天国へようこそ
執事「おめでとうございます。あなたお亡くなりになりました」
男「死んだのにおめでとうはないだろう」
執事「でもあなた天国への切符を手にしたんですよ」
男「でも俺は殺されたんだぜ。仕返ししないと死んでも死にきれないよ」
執事「仕返しは天国でなさればいい」
男「でもあいつは生きてるし死んでも天国へは来れないだろう」
執事「あの男も今死にました。それに彼も天国への切符を手にしています」
男「何で人殺しが天国へ行けるんだよ」
執事「それは私の口からはとても・・・」
男「何だよ。言ってみろよ」
執事「それじゃあ、言わせて貰います。殺された者はどんな悪人でも天国へ行けるんです」
男「奴は誰に殺されたんだ?」
執事「私の話をよく聞いて下さい。彼はだれからも殺されてはいません。当然の権利として天国への切符を手にしたのです」
男「じやあ奴は何で死んだんだ?」
執事「あなたを殺した後に食べたフグに当たったんです」
男「じゃあ奴は何で人を殺したのに天国へ行けるんだ」
執事「それは殺したのがあなただからです。極悪人のあなたを殺したから天国へ行けるんです」
男「俺は誰も殺しちゃいないぜ。ああ、もう面倒くさい。早く天国へ送ってくれ。あいつに仕返ししないと」
執事「仕返しされないようにお気をつけ下さい」
男「俺は殺されたんだぜ。それなのになぜ仕返しされるんだ?」
執事「あなたは誰も直接は殺していない。だがあなたに苦しめられて自殺した者が天国にはたくさんいますから、せいぜいご用心を」
男「天国で殺されたらどうなるんだ?」
執事「地獄行きです。それではこちらです。天国へようこそ」
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