TOKYO日和

HiMEHaRU同性カップルの日常の物語

TOKYO日和

HiMEHaRU同性カップルの日常の物語

最近の記事

  • 固定された記事

TOKYO日和

プロローグここは、東京にあるとあるシェアハウスの一室。 ここで、同棲している、同性カップルの話。 このシェアハウスでは、まるで私たちが同性同士だなんてことは忘れてしまうかのように、当たり前のようにカップルとして認められ、生活している。 嬉しいことを喜び合い、悲しいことは寄り添って。 ひとりでできないことはふたりで。ふたりでできないことは一緒に暮らすみんなで。 奇跡みたいな、でも本来当たり前のような環境で暮らしている私たちカップルの日常を日記にして、ここに書き留めていきた

    • 秋の夜長に2人で開けるワイン

      世界が冷たい風を運んできた今日この頃。 仕事を終えて、日付を超えるちょっと前に家に着く。巡る、慌ただしい日常の中で毎日楽しみにしてる時間がやってくる。 「美味しいワインが飲みたい」 最近HaRUはワインにハマっている。 初めて好きになったワインは、HiMEが大好なカベルネソーヴィニヨンのフルボディの赤ワイン。深みのある色合いとしっかりとしたタンニンが特徴で、重厚で飲みごたえのあるワインだ。 一緒に買い物に行く度に美味しいワインを求めて色々買ってみている。 ワインの知識

      • 戦う覚悟が揺らいでしまった日

        私(HiME)には、今後も人生をともに過ごしていきたいと想えるパートナー(HaRU)がいる。 けれど、そんなことを表立って言えるほど、私はまだ完成していないんだと思う。 今の私はまだ未完成だ。なにもかも。 世間一般からみた「自立」からも、まだ程遠いところにいると思う。 なぜそう感じたかといえば、「近い将来、私は彼女とパートナーシップを結ぼうと思っている。」そう親に伝えたことがきっかけだ。 返ってきた言葉は、(やっぱりなのかそうでなかったのかは処理しきれていないが)否定的

        • 「好き」ってなんだろう?

          皆が寝静まった午前1時。今宵も幸せを実感するために言葉を紡ごうと思う。 「好き」ってなんだろう? 今日は、ご縁あって、ポリーラウンジと言うポリアモリーに興味がある人の交流会に参加した。無人島で出会った仲間が主催してくれたイベントだ。 ポリアモリーというのは、「関係者全員の合意を得て、複数のパートナーとの間で恋愛関係をもつこと」を指すそうだ。 参加者がそれぞれ話したいテーマを紙に書いて1つを選んで皆で話し合った。 『好きから、恋人になる意味とは?』 今回選ばれたテーマだ

        • 固定された記事

          強くなりたい、とそっと願った日

          今日は縁あって、ふたりでHaRUの昔住んでいた地へ赴いてデートしたあと、共通の友達であるシンガーソングライターの10周年ライブにお邪魔してきた。 素敵な歌と、温かい仲間やファンの方々に包まれていたライブだった。 けれど、数々の歌や表現の中にあるダイレクトな詞や人の多さに、私(HiME)は体調を崩してしまった。 私は実は、ひとよりもちょっぴり心が弱い。 しばらく起こっていなかったのに、最近再び、人混みだったり苦手なシチュエーションでパニック発作を良く起こしてしまうようにな

          強くなりたい、とそっと願った日

          なんでもない日の、特別な夜

          今日も私は夜道を歩いていた。 時折訪れる、仕事終わりのHaRUのお迎えイベントのために。 この迎えに行く時間、私はいつも少し浮き足立っている。 もうすぐ会えるなと思いながら、送られてきた到着予想時間より少し早く着くようにちょっとだけ急ぎ足で歩く。 時には2本の缶ビールを持って。 帰りにふたりで並んで飲み歩くか、近くの河原で少しお話をしながらお酒を嗜んだりするために。 到着予想時間ぴったりに、人ごみに紛れて待ち侘びたその姿は現れて、 人の目なんか気にせずにハグをする。 こ

          なんでもない日の、特別な夜

          特別は普遍的な形をした幸せだ

          東京の片隅。ここには無人島に行ったことがある人だけが暮らせる、愉快なシェアハウスがある。そこで自分たちは毎日幸せに暮らしてる。 最近、お部屋の模様替えをした。二人で腰掛けられるソファを導入したんだ。二人でレイアウト考えてる瞬間はワクワクしたなぁ。シェアハウスはいつかは旅立つ場所だから、新しく購入したものは全てキャンプでも使えるものにした。なかなかいい感じになったんじゃないかな。 今は二人で座れるソファでゆっくり日記を描いている。 シェアハウスでは「おはよう」から「おやすみ

          特別は普遍的な形をした幸せだ

          はじまりの日

          晴れた様な曇った様な昼下がり。 私は窓から見える空を見ながら日記調の小説を片手にHaRUと出逢った日を思い出していた。 知人の紹介の様な出逢いだったものの、私は文字や声の雰囲気だけでも出逢う前からどこか惹かれていたのだと思う。 彼女とデートできるならと、実はインドアだった私がやったこともないアウトドアスポーツであるサーフィンに誘った。(いまやハマってしまっているが、、) 当日は少し背伸びをして、車でお迎えをしちょっと遅れたささやかな誕生日プレゼントを渡した。 本当に嬉しそ

          はじまりの日