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はじまりの日

晴れた様な曇った様な昼下がり。
私は窓から見える空を見ながら日記調の小説を片手にHaRUと出逢った日を思い出していた。

知人の紹介の様な出逢いだったものの、私は文字や声の雰囲気だけでも出逢う前からどこか惹かれていたのだと思う。
彼女とデートできるならと、実はインドアだった私がやったこともないアウトドアスポーツであるサーフィンに誘った。(いまやハマってしまっているが、、)

当日は少し背伸びをして、車でお迎えをしちょっと遅れたささやかな誕生日プレゼントを渡した。
本当に嬉しそうな顔で、思った以上に喜んでくれて、やっぱり素敵な人だと感じたのと同時に、ふたりのデートに緊張し始めたのを今でも覚えている。

ドライブ中の車内は驚くほどに会話が進み、おそらく2時間くらいはしたであろう道中もあっという間に進んだ。

いよいよ緊張のサーフィンは、サンダルを忘れてしまうという失態を犯したおかげでおそろいのギョサンを手に入れて少し心が躍った。
スクールでははじめてで立つことができて褒められたことで、少しだけ調子に乗り、これで残念がられないと少しだけホッとした。

自分から誘った温泉は、気になっている人にすべてを見られてしまうどきどきと、見てしまうどきどきとであまり覚えていないが、昔よく来ていた温泉が小さく感じたことと、空いてるお風呂で彼女が少年の様に泳いでいたことだけは覚えている。

温泉を堪能した後は、運動後のお風呂と食事は最高だねなんて言いながら、天丼とカツカレーを堪能した。
今思えばお互い少食だったのに、お互いを食べる人だと思い込んでカッコつけて全部食べ切ったのは笑い話。

私たちはこの夜付き合い始める。
全てがジェットコースターよりもスピーディーだった。

ここだけの話、自分から想った人に自分からデートの誘いをし、自分から(カマをかける形ではあったが)想いを伝えた相手がHaRUだ。

今でも想う。きっとこれが私の初恋なんだって。
それくらい、1年と4ヶ月が過ぎた今でも毎日HaRUを想って一喜一憂し、どきどきを与えてもらっている。

それでも忘れてはいけないと思うのが、今までの恋人たちに教わった愛し方が、私にもまだ残っていて、その恩を返すかの様にHaRUに愛を注いでいるということ。

実はそれをすごく痛感した出来事がここ数日であって、あぁ、私でも人を愛せるんだと想った。それと同時に、私はきちんと彼女を愛せているだろうかと思った。
その愛し方は正解かなんてわからないけれど、これからも自分なりの愛を、そして彼女にとっての愛を模索しながら、思う存分注いでいきたい。

正反対で不器用な私たちの、新たなはじまりの日は、今日だったりするのかもしれない。

これからも一緒に生きていってください。

初日の唯一の写真(私のインスタストーリーから)

HiME
同性カップルだって、フツウの恋をしてるでしょ?

それでも尚、病院に付き添ってもただの友人、要するに他人としてしか認めてもらえず、常に不安と隣り合わせで、どうしても世の中にはフウフとして認めてもらえないこの状況下。海外に移住してまで結婚するのか、諦めて養子に入るのか、私たちはいったい、どこに進んでいけば良いのだろう。

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