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金沢カレーはフォークで食べる。

金沢というとどんなイメージがあるでしょうか。

北陸の小京都、詩人室生犀星のふるさと、雨に濡れた美しい街並み。
どことなく物静かで耽美的な印象が強い気がします。

🍛パワフル金沢

しかし、ご当地グルメはけっこうパワフル。

日本の国民食のひとつ、カレーも金沢バージョンはパワフルです。

どろっとした濃厚なルウ、ででーんとのったカツ。
そんな金沢カレーを再現してみた話です。

🍛ソースのベースは赤ワイン煮込み

まずはカレーを作るのですが、ベースになるのは赤ワイン煮込み。
市販のルウは使わず、カレー粉プラス自家製ルウで入れて仕上げていく形です。

🥄ベースの赤ワイン煮込みの材料(4皿分くらい)
・にんにく…1片
・玉ねぎ…1個
・バター…5グラム
・牛すじ肉…お好みの量
・赤ワイン…2カップ
・フォンドボー…小袋1
・トマトペースト…小袋1
・水…1カップ

スライスしたにんにくを炒めます。

香りが立ってきたら玉ねぎとバターを投入。

ときどき混ぜる感じで玉ねぎが色づくまで中火で炒めます。

🍛玉ねぎ炒めはちょっとだけがんばる

一般的なレシピ本なんかでは弱火でじっくり何10分という感じだと思いますが、ふだん家で作るのにそこまで時間はかけられないと思うので、ちょっと時短なレシピです。

ポイントは焦げないように混ぜること。混ぜ続けるのは大変ですが、ときどき混ぜる感じで大丈夫。

ただし、焦げる前に混ぜる。
焼き色がついたら返す。

という感じなので炒めてる間は玉ねぎから目を離さないことを意識しています。

5分もすればまんべんなく色づくので、ちょっとだけがんばってみてください。

続いて牛すじ。

こんがりと焼き色がつくまで焼きます。
牛すじがなければ、牛肉ならなんでもOK。

ただ煮込むので、赤身だけだと具になるお肉がぱさっとしてしまいがち。
すこし脂身のある方が脂のトロっとした食感も楽しめて、味にもコクが出ると思います。

長時間煮込むとお肉はしっかりやわらかくなるので、せっかくなら薄切りよりブロック状のお肉がおすすめです。

焼き上げたら炒めた玉ねぎと合わせます。

🍷旨味は逃がさず

お肉を焼いたあとのフライパンに付いた旨味も逃しません。

キッチンペーパーでさっと余分な脂を拭ったら赤ワインを入れます。

火にかけながらヘらでフライパンの旨味をしっかりと赤ワインに溶かし込みます。

ここで旨味のカギの登場です。

フォンドボーとトマトペースト。

フォンドボーがなければ、コンソメキューブやパウダーでもいいのですが、フォンドボーのほうが断然味に深みが出ます。

お鍋にすべてが集結の瞬間です。

あとはじっくり煮込むだけ。

煮込み時間は1時間ちょっと。
途中で水分が減ってきたら、様子を見つつ足してOKです。

牛すじが柔らかくなって、玉ねぎが深い赤色に染まっていたら、ベースの赤ワイン煮込みは出来上がり。

🍛カレーを仕上げます

煮汁を濾して、玉ねぎとにんにくを取り除いて、牛すじと煮汁を鍋に戻しておきます。

🥄カレースパイスの材料(4皿分くらい)
・カレー粉…大匙3
・お好みのスパイス…※なくても可
(今回はクミン、コリアンダー、ターメリック、フェヌグリーク)
・バター…5グラム
・オリーヴオイル…大匙1

オリーブオイルとバターを入れて火にかけ、バターが溶けてきたらカレー粉とスパイスを入れます。

よく混ぜながら炒めます。いわゆるコーヒーの焙煎などと一緒で、カレー粉の色づき度合いに合わせて、香ばしいローストしたコーヒー豆のような香りが加わってきます。

ただ全体がなじんでからは一気に火が入りだすので、焦がさないように注意です。黒く焦がしてしまうと苦みが強くなってしまうので、理想の色の2歩手前くらいまでで火からおろすのがポイントです。

赤ワイン煮込みのスープで炒めたカレー粉を伸ばします。

ヘラで混ぜながらカレー粉をしっかりとかして、赤ワイン煮込みの鍋に入れます。

あとはコトコト煮込むだけ。

30分ほど煮て味を見て、まとまっていたら火を止めていったん冷まします。

この時点で、いわゆるサラサラカレーのできあがりです。
このまま温めなおしてごはんにかけたら、スパイスカレーみたいなさらりとしてスパイシーなカレーソースとして楽しめます。

🍛どろっとカレーはあとひと手間

ですが、今回再現するのは金沢カレー。
あの特徴的などろっとした濃厚なカレーに仕上げるのに、もうひと手間です。

🥄ルウの材料(2皿分くらい)
・バター…10グラム
・小麦粉…大匙2

あのとろみの素になるのはフランス料理などで定番のルウ。
小麦粉をバターで炒めて作っていきます。

バターを入れたフライパンを火にかけます。

溶けてきたら弱火にして小麦粉を入れます。

よく混ぜながら炒め続けて、全体がまとまってねっとりとした感じになってきたらルウの完成です。

カレーソースを少しずつ入れていきます。

ヘラで混ぜてのばして、全体がとけたらOK。

あとは食べる分のカレーソースを加えてよく混ぜます。

🍛トッピングも全力金沢

金沢カレーの盛り付けは、ごはん+カレーにキャベツとカツ。
もちろんそれも全力で再現します。

🥄トッピングなど
・カツ
・キャベツ
・ごはん

キャベツは千切りにして水にさらしておきます。

続いてカツに衣をつけます。
今回は定番のロースではなく、ヒレにしました。
好きなんです、ヒレカツ。

ちなみにフライの衣付けに関しては、こちらの記事でちょっと語ってます。

ヒレは火通りのいいお肉なので、高めの温度の油で衣がきつね色になるまで揚げていきます。

からっと揚がったらしっかり油を切ります。
うん、いい色。

🍛いよいよ盛り付けです

お気に入りのシルバープレートが活躍です。

カツを切り分ける瞬間のさくっという音、いいですよね。
録音しておなかの空いたときに聴いてみたい気がします。

🍛金沢カレーはフォークで食べる

ごはんが隠れるくらいにルウをかけるのも金沢カレーのポイント。

カツを載せたらできあがりです。

さあ、食べよう。食べましょう。
金沢カレーの最後のポイント、フォークの登場です。

金沢カレーはフォークで食べる。

たしかにスプーンと違って、カツも刺せれば、千切りキャベツもフォークの隙間にからめながら食べられて便利です。

そしてどろっとした特徴的なルウは、ご飯やトッピングと絡めたらフォークでも食べられるんですよね。

耽美的なイメージのある街、金沢のカレーは濃厚。

そういえば、京都のラーメンも濃厚だったりしますね。

そんなギャップもおもしろいなと思います。

ご当地グルメをめぐる旅、まだまだはてしない道のりです。


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