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チャーシューエッグってなんだろう

卵が好きなんですけど、よく考えるとひと口に卵といっても、料理のバリエーションはかなり豊富です。

たとえばフライの衣に使ったり、お菓子を焼くのに混ぜたり、そんな卵の姿が見えなくなる、縁の下の力持ち的な使い方まで含めると、出番は無限にあるように思えてきます。


🥚卵料理いろいろ

ただ、そういうメニューは卵料理というカテゴリに括られることはないと思うので、ここでいうのはあくまで、卵が主役の品々。でも、そんな縛りを加えてもいろんなラインナップが思い浮かびます。

おふくろの味の代表、玉子焼きに、洋風ならオムレツ。シンプルな茹で卵に、それを漬け汁に漬け込んだら、人気のラーメントッピングの味玉にもなります。それからたっぷりのお湯の中に割り落として泳がせるようにして茹でるポーチドエッグもあれば、それを油におとして揚げればウフフリ。

そして忘れてはならないのが、目玉焼き。手早く作れて満足度があって、朝ごはんにトーストともに登場するかと思えば、焼きそばやナポリタン、ハンバーグなどなどのトッピングとしても定番です。

🍳目玉焼きバリエーションの中に

そんな目玉焼き、大衆食堂的なお店では、堂々定食のメインをはってたりします。そのときはハムやベーコンをお供にしたがえて、ハムエッグ、ベーコンエッグの姿をしていることも。レトロな定食屋さんの壁に貼られた短冊のようなお品書きの中に、ハムエッグ定食480円みたいな文字を見つけると、そそられます。

そして、これ。好きなんですけど、ちょっと不思議な存在感を放っているように思うメニューです。

目玉焼きバリエーションの中のひとつですが、お供をつとめるのはハムでもベーコンでもなく、でもその親戚的なあれ。チャーシューです。

でもチャーシューエッグって、その名前を出せばどんな料理なのかはだれにでも伝わるのに、ハムエッグと比べると親しみがうすい気がしませんか。

🐽チャーシューの存在感

そもそもチャーシューという時点で、そのままの姿でスーパーで買うのが当たり前なハムやベーコンとは一線を画したオーラが漂ってる気がします。

もちろんチャーシューにも市販のものはありますが、ハムやベーコンと違って、お店で買うというシチュエーションにおいて主力なのは、パウチされた大手メーカーさんのものより、お肉屋さんの手作りみたいなタイプではないでしょうか。

それはそのお店の自慢のひと品で、朝早くからお店の厨房でタレの海の中でぐつぐつ煮込まれて、箸を入れるとすっと通るような肉のかたまりです。

チャーシューの活躍度が高い、ラーメン屋さんでもそれはおなじ。トッピングの中でも一番人気で、お店ごとの個性もそのラーメンの人気にひと役買っているはず。脂のとろとろを楽しめるバラ肉なのか、しっかり噛んで旨味を味わう肩ロースなのか。ぐるぐる巻いたタイプの断面もたまらないし、表面を焼いた炙りチャーシューを売りにするラーメン屋さんもあるでしょう。

🤔どこにいるのかチャーシューエッグ

それが目玉焼きと合体したチャーシューエッグ。ハムエッグ、ベーコンエッグのどこか軽やかな雰囲気とは異なって、一気に重厚感やメインの存在感を高めてきませんか。

ではどこで食べられるのか。

たぶんラーメン屋さんのサイドメニューにあるかもしれないし、定食屋さんのランチメニューや居酒屋のおつまみにもあるんだと思うのですが、なぜかハムエッグと比べると、なかなかお目にかかる機会が少ない気がします。

じゃあふだんどこで食べてるの。となると、答えは簡単。そう、おうちごはんのメニューだったりします。

🏠️おうちで作ろう

というのも我が家はわりと常備菜、冷凍ストックの類いがいつもなにかしらあるという食生活なんですけど、その中でも冷凍庫に常備しているのがチャーシューなんです。

というわけで、今回は作り置きチャーシュー活用メニューのチャーシューエッグの登場です。

スライスしたチャーシューを焼きます。もともと冷凍するときに切り分けてあるので、作り置きを使うなら、解凍してそのまま焼くだけ。醤油だれの絡んだ豚バラが、溶け出す自身の脂で揚げ焼きっぽくなると、いい香りが漂ってきます。

真ん中のスペースを少しあけて卵をポトリ。すこし火を弱めたら、蓋をして蒸し焼きにします。

白身が固まれば焼き上がりです。

そういえば卵の黄身って目玉焼きにしたとき、黄身の名前のとおり、表面が黄色いときと、今回みたいなピンクっぽいのがありませんか。割ると中から溢れてくるのは鮮やかな黄色なのに、見た目がピンクっぽいのはなぜなんでしょう。でもきれいなので好きです、ピンク。

焼き上がったチャーシューエッグをお皿に盛り付けたら、付け合わせも。

今回はサラダ菜の上に、千切りキャベツをドレッシングであえたコールスローサラダと、たっぷりのスパサラです。お気に入りのシルバープレートに載せたら、大衆食堂のメニューぽくなって、わくわくしてきました。

どうでしょう。ボリュームもしっかりあって、白ごはんのおかずにも、ビールのおつまみにもなりそう。

🍳黄身はいつ崩すか問題

食べるときに悩むのは、どのタイミングで黄身を崩すかですね。

まずはコールスローサラダで口を湿して、それからそのままのチャーシューをぱくり。まだ黄身は破らず、白身だけをすこし切り取ってひと口。スバサラでリセットして、コールスローに戻る。

お皿の上のチャーシューを半分食べたあたりが、頃合いです。黄身の真ん中に狙いを定めて、お箸の先をぷすり。溢れ出した黄身が広がって、それがからんだチャーシューは濃厚さを増します。

黄身はまるで、突如登場した追加のソースのような役割。スポーツでいうなら、途中出場のエースのポジションです。

そして黄身をからめて食べるスパゲティサラダの美味しさときたら、これはきみ、もう満点のエースの仕事ですよ。

🍳チャーシューエッグはいとこかも

で、結局チャーシューエッグがなんなのかと、作りつつ食べつつ考えてみたのですが、こんな感じの結論にいたりました。

  1. ハムエッグより豪華な気がする

  2. でも親しみやすい大衆食

  3. お店よりおうちごはん

出会う回数は多くないんだけど、思わぬときに再会できたりもするし、会う気になればいつでも会える。

会うと堅苦しくなくて、お高く止まってもなくて、久しぶりでも緊張したりもしない。日常よりすこし特別なのに、親しみやすくてフレンドリー。ともに過ごすと満足で、そしてどこかほっとする空気がある。

つまりあれですね。ハムエッグやベーコンエッグが一緒に暮らすきょうだいだとしたら、チャーシューエッグはこどもの頃に憧れた、いとこのお兄ちゃんみたいな存在なのかもしれませんね。


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