虫
子供「お父さん、虫がいたよ」
父親「どんな虫だい?」
子供「黒くて大っきい虫」
父親「そうか、良かったね。お父さん忙しいから遊んでて」
子供「でもとっても大きいよ」
父親「クワガタ、それともカブト虫?」
子供「ううん、違うよ」
父親「資料から目を離せないんだ。言葉で説明してくれないか。どんな虫なんだい?」
子供「とっても凶暴そうな虫だよ」
父親「クワガタより?」
子供「もっと恐い顔してるよ」
父親「大きさは何センチくらい?」
子供「一番ちっちゃいので5センチくらい」
父親「ちっちゃいので5センチか、結構大っきいね。何匹もいるの?」
子供「たくさんいるよ」
父親「急いで書類を作って送らなくちゃいけないんだ。噛まれないように気を付けて遊ぶんだよ」
子供「あの顔見たら遊べないよ。あっ、こっちに来る」
父親「もうすぐ終わるからね。それでその虫、大っきいのはどれくらい?」
子供「2メートルかな? あっ、もっと大っきいのがいた」
父親「2メートルって、すぐに逃げなさい」
子供「お父さんは逃げないの?」
父親「もうちょっとで終わるから」
子供「すぐそこまで来てるよ」
父親「この資料をメールで送ったらすぐに逃げるから」
子供「わかった、僕先に逃げるよ」
父親「よーし、やっと出来た。はい、メール送信○×△■グエ」
虫「ギュギュギュギューッ(仕事もほどほどに)」
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