それでは今日も幸田露伴の『風流佛』を読んでいきたいと思います。
珠運は仏師の匠の足跡をたずねる旅で、帰りの旅中、須原の宿で美しい女性に出会います。その名は「お辰」、京都で産まれ、母は芸子の室香、父は鳥羽伏見の戦いに出兵したあと帰ってこない境遇で育ったことを、宿屋のおやじに教えてもらいます。おやじの話はつづきます……
「笈」とは、修験者などが仏具・衣服・食器などを収めて背に負う箱のことで、「笈づる」とは、笈を背負って背中がすれるのを防ぐために着るひとえの袖なし羽織のことです。
「茶断ち塩断ち」とは、願掛けのために、茶や塩を取らないことです。
「悋気萌す」とは、やきもちの心が起こるという意味です。
ということで、この続きは……
また明日、近代でお会いしましょう!