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坪内逍遥の『小説神髄』に挑戦だ!

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この国に「小説」を根付かせる!では一体「小説」とは何なのか!「小説」の性質と意義を理論的に紹介したのが坪内逍遥の『小説神髄』です!近代文学を読む上で避けては通れない理論書をはたし… もっと読む
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記事一覧

#026 ちょっとだけ大学物語

坪内逍遥の『小説神髄』本文冒頭は、次のように始まります。 小説の美術たる由を明らめまくせ…

#029 美術とは何ぞや!

アーネスト・フェノロサは、政治学の教授として、モースからスカウトされ、日本にやってきまし…

#030 あまりにも残酷な美術の本質

坪内逍遥は『小説神髄』で、フェノロサや大内青巒[セイラン]の言葉を借りて、自身の「美術」 観を…

#031 完全無欠の小説

坪内逍遥は『小説神髄』で、次のように述べます。 有形美術は専ら色彩と形容とを主眼となし、…

#032 なぜウソが混じるのか?

坪内逍遥は『小説神髄』で、「小説の変遷」について語り始めます。 小説は仮作物語[ツクリモノガタリ…

#033 はじまりは詩歌だった

坪内逍遥の『小説神髄』は、 詩歌から小説に至る過程を説明します。 しかりしかして文運のい…

#034 アレゴリイとフヘイブル

坪内逍遥の『小説神髄』をここまで読んで、一体何に対してモヤモヤしているのかを整理するためにも、これまでの内容をざっくりとまとめてみました!w まず、逍遥は、人の感覚の点から、各美術を分類します。 次に、詩歌から小説へと至る過程を説明します。 詩歌で祖先の武勇伝を語ることから、神代史がはじまり、時を経て、その話の内容を「盛る」ようになり、記録が文字へと移るにつれ、史伝と奇異譚に分かれていきます。 #011で紹介したように、魯迅は「詩歌は労働から生まれ、小説は休息から生ま

#035 演劇の弱点とは

坪内逍遥は『小説神髄』で、「演劇」について述べ始めます。 演劇もまた之れにひとしく、はじ…

#036 「小説の変遷」で気になるところ

坪内逍遥の『小説神髄』を、第1章に当たる「小説の変遷」まで読みましたが、ここで一度、気に…

#037 「小説の変遷」で不満なところ

坪内逍遥の『小説神髄』を、第1章にあたる「小説の変遷」まで読んで、気になった点と、不満な…

#038 『小説神髄』はここから読むべし!

さて、今日から、坪内逍遥の『小説神髄』の第2章に当たる「小説の主眼」を読んでいきたいと思…

#039 主人公が勝手に動き出す

坪内逍遥は『小説神髄』の第2章に当たる「小説の主眼」において、次のように述べます。 凡そ…

#040 86年前の本居宣長を使って…

2020年の86年前は、1934年である。 例えば、現在26歳の若者が、86年前の1934年に思いを馳せる…

#041 小説の種類

坪内逍遥の『小説神髄』は、このあと、第3章にあたる「小説の種類」に入ります。 ちなみにサブタイトルは、 摸写小説と勧懲小説との差別 時代物語、世話物語等の事 となっています。 逍遥は、次のように始めます。 小説をその主意より見て区分すれば二種[フタクサ]あり。曰く勧懲、曰く摸写、即ち是れなり。 勧懲小説(ヂダクチック・ノベル)については 専ら奨誡をその主意として人物を仮作[ツク]り、脚色[シクミ]を構へて、世を諷誡[フウカイ]せむとつとむる物 だと説明し