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丸暗記の学習ではなく「イメージを掴む」という点に配慮した学習に触れることのできる一冊。『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 - 東進ブックス』【書評】

本著をひとコトで表現するならば、「英語の感覚を掴む手がかり」になる一冊。英文法の向こう側にある、ネイティブのフィーリングに近づけます。

コミュニケーションは感情を表現してナンボ。感情が触手を伸ばす言葉を選ぶべき。じゃあ、「こんな気持ちのときはどの言葉を選べばいい?」の手がかりが手に入る一冊です。

すべての日本人が「話せる英語」を「最速」で達成するための英文法大全。英語のシステムやネイティブスピーカーの意識が,豊富なイラストとコラムで最もカンタン且つ詳細に解説されています。
受験や資格のためだけではなく,本当に日本人が英語を話す(動かす)ことができるようになるための「エンジン」を搭載。従来の文法教育の「失敗」を払拭し,日本の英語教育を変える,全く新しい英文法書がついに誕生しました。

英単語、熟語、慣用句などなど、それらすべてを丸暗記しようもんなら、きっと一生を費やしてしまうことだろう。ネイティブだって、丸暗記した言葉の中から適宜、いずれかを選んで言葉を紡いでいるわけじゃない。そう。そこには、「意識・感覚・感情」が潜んでいて、それらのイメージとマッチする言葉が反射的に選ばれているに違いない。

本著では、丸暗記の学習ではなく「イメージを掴む」という点に配慮した学習に触れることができます。

例えば日本語の場合、「疲れたなぁ」「ヘトヘトだぁ」「ダルいなぁ」などなど、似たような感情を吐露するときにでも、微妙に異なった表現を用いる。けど、無意識にそれらを選んでいますよね。きっと、言葉ってそういうものなんだよなぁ、ということに、本著は気づかせてくれます。

英単語や英文法に対し、イメージイラストが多用されていて、その言葉が持つコアイメージを掴めむための配慮に溢れています。そのイメージをベースに多様な表現を吸収していけば、丸暗記なんかに頼らなくても、言葉を巧みに使いこなしていけるはずです。

もちろん、英語を身につけるためには慣れることが重要ですし、現地に行って本場の英語に触れるのが、最も効果的な方法かもしれません。ただ、そういう学び方の選択ができない人もいるでしょう。

そんなときは日本にいながら、楽しいと感じる英語学習に没頭・没入するほか、ありませんよね。もちろん、日本には外国の方もたくさんいるため、コミュニケーションは行動次第で楽しむことはできるけども。

だったら、英語学習の「楽しい」を見つけなくちゃダメですよね。

英文法と聞くと、ちょっとした拒否反応を起こす人がいるかもしれませんが、「英語の構造を知る」という観点からすると、とても興味深いですよ。ロジカルな英語という言語の構造を知り、「なぜ、こうなるのか」を理解することで、漠然とした英語という世界がすっきり明瞭になっていきます。

本著はそんな構造を知るための学びも提供してくれます。

かなりのページボリュームがありますが、順を追って学んで行くことでどんどん理解も深まっていき、英語というスキルがパワーアップしていく感じを体感することができます。

もちろん、英語はあくまで言語。コミュニケーションの道具であることに違いはありません。が、「英語って何者なの?」というボヤッとした存在の、その正体を暴いてくれる一冊だと感じました。おすすめの一冊です。


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