なんでもない日の、特別な夜
今日も私は夜道を歩いていた。
時折訪れる、仕事終わりのHaRUのお迎えイベントのために。
この迎えに行く時間、私はいつも少し浮き足立っている。
もうすぐ会えるなと思いながら、送られてきた到着予想時間より少し早く着くようにちょっとだけ急ぎ足で歩く。
時には2本の缶ビールを持って。
帰りにふたりで並んで飲み歩くか、近くの河原で少しお話をしながらお酒を嗜んだりするために。
到着予想時間ぴったりに、人ごみに紛れて待ち侘びたその姿は現れて、
人の目なんか気にせずにハグをする。
これがHiMEはたまらずに嬉しい。
今日の夜のご褒美は、ビールではなくラーメンだった。
近くのお気に入りのラーメン屋さんに入って、ふたりでニンニクの香りのする口になって帰路に着く。
そして家が近づくと、必ずと言って良いほど、今日のスカイツリーは綺麗だねなんて言って、綺麗な月を眺めるかのように、ふたりでその光を眺めながら帰る。
そんな夜が幸せだねなんて話して。
以前はすれ違いがちなふたりのために、話す時間を作りたくて、よく職場まで車でお迎えに行っていたけれど、今は事故で車を廃車にしてしまったから、徒歩で駅までのお迎えをたまにするくらいになってしまった。
けれど大好きなHaRUの横顔を眺めながら、こんな小さな幸せを共有できる夜があるのなら、それもまた悪くない。
無理のない範囲で、これからも駅からふたりの居場所まで歩いて帰る時間を大切にしていきたい。
HiME
愛する彼女の横顔と、なんでもない日の特別な夜に愛を込めて
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