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000:「ケッコン」にもやっとする皆さまへ。【結婚してスピード婚するのはリスクも大きいと申し上げたい】

<第二回cakesクリエイターコンテスト応募作品>

 皆さまこんにちは。菊池とおこと申します。オーバー40のそこそこご高齢女子です。

 突然ですが、皆さんは独身でしょうか、ご結婚されてますでしょうか?わたしは30半ばまでまったく結婚願望なしで生きてきまして、あまりにも結婚する気がなさそう過ぎて、母が持ち込まれた縁談をわたしに知らせることすらせず断ったくらいでした(ですから、まじで結婚したくない人は、そういう態度を徹底することがおすすめです。逆に、結婚したい気持ちが少しでもある場合は、「別に、したくもないしー」という態度を取っては大損です)。ところが大失恋や弟の結婚を通過すると、人恋しくなって突然結婚がしたくなり、38歳にして婚活を始め、開始して1年もたたずにスピード婚を決めました。多分婚活上手だったんだろうな、と思いますし、婚活的には大成功でした。

 ところが、結婚としては大失敗でした。相手がまさかのDVで、結婚を開始して1年を過ぎる頃から雲行きが怪しくなり、2年経つ頃には相当ごたごたし始め、最後には警察から実家に直行となりました(警察の方が言うんですよ、「このままご自宅に帰すと危険ですから、どこか迎えに来てもらえるところはありますか?」と)。もうその頃には覚悟も決まってましたから、実家に帰って1か月で、2年間の結婚生活に決着をつけました。

 結婚したこと自体は後悔していません。自分にとって大きな経験だったと思いますし、成長にもつながったと思います。ただ、あの独身だった頃のわたしはあまりにも、結婚生活や結婚相手をどう思い描くかについて、薄らぼんやりとしていた。しょうがなかったかもしれません。だって、結婚するの、初めてだったんだもの!

 さて、離婚した後わたしは、地元の地方自治体の結婚支援事業の担当者の職に就きました。どういうやつか分かりますか?東京住まいの方はぴんとこないかもしれませんが、地方だとよくあります、市町村が開催する、地域の独身者対象の婚活イベントとかが、それです。離婚した後でよくそんな仕事に就いたね、と思われるかもしれませんが、多分わたしは「結婚」ってなんなんぞや、ということに興味が湧いたのかもしれませんし、「田舎の嫁来いイベントって、なんか気持ち悪い」と思っていたから、何か変えてみたかったのかもしれません。それに何事もですね、成功しかしたことのない人より、成功と失敗と両方したことのある人の方が、先達としては向いていますよ。

 そうしてわたしは結婚支援のお仕事をスタートさせ、ほどなく新しい恋愛も始まり(18歳年の差の外国人彼氏です。おかげさまで3年目です!)、毎日ご機嫌に暮らしています。離婚の後わたしは、自分のお仕事やら恋愛やらも含めて、「結婚って、なんなんだろう」「男と女って、なんなんだろう」「いいお付き合いって、なんなんだろう」ということをひねもす頭の中で展開させていて、「結婚」という大きなテーマを中心に、様々な関連分野に手を伸ばしてきました。それは、男性観・女性観という社会の価値観の問題だったり、子育て問題と保育園落ちただったり、過労死や非正規雇用の問題と働き方改革だったり、ジェンダーギャップ指数だったりします。そのあたりの問題がいろいろ絡み合って、わたしたち結婚しづらかったり、結婚しても苦しかったり、結婚の先に夢を持てなかったりするんだな、と分かってきました。

 日本では、結婚する人が減ってきています。2015年には、30~34歳の人たちのうち、男性では約半数、女性では35%近くの人が、独身です。でも、(ああ、もう若い人たち、結婚する気がないのかな?)と思うとそうでもなく、2014年の内閣府の調査ですが、20歳から39歳の独身の人たちのうち、7割8割の人は「結婚したい」(「すぐにでも」から「いずれ」まで含めての数値ですが)と答えています。わたしが開催したイベントなんかでも(あんまりガチじゃないイベントです。「恋活」に近いかも)、「まあ、2~3年後くらい」と思っている人が大半、という実感です。多分みんな、「まあ、いつになるかまだ分からないけど、でもそんなに遠くないうちにいずれは、結婚するんじゃ……ないか、な?」とふわっと思っているんじゃないでしょうか。「結婚など、一生するつもりはない!」と言い切る人は、まだあまり多くないように思います。言い切る派の人には、結婚を押し付けるのはやめるべきだと思っています。あれもまた苦痛ですから。ですが、(そこまで確固としてはいない……それほど気は進まないけど、でもきっぱりとは思い切れないし……)と揺れ動いてしまうのが、悩ましいんですよね。

 現代日本、結婚してもまた大変です。既婚女子の大抵の人は、「仕事との両立が難しい」「夫が家事に無頓着で結局共働きでもワンオペ」「時短にしたら職場で冷遇された」「義母が、どうして子どもを置いて働きにでなきゃいけないの?と言ってくる」みたいなことで頭を悩ませながら、家庭でも職場でもフル回転しています。わたしたち女子、結婚しても、もはや働かないでは暮らしていけません。しかしまだ、ご家庭領域は女子の背中に、しっかり載せられています。

 ですが、日本の女子たちに向けて社会に溢れるメッセージって、こんな感じじゃないですか?

「独身女子って、仕事で成功してても、女としてなんか可哀想」
「35歳までに結婚しないと!アラフォーの婚活成功率は、〇%だけ」
「男はやっぱり、結婚相手に選ぶのは家庭的な人。自分磨きはほどほどに、エスニック料理教室に通うより、冷蔵庫の残り物でぱぱっと料理」
「個性的すぎるファッションはNG。ワンピースかフレアスカート、ヒールは高すぎず低すぎず。すっぴん風だけど手を抜かないメイクで、ポイントはキレイな肌の質感。ショートカットよりナチュラルなセミロング」
「共働きはOKですよ!でも子どもが3歳になるまでは、やっぱり母親に愛情を注いで欲しいかな。寂しい思いをさせたくないし」

 こんな達成ポイントをクリアしてクリアして、社会のニーズに合わせて自分を軌道修正して、その先に見事結婚をゲットしたとして、でも、わたしたち、結婚した後に幸せになれるの……?

 結婚して離婚して分かったことは、離婚しない限り結婚生活はどっちかが死ぬまで続く、ということでした。結婚は新しい人生の幕開けというより、それまでの人生とこれからの人生が地続きである、ということでした。永久不変の幸せと安定などはなく、むしろ状況の変化に併せて柔軟に変わっていかないと幸せはキープできないということでした。そしてこれは、女子だけが頑張ってもどうにかなることでもありません。

 女子への「結婚したいなら、こうあれ」という教え。もやっとする人はいませんか?「将来的には結婚したいな」と思っている人だけじゃなく、今婚活中の人も、同棲中の人も、もしかすると、結婚してみたらますます現実にもやもやしている人も、いるかもしれません。

 じゃあわたしたち、結婚に対してどんなふうに向き合えばいいのか。男の人と付き合う時、どういうところを重要視したらいいのか。どういうところを考えていったら、結婚した後幸せな人生を送って行けるのか。そんなことを考えるシリーズを、いっこやってみたいなと思いました。

 わたしはこのマガジン「婚活してスピード婚するのはリスクも大きいと申し上げたい~女子のためのケッコン虎の巻~」をスタートさせるにあたり、100個の章立てをしようと思いました。「結婚を考える虎の巻100箇条」を作ってみようと思ったのです。途中まで作って、まだ増やしていく予定ですけど、よく考えたら、一人で考えるよりみんなで作ればいいかな、と思いました。皆さん、この虎の巻に、皆さんの思う100箇条を付け加えてくださいませんか?

 独身の方も結婚している方も、男性でも女性でも構いません。ですが、「女は黙ってついてこい」式はやめてくださいね。わたしは、男性も女性も、どっちかの幸せのためにどっちかが負担を担うのではなく 、つらい思いをしないで、一緒に歩いて行ける未来型の結婚を模索したいと思っているのです。また、性的マイノリティの方のご意見もいただけたらと思います。まだ日本では男性と女性の間での結婚しか実現できませんが、もしかしたら性別にとらわれないパートナーシップの中に、これからの結婚の芽が見つかるのかもしれません。

 ご参加いただける方は、note または twitter で、「#スピ婚」をつけて、あなたの考える100箇条を発信してください。わたしが定期的に回収に伺います!回収した100箇条は、それぞれ独立した章のタイトルとして、順次こちらのマガジンでエッセイ化していきます。あと、わたしはハッシュタグで簡単に発信を集められる媒体として、今 note と twitter しか思いつかないのですが、もし「これも使うと便利だよ」というものがありましたら、それも是非教えてください。

 さあ、それではご一緒に、「婚活してスピード婚するのはリスクも大きいと申し上げたい~女子のためのケッコン虎の巻~」を始めましょう。

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<既出100箇条>

企画書
女子へのおススメ参考文献【ケッコン版】
「ケッコン」にもやっとする皆さまへ。【マガジン「スピ婚」への参加のお願い】(オリジナルバージョン)

001:「婚活しなきゃ!」の前に、「自分は本当は結婚したいのかしたくないのか」、じっくり考えてみよう。

番外編:質問いただいて考えたこと。男は相対評価より絶対評価で選んだ方がいい。

002:「みんなが祝福してくれる相手」を追い求めるな、「わたしが快哉を叫ぶ相手」を掴め。まあ、とは言ってもね……。

003:「婚活していることがバレたら恥ずかしい」より、婚活をしていることを隠したまま結婚を決めてしまう方が怖ろしい。

004:「産める年齢のうちに結婚しなきゃ!」と焦るより、「子どものいない人生」について考えてみよう。

005:「一生一緒にいたい男」よりも「別れても危なくない男」を選べ。

006:元カノや元妻の話は「聞きたくない……!」じゃなくて、むしろ積極的に傾聴せよ。

(以下、継続中!)

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カバーフォトは、「みんなのフォトギャラリー」より、Tome館長 さんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございマス!

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