それでは今日も幸田露伴の『風流佛』を読んでいきたいと思います。
いよいよ今日から本文に入ります。珠運が匠の足跡をたずねる旅にでて、往路は東海道で東京まで行き、復路は中山道で奈良まで向かっている途中、長野の須原の宿に着いたところです。
今回の『風流佛』は、「十如是[ジュウニョゼ]」が各章のタイトルとなっています。「十如是」とは、天台宗の法華経方便品[ホウベンボン]で説かれた万物構造の因果律を10種であらわしたもので、現象と本体とが互いに一体化して区別なく、仮のものと真実とがとけあって一つになっていることを説いたものです。方便品の一節は以下のように書かれています。
それでは早速、本文へとまいりましょう!
「我折れ」とは、すっかり参って恐れ入ることです。
というところで、「第一」が終了します。
さっそく「第二」を読んでいきたいのですが……
それはまた明日、近代でお会いしましょう!