#665 シェークスピアも近松も自然そのままである!
それでは今日も坪内逍遥の「シェークスピア脚本評註緒言」を読んでいきたいと思います。
ずいぶん熱がこもってますね!
シェークスピアの作品は理想が優れているのではない。近松の作品は自然そのままである。シェークスピアも同じで、「頗る自然に肖たればなり」。自然そのままに見えるのは「其の作に理想の見えざるが故にあらぬか。これのみの理由によりて理想高大なりといふは信[ウ]けがたし」。
シェイクスピアの全集版テクストは1705年あたりまでは分厚く重い1巻本でしたが、1709年に、持ち運びが便利な8つ折り判6巻本で刊行したのは、イギリスの劇作家であるニコラス・ロウ(1674-1718)です。シェイクスピアに関する広範な伝記をはじめて編集し、これによって伝記的情報が一般読者にも知られるようになりました。ロウの全集に次いで2番目となる全集が、イギリスの詩人アレクサンダー・ポープ(1688-1744)が1725年に出した、4つ折り判6巻本からなる全集です。
イギリスの批評家ウィリアム・ヘイズリット(1778-1830)は『Lectures on the dramatic literature of the age of Elizabeth』(1820)でシェイクスピアについて論じ、アイルランドのシェイクスピア学者のエドモンド・マローン(1741-1812)は1778年にシェイクスピアの戯曲の暫定的な年表を構築した最初の学者であり、イギリスの文芸評論家のウィリアム・ウォーバートン(1698-1779)は、アレクサンダー・ポープと一緒にシェイクスピア作品の編集に取り組みました。
エドウィン・アボット(1838-1926)が1870年に出版した『シェイクスピア文法』は、英語文献学の分野に多大な貢献をし、ドイツの文献学者のアレクサンダー・シュミット(1816-1887)は、『シェイクスピア辞書』(1874)を出版しました。
ドイツの詩人であるゴットホルト・エフライム・レッシング(1729-1781)は、『ハンブルク演劇論』(1767-1769)で、シェイクスピアを最も優れたアリストテレスに基づく詩人と見倣し、一方、ドイツの詩人であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、論文「限りなきシャイクスピア」(1826)で、シェイクスピアは文学史では欠かせない人物であるが、演劇史には付随的に登場するに過ぎないと主張しています。
ということで、この続きは…
また明日、近代でお会いしましょう!
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