#1418 これより最後の楽しみは奈良じゃ!
それでは今日も幸田露伴の『風流佛』を読んでいきたいと思います。
仏師の道を志すも自分の技の足らないことを恨んでいる珠運という男。石膏細工をする鼻高い唐人らに下に見られる鬱憤を晴らそうと嵯峨の釈迦に一向専念の誓いを立てた男。夕立が三条四条の埃をはらい、月の影うつす清水に瓜を浸して食べ、夕暮れをみながら白檀の切り屑を蚊やりのために焚いて、これも余徳と有難がります。湯豆腐を食べながらガラス越しに雪見することもなく、祇園に行くこともなく、琴三味線の小唄も聞かず、自身の手作りの弁天様