立 スイカの各駅に停車致します 各駅の停車時間は お客様それぞれの 思い入れの深さにより 変わります事を ご承知おき下さい それではつかの間の時間旅行を お楽しみ下さい お見送りの方は 白線の

      • 記念写真

        「ここで二人で写真を撮ろう」 僕がそう言った時 君は少し驚いた顔をしたね 写真嫌いで通してきた 僕だったから きっと驚いたんだね 君のスマホに僕の写真が 残るのを恐れたから でも今日で そんな心配もいらない 綺麗な景色をバックに 二人並んで 僕がいつもそうしてきたように 最後に一枚だけ写真を撮ろう 君と僕との記念写真を さあ笑って 君が静かに眠るための 深い深い穴も もう掘ってあるから

        • 子供「お父さん、虫がいたよ」   父親「どんな虫だい?」 子供「黒くて大っきい虫」 父親「そうか、良かったね。お父さん忙しいから遊んでて」 子供「でもとっても大きいよ」 父親「クワガタ、それともカブト虫?」 子供「ううん、違うよ」 父親「資料から目を離せないんだ。言葉で説明してくれないか。どんな虫なんだい?」 子供「とっても凶暴そうな虫だよ」 父親「クワガタより?」 子供「もっと恐い顔してるよ」 父親「大きさは何センチくらい?」

        天国へようこそ

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        記事

          神隠し

          子供たちの姿を見たのは あの日が最後だった 休日に妻の手作りの弁当を持って 山登りに出掛けた あんなにいい天気だったのに 急に雨雲が広がり 大きな雨粒が落ち始めた 向こうに山小屋が見えた 私は子供たちと その小屋を目指した 私は先頭を走っていた 少し走って後ろを振り返る 子供たちは 私のすぐ後ろを走っていた また少し走って振り返る そこに 子供たちの姿はなかった 私は立ち止まり 辺りを見回した 遮るものは何もない なだらかな草原が広がっ

          神隠し

          迷子

          どなたか 私の子を見ませんでした? ちょっと目を離した隙に いなくなってしまって でも すぐに見つかるでしょう えっ、特徴ですか? 特にこれと言って無いのですが 角が二本で目が三つ ごく普通の子供です こんな所で 何をしていたのかって? 狩りですよ狩り、普通の 人間狩り

          惑星ホンニ直角商店

          店主「いらっしゃい!」 客「あのう、これ下さい」 店主「うん? あんたどこの星の人?」 客「・・・実は惑星オロシャです」 店主「惑星ライナに侵攻して虐殺を続けているあのオロシャ?」 客「はい。でも私は戦争には反対なんです。だから反戦デモにも参加しています」 店主「こんな遠くの星でデモに参加したって何にもならないよ。反戦を叫ぶんだったら自分の星に帰ってからやるんだな」 客「そんな事したら拘束されてしまいますよ。とにかくこれ下さい」 店主「駄目だ駄目だ。オロシャの

          惑星ホンニ直角商店

          お前が何処に逃げても 必ずお前を探し出し お前とお前に関わる すべての人間を抹殺してやる 日の当たらない暗がりで 息を潜めて待っていろ その日は近い もうすぐ 馬鹿な餓鬼どもが 私を封じ込めた この忌々しいお札を 剥しにやって来るから さあ 私はここだ 早くここへ来て それを剥がせ 私を解き放ってくれた礼に 苦しまずに死なせてやるから そうだ もっと近付け そしてその札を剥ぐのだ 私はここで 千年もその時を 待ち続けているのだから

          解毒剤

          女「はい、目を瞑って」 男「な、何だよ?」 女「いいから、早く。目を瞑ったままでアーンして」 男「何か怖いな。アーン」 女「はい、よく噛んで食べてね」 男「痛っ! 何だ、これ?」 女「あら、刺されたの? それ蠍よ」 男「なんて事するんだよ。あー痺れてきた。俺死ぬのか?」 女「大丈夫よ、解毒剤あるから」 男「早く解毒剤をくれ!」 女「そんなに慌てなくても大丈夫よ。はい、解毒剤。それ飲んだらまた目を瞑って」 男「いやだよ、また何か食べさせるつもりだろ」 女

          解毒剤

          嫁の鑑

          お義父さん、お義母さん ゆっくりお眠り下さい お二人には本当に感謝しています 私のような女を 大切な一人息子の嫁として 認めて下さった上に こんなに立派な家まで 残して下さり 本当にありがとうございます 私はこの家で 春彦さんと幸せに暮らします そして 春彦さんが産まれたこの家で 子供たちを育てます お墓参りにも行きます 仏壇の花も欠かせません 腰痛や肩こりから開放され お二人で静かな時を お過ごし下さい どうしてもこの家に 住みたかっ

          嫁の鑑

          暗殺指令

          今回の君の使命は 数人の独裁者を暗殺する事だ 〇〇国のポーチン 〇〇共和国のキンちゃん 北〇〇のジョン君 そして 主婦の〇子 えっ? ああ、うちのかみさんだ 独裁が過ぎるもんでな 最初の三人は失敗してもいいが ○子だけは確実に頼む もし失敗したら 報復が恐いからな 例によって 君もしくは君の仲間が 捕らえられ くすぐりの刑にあおうとも 当局は一切関知しないので そのつもりで では幸運を祈る

          暗殺指令

          地球侵略

          地球侵略の準備は整った 我軍の兵士を この星のいたる所に配置し 我々はその時を待った もはや人間たちに逃げ場はない あとは司令官の私が ゴーサインを出すだけ そしてその時は来た 「兵士たちよ立ち上がれ。この星を征服するのだ!」 私は全軍に号令を発した 「・・・」 だが誰からも返事はない その後も私は 何度も呼びかけたが 結局誰からも返事はなかった やはり 地球侵略は 猫には無理だった ウニャ?

          地球侵略

          マスク事情

          警察官「おい、そこの君。マスクは顎じゃなくて鼻と口を覆いなさい」 クチアゴ星人「僕はクチアゴ星人ですからマスクは顎にするのが決まりなんです」 警察官「ああ、そうか。あっ、そこのお嬢さん。マスクは目じゃなくて鼻と口を覆いなさいね」 メガクチ星人「私たちメガクチ星人は目で呼吸するからマスクは目にするのが決まりなんです」 警察官「そうか、分かった。ってこらこら信号は赤だよ。危ないからマスクを外しなさい」 メガクチ星人「はーい」 警察官「やれやれ、宇宙オリンピックもいいけ

          マスク事情

          面接

          A「この前の面接どうだった?」 B「だめだった」 A「何の面接だったの?」 B「お化け屋敷のお化けのバイト」 A「えーっ、何で」 B「怖さが足りないんだって」 A「へえ、そうなの」 B「自信失くしたよ」 A「本物のお化けなのにね」 B「人間界で働くの止めようかな」 A「そだねー」

          なんて可愛いんだ 服のセンスもいいし 声だって可愛い 僕はひと目で恋に堕ちた えっ、 相手の女性? よくわからないんだ マスクがとても可愛いくて 防護服のセンスもいい 声だけは僕の好みの声さ 顔はよく見えないし 年齢もわからない コロナ禍の恋なんて こんなもんさ

          嘘つきは誰だ

          A「私がナイフで刺した時には被害者はすでに死んでいたんです」 B「俺がロープで首を絞める前に被害者は死んでいたんだ」 C「僕が毒薬を注射する前に被害者は死んでいました」 D「おらは皆がナイフで刺したり首を絞めたり毒薬を注射したりする前に被害者を銃で撃ったりしてないずら」 名探偵「この中の一人だけが嘘をついている。嘘をついているのは・・・うーん判らん」 一同「ガクッ」

          嘘つきは誰だ