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番外編:質問いただいて考えたこと。男は相対評価より絶対評価で選んだ方がいい。【スピ婚】

 昨日書いた【スピ婚】第1条に、こんなご質問をいただきました。

「今の彼氏さんと元旦那さんを比較して、全ての面で彼氏さんの方が上と感じますか?」

 ちょっと考え込んでしまいました。

 そうですよね、わたし、比較しすぎですよね。これまでの稿で、やたら元夫と彼氏を比較して、めっちゃ元夫をサゲてきたのは自覚しています。そう、そうです、すみません、比較してるんです。ていうか勿論、原稿書く時だけじゃなくて、日常でだって比較してますよ!いちいち(あー……アレと彼とはここが違うなぁ……)とは思ってるんです。そしてまたわたし、思ったことはすべて言語化するタイプですからね。

 ですが、ご質問いただいてあらためて考えてみますと、「比較はしているけど、上下はつけていない」ということに思い至ったんです。でも、それがどういうことなのか、自分でもその時はよく分かりませんでした。

 さて、今朝わたしの住む地域は、とても冷え込みました。この冬一番くらいの冷え込みで、うちの母は台所のスポンジが初めて凍ったと言っていました。明け方の布団の中で、えらく寒かったです。一緒に寝ているネコはまったく温かくないというかむしろ冷え性というか、くっついているとこちらが熱を供給しているような状態になってしまうので、わたしは布団の中で体を丸めながら、(あー、早く彼氏と一緒に寝てあったまりたい)と思いました(土曜日デートします!イェイ!)。そこでふと、元夫と彼氏の比較の仕方について、ひとつの結論が出たんですよね。

 彼氏の家はダブルベッドです。泊まりに行くと、必ず一緒に寝ることになります。彼氏の密着っぷりは凄いです。わたしが背中を向けると後ろから抱きしめてきますし、上を向けば股に足を挟んできますし、顔を向ければ腕枕でホールドです。「best fit♡」とか言ってきます。わたしも最初の頃は慣れなくてもぞもぞしていましたが、今では熟睡です。ほんとにフィットするんですよね。わたしのお尻は彼氏のお腹のくぼみにぴったり収まりますし、脚のくの字も沿いますし、腕枕してもらって正面から抱きついても、うまいことはまります。また、腕枕して長時間キープできる彼氏というのも、強靭な肉体だわよと感心します。

 一方、結婚していた時の寝室では、わたしと元夫はちょっと離れて隣り合うベッドに寝ていました。わたしはべたべたするのが好きなので朝方など元夫のベッドによく潜り込もうとしましたが、大抵断られましたし(「ネコが入ってるから」と言われることもよくありました。あの頃元夫の家では相当レベルの多頭飼いをしてまして、元夫のベッドには通常3匹くらいは入ってたのですが、知るかよ!って感じですよね。嫁が入るっつってんだから、出せばいいじゃねぇかよ!ってね)、腕枕とかは疲れるみたいでした。

 とまあ、このような比較をいたします。でも、「彼氏はちゃんと抱きしめてくれて元夫はしてくれなかったから、彼氏の方が上!」という訳ではないんです。多分彼氏のような男は、さらっとした関係性が好きな女子は、疲れますよ。寝てる間中の密着に、耐えられなくなるのではないでしょうか。さらに彼氏のような男は、仕事中でも「missing you♡」だの「オイデ♡」だの「ネコがまた外(泣)」だの「雪が降ってきた」だの「おっぱいは?」だの、ばんばんラインでメッセージを送ってきますよ(どうも、お客さんが少なくなって暇になる時間帯があるようです)。朝の出勤前に送ってくることもあるし、夜は毎晩ですよ。(うっとおしいわ!)ってなるお嬢さん方はたくさんいるのではないでしょうか。でもわたしは、そういうのが大好きです。むしろ、いい!

 そういうことなんだと思うんです。それはわたしに、「四六時中もべたべたする Love」を希求する価値観があるからなのですよね。以前えとみほさんがその辺の相性のお話を書かれていましたが(「寂しがりのレベル感」が同じカップルはストレスを感じにくいという話)、やっぱりべたべた度のレベル感に温度差があると、ストレスにつながると思います。そういう感じでわたしは、元夫と彼氏を比較しては、(やっぱこっちだわ。こっちが強烈に幸せだわ)と確認しているだけなのです。

 ただですね、さらっとした関係がすきな女子にも、元夫はお勧めしません。どうしてかというと、彼は関係性づくりの基準が自分のみでしたし、その基準は常に動きましたし、その変動を決めるのがその時の彼の気分次第、だったからです(こういうことです)。時間と空間を共有するのは、相当困難ですよ。

 ここまで考えて、(あー、つまりわたしが彼氏を好きなのは、相対的な基準で評価してるんじゃなくて、絶対的な価値基準での評価なのだわ……)という結論に至りましたが、(あれっ、これって結構ミもフタもない話じゃん)と真顔になりました。それって、元夫に対して「あなたは彼氏と比べて落ちる」と言っているのじゃなくて、「絶対的に、ナシ」と言っているのと同じですからね。思わず可哀想になりました(要するに多分、これがもうひとつご質問いただいた「元旦那さんから『心を入れ替えるからやり直したい』と言われたら、多少は心は動きますか?」に対する、「全く心動きません」の答えですね)。

 とわたしは自分を振り返って、「結局女子の好み次第」と結論をつけたのですが、ここであらためて女子の皆さま、特に婚活中の皆さまに対しては、「男を選ぶ時は相対評価じゃなくて絶対評価で選べ」とお伝えしたいです。どうしてかというと、相対評価で男を選ぶと、(迷っちゃう……)(決めきれない……)ということが起こりますし、そこであえて、スペックが高く(見え)て自分には合わない男、を選んでしまったりするからです。

 特に婚活中で効いてくるファクターが、「時間の流れは一方通行」ということです。つまり、出会う男性は順番に現れてきます。その時その時で判断しなければならないので、(あー、前の前の人の方がよかったなあ)と思って後戻りして「やっぱりこっちやめてあの人で」とかはほぼできないし、できたとしても関わった人みんなの信頼を失いますから、しない方がいいのですよね。婚活サービスのシステム次第では、正式にお付き合いを始める前に複数の男性とデートしてみたりすることもありますが、その時もお断りの理由が「こっちの人の方が条件いいので」みたいなエゴ丸出しだと、やっぱり信頼を損ねると、わたしは思います。サービスを利用しているのだと割り切ってもいいのですけれど、そこにはやっぱり相手と間に立つ人とそれらの人たちの感情も関わってきますから、リアルの人間関係でやれないことはやらない方がいいです。お買い物じゃないので(多分、お友達付き合いをする時は、そういう判断しなくないですか?)。あと、そういう選び方をしていると、(あとでもっといい人が現れるのでは……)という思いを、捨て切れません。

 だからわたしはまず、第1条でお話しした、「自分は結婚したいのかしたくないのか」「結婚で何を手に入れたいのか」をきちんと考えることをお勧めするのです。それがあなたの「基準」「絶対評価軸」になります。その評価軸が、あなたの都合のために相手を利用するような評価軸でさえなければ、そういう人は必ず現れると思いますし、その評価軸に合わなかった人を(でも、条件いいんだよなあ……。惜しい!)みたいな目で追って、未練を残すこともないのではないでしょうか。

 今回は、ちょっとイレギュラーな番外編として、お送りしました!

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カバーフォトは、「みんなのフォトギャラリー」より、en さんの写真を使わせていただきました。ありがとうございマス!

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