「死ねない死者は夜に生きる」第8話(全14話)
あれは何年前だろう。先の戦争が終わり、世の中が貧しくも平穏な日々が訪れた頃だった。町中に子供が溢れていた。後に聞いたところによると、町だけではなく、全国的に子供が増えた時代だったようだ。ともかく子供が多かった。そのおかげで獲物には困らなかった。幼い血気はまださらりと淡白で、おいしいとは言えないが、豊富にあるのはよかった。
ただ、子供には死せる者の姿が視えることがあるらしい。ほとんどの者は成長と共に視えなくなり、記憶からも薄れていくようだ。覚えていても、現実だとは思わないら