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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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#相法早引

相法早引82(相法早引付録)

相法早引82(相法早引付録)

《陰陽四象の気色》
・大陰(=太陰)の気色がある者は、その当時は物を施す事を失う。貪る事のみを欲する。また、正直な者の徳を覆い、暗ませる(≒心を乱す)事を好む。つまり、その気は満月合夜(まんげつごうや)に位置する。
*満月合夜…「合」は再読(返読)文字の「まさに…べし」で、「合夜」は真夜中のことで、最も暗く、寒くなる時間帯にあたる。また、大陰は陰が最大となる状況、つまりは陰極で、文中の満月も合夜も

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相法早引64(股を論ず)

相法早引64(股を論ず)

・正座した時、腰から下が豊かで正しく観える者は、吉とする。必ず僕(しもべ、=家来、部下)を使う。また、貴人の場合は股肱(ここう、=最も頼れる)の臣下を得る。

・正座した時、腰から下が乱れている(安定していない)ように観える者は、必ず奴僕(ぬぼく、=家来、部下)に縁がない。もし奴僕がいたとしても、役に立たない。また、腰から下が淋しく観える時は、自ずと身代(しんだい、=財産、身の上)が衰えるか、ある

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相法早引54(首筋を論ず)

相法早引54(首筋を論ず)

・首筋が太い者は長命で、病気になる事が少ない。逆に細い者は、体が弱い。

・首筋が太く立ち伸びているように観える者は、体が強い。相応の福分がある。

・猪首(いのししくび、=太く短い首)の者は長命だが下相である。だが、相応に暮らす事が出来る。また、人柄が良ければ、相応の発展がある。

・人は人苗草と言い、木に属す(=なぞらえる)。つまり、頭は根、首筋は幹、手足は枝に対応する。例えば、小さな(=低い

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相法早引28(普請/土木建築工事を好む相を論ず)

相法早引28(普請/土木建築工事を好む相を論ず)



↑駅馬、地庫、地閣

・地閣の辺りにほくろがある者は、普請を好む。下賤な者の場合は、家に縁が薄い。己の心が家に落ち着く、という事がない。

・駅馬が健やかで、何となく斐(あや)がある者は、普請を好む。
*斐…綾模様、文模様の事だと思われる。綾模様とは、斜め線が織り成す模様の事である。

・眉頭の毛が立っている者は、身の上(≒運命)がしっかりと定まらない。もし、身の上が定まっている者は、家庭内の

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相法早引27(家を二軒持つ相を論ず)

相法早引27(家を二軒持つ相を論ず)

・地庫の後方の肉付きが縦に分離するように、筋(すじ)が頤(おとがい、あご)まで廻る者は、必ず二軒の家を守る人である。

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相法早引26(孤子/一人っ子の相を論ず)

相法早引26(孤子/一人っ子の相を論ず)

惣領(=長男)にも弟にも観えない者は、必ず孤子である。

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相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)

相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)



↑官禄

・官禄(=額中央)の肉付きが良い者。

・頬の肉付きが良い者。

・耳の中の郭が出ていない者。

以上の内、一相でもある者は、たとえ末っ子であったとしても、必ず親の家を継ぐ。もし、親の家を継がずとも、親族に頼られる存在となり、必ず惣領(=長男)と同様に扱われる。また、弟で親の家を相続する者は、必ず以上三相の内の一相を備えている。俗に「垂れ頬(たれほほ)」と言い、下停(≒顎)の肉がゆる

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相法早引24(弟の相を論ず)

相法早引24(弟の相を論ず)

・上停(=額)が狭い者。

・眉が硬い者。

・髪際が濃い者。

・顔一面がせせこましい者。

・耳の中の郭(かく)が出ている者。
*この観方では、耳を家の表象としている。つまり、耳の中の郭が出ている場合、「家から出る=家を継ぐ者でない」と観る。ゆえに、惣領(≒長男、家を継ぐ者)であっても耳の中の郭が出ていれば、家業を継がずに実家を離れる、と観る。また逆に、次男や三男であっても、耳の中の郭が出てい

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相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

・小鼻が怒り、顴骨が目の際より高い者。

・小鼻が怒り、法令線が広く、後面へ流れる者。

・顴骨が目の際より高く、法令線が後ろへ流れる者。

以上の内の一相がある者は、必ず勢いが強く、家業を十方に広め、名を天下に発する事がある。

・また、この相がある者は、必ず奴僕(ぬぼく、≒部下)を多く使っている。武家や長袖(=公家、神主、僧侶、医者、学者など)にある場合は、十方(=自分の周り)の人が臣下に等し

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相法早引9(発達無き相を論ず)

相法早引9(発達無き相を論ず)

・眉、目、耳、鼻、口に悉(ことごと)く障りがあって、正しくない者は、決して発展しない。

・胴体(=体)が小さい者。

・頭が小さい者。

以上の二相も発展し難い。

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南北相法早引1(忠孝五常の相を論ず)

南北相法早引1(忠孝五常の相を論ず)

浪花 水野南北居士著
南都門人 半田周造挍

・眉が高く、眉の長さが目より長く、眉の毛並みが豊かかつ左右均等で、眉毛に潤いがある者は、必ず仁(じん)がある。

・眼が大きくなく、長く豊かで正しく、清く、自然と神気があるように観える者は、必ず義(ぎ)がある。

・鼻が豊かで、肉付きが良く、形が正直(せいちょく)で、鼻先に丸みがある者は、必ず礼(れい)がある。

・耳が小さくなく、薄くなく、形が正しく

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